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潮を編む――滅んだ小領主の娘、唐土に売られ、海賊の妻となる

作者:ハタ星人
最新エピソード掲載日:2026/10/14
前世は、水と農業の支援で異国を渡り歩いた技術者だった。
気づけば、応永年間の九州・筑前国、滅びゆく小さな家の娘・千代に生まれ変わっていた。

升の目盛りの誤魔化しを見抜き、家の商いを立て直す。
だが、十四歳の娘の言葉は、家督争いという大きな流れの前では、誰にも届かない。

大内と少弐、二つの勢力に挟まれた分家は、抗う術もなく焼け落ちる。
父は死に、兄は死に、生き残った千代は、海賊に捕らえられ、
荷として――博多の唐房から、唐土(明)の商人の船に積まれていく。

売られた先で、千代は初めて「見せる」ことを覚える。
逆風でも走る帆、沈まぬ船の仕組み、硝石の作り方――異国の技を、
道具のない手に教える技術者として、四年をかけて自分の値を積み上げていく。

そして、日本人倭寇の頭目に見出され、その船団に迎えられる。
瀬戸内へ帰り着いた千代は、もはや荷ではない。
頭目の妻として、誰よりも数字を読む知恵者として、
一介の海賊の一党を、島々を束ねる勢力へと押し上げていく。

だが、女に軍議の席はない。千代の策は、常に男の口を通してしか世に出ない。
手柄は男のものになり、彼女の名はどこにも残らない。

それでも、千代は止まらない。瀬戸内の海賊衆を傘下に収め、
唐物を手土産に、在地の小者から守護、そして幕府・将軍家へと――
記録には残らない糸を、畿内の政の奥深くにまで伸ばしていく。

知っていることと、できることは違う。声を上げても届かないと知った娘は、
それでも、数えることをやめなかった。

前世の識だけを武器に、滅んだ家の娘が、瀬戸内の海から日本の中枢へ、静かに、しかし確実に手を伸ばしていく――成り上がり歴史小説。

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エピソード 1 ~ 100 を表示中
第五話 白水衆
2026/08/15 20:00
第六話 縁組
2026/08/15 20:00
第七話 内応
2026/08/15 20:00
第九話 乱取り
2026/08/15 20:00
第十話 唐房
2026/08/15 20:00
第二話 泉州
2026/08/17 21:00
第三話 筆
2026/08/18 21:00
第四話 冬
2026/08/19 21:00
第五話 狂い
2026/08/20 21:00
第六話 造船場
2026/08/21 21:00
第七話 逆風
2026/08/22 21:00
第八話 針
2026/08/23 21:00
第九話 白い器
2026/08/24 21:00
第十話 山
2026/08/25 21:00
第十四話 刻限
2026/08/29 21:00
第十七話 棟梁
2026/09/01 21:00
第十八話 海禁
2026/09/02 21:00
第二十一話 値
2026/09/05 21:00
幕間 陳文興  手
2026/09/07 21:00
幕間 阿蓮  口銭
2026/09/07 21:00
三部 一話 鵜の子
2026/09/08 08:00 (改)
第二話 分捕り
2026/09/08 20:00
第四話 迷い船
2026/09/09 20:00
第八話 値踏み
2026/09/11 20:00
第九話 使者
2026/09/12 08:00
第十八話 塩
2026/09/16 20:00
第二十四話 格
2026/09/19 20:00
幕間  影 松吉
2026/09/22 08:00 (改)
幕間  機 綾
2026/09/22 18:00
第二話 赤い水
2026/09/23 20:00
第三話 抗う島
2026/09/24 08:00
第十話 隠れ里
2026/09/27 20:00
第十五話 約束
2026/09/30 08:00
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