第一話 島門の潮
応永十九年(一四一二)九月 筑前国遠賀郡 島門
潮が引きはじめていた。
遠賀の川口に泥が顔を出して、干潟がぬるく光っている。杭の上に鴉が一羽降りてきて、そのまま動かなくなった。北から風が来る。海藻と、魚のはらわたの匂い。
わたしは石段の三段目に座って、膝の上で帳面を広げていた。
指が冷たい。九月でこれなら、霜月には筆が持てなくなる。
十一歳の体は、思っていたよりずっと不便だ。背が低いから塀の向こうが見えない。腕が短いから桶が持てない。そして何より、寒さにすぐ負ける。
硯の水が減って、墨の線がかすれた。
墨をもう一本もらいたいけれど、もらう理由が説明できない。「帳面をつけたいので」なんて言ったら、父上にまた、あの顔をされる。娘が何を言い出したのか分からない、という顔を。
「姫様。また潮を見とらすとですか」
背中の方から、さよの声がした。板敷きを鳴らして石段を降りてくる。十六になる漁師の娘で、この湊のことならわたしより何倍も詳しい。
「飽きんもんですねえ。潮は毎日引きますとよ」
「毎日、違うて引く」
わたしは帳面から目を上げずに答えた。
「昨日は、あの杭の二つ目まで見えた。今日は三つ目まで見えておる」
「そら、そうでしょうたい。月が変われば潮も変わりますけん」
「変わるのは知っておる。どれだけ変わるかを、書いておるのじゃ」
さよは言葉に詰まって、それから笑った。いつものことだ。この子は、分からないことを笑ってやり過ごす。
うらやましい、と思う。わたしは分からないことがあると眠れなくなる。前もそうだった。
墨の匂いがした。冷えると、少し鉄みたいな匂いになる。
島門は、遠賀川の河口の西側にある小さな湊だ。北へ半里も行けば響灘に出る。東へ川を渡れば芦屋津があって、そっちは本家、芦屋の御屋形が押さえている、このあたりでいちばん大きな港になる。周防からも長門からも船が入る。朝鮮から来ることもあるらしい。
島門は、その芦屋の枝みたいなものだ。
大きな船は入れない。潮の具合で河口に砂が寄るから、船底の深い船は腹をこすってしまう。だから小舟が入って、荷を分けて、川を上るか陸を運ぶかする。
わたしの父、麻生家繁が預かっているのは、その荷を検めて関銭を取る役目だった。
小さな役目だ。でも、この家を食わせているのは田んぼではなくて、この関だった。
つまり、実入りの柱が一本しかない。しかも他人の荷を通させてもらう商売。荷が来なくなったらそれで終わり。芦屋に何かあれば、その日のうちに終わる。
そういうことを考えてしまうのが、わたしの困ったところだ。
三月ほど前から、思いつくままに書きつけている。潮の高さ、風の向き、入った船の数、積んでいた荷。誰に頼まれたわけでもない。
書いておけば、残る。残れば、比べられる。比べられれば、狂いが見える。
そういう手つきを、わたしの指は覚えている。
前の生で、わたしはよその国にいた。電気の来ていない土地だった。水の足りない村に入って、井戸を掘る場所を決めて、谷を堰いて池を作った。痩せた土に草を鋤き込んで、塩に強い種を選んで、それを、道具のない人たちに手仕事として教えて回った。
雨の量。池の水位。撒いた種と、採れた分。毎日それを書きつけていた。書いておかないと、去年より良くなったのか悪くなったのか、誰にも分からなくなるから。
はずなんだけど。
顔が思い出せない。名前も、いつのことかも。
毎日顔を合わせていた人たちが、一人も出てこない。名前を呼んでいたはずなのに。
残っているのは手つきだけだ。人の顔は全部消えたのに、水の見方だけはちゃんと残っている。
ずるいと思う。逆であってほしかった。
「姫様」
さよが干潟のほうへ顎をしゃくった。
「舟が入りよります。三艘」
目を細めた。北から、帆を下ろした小舟が三艘、河口を回り込んでくる。船縁が低い。荷を積んでいる。
帳面をめくって、筆を執った。
「九月十一日。申の刻。三艘」
書きながら、眉が寄った。
三艘。
先月の同じ潮回りも三艘だった。その前も三艘。
揃いすぎている。
海は毎日違うふうに引くのに。船だって、同じであるはずがない。
「さよ」
「はい」
「あの舟は、どこの」
さよは手をかざして、しばらく目を凝らした。
「芦屋のもんですたい。帆柱の継ぎ方で分かります。うちの湊のは、あげん高う継ぎません」
「芦屋の舟が、なぜ島門に入る」
「そら、芦屋に入りきらん荷ばこっちに回しよるとでしょう」
「入りきらぬほど、芦屋は繁盛しとるか」
さよが、少し声を落とした。
「近ごろは船が減っとるて、父が申しよりました。周防のほうが騒がしかけん、上りの船が来んとです」
顔を上げた。
周防。大内の膝下だ。
騒がしい、という話をこの半年で三度聞いた。出どころは毎回違う。違う口から同じ話が出るときは、だいたい本当のことだ。それは前の生でも同じだった。
「さよ。騒がしいとは、戦か」
「知りませんばい。父もそげん詳しゅうは」
「そう」
帳面を閉じた。表紙の紙が湿って、たわんでいる。
大内と、少弐。
名前だけは知っている。この二つが西のほうで長く争ったということも、たぶん、知っている。
でも、それだけだ。
わたしが覚えているのは、太い字で書いてあったところだけなのだ。大きな出来事の名前と、その並び方。誰が誰に勝ったとか、どの家がいつ滅んだとか、そういう細かいことは何一つ入っていない。
麻生。
その名前を、わたしは一度も見たことがない。
島門という湊の名前も、見たことがない。
——つまり、載っていないのだ。
背中を、汗が伝った。九月の風は冷たいのに。
載っていない場所で、何が起きるのか。それを知る手立ては、わたしにはない。父上も、兄上も、この湊も、この先どうなるのか、太い字のどこにも出てこない。
だから、せめて、知っていることだけは書いておこう。潮も、船の数も、升の傷み方も。書いておけば、あとで、間に合ったかどうかを確かめられる。
この家が、ここで終わらないように。
そう思った。それが、いまのわたしの、たった一つの望みだった。
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関の番屋は、河口を見下ろす丘のふもとにある。板葺きの粗末な小屋で、雨が降ると東の隅から漏る。中は薄暗くて、古い縄と魚油の匂いが染みついていた。
与三次が框に腰かけて、荷の目を検めている。
五十八になる老臣だ。父の代からこの関を実際に回してきた人。日に灼けた首の皺に、白く塩が浮いている。字は読める。書けない。
「与三次」
土間に入ると、老人は顔を上げて、露骨に嫌そうな顔をした。
「姫様。またでございますか」
「升を見せて」
「何度も見て、何がおもしろうござる」
「おもしろうはない。見たいだけよ」
与三次はため息をついて、土間の隅から一斗升を引き出してきた。木肌が黒く光っている。長く使い込まれたものだ。
膝をついて、升の縁に指を這わせた。
——待って。
内側の底が、わずかに盛り上がっている。
爪の先で底板の継ぎ目をなぞった。継ぎ目に沿って、細い段がある。板が一枚、貼り足してあった。
やられた。内側から底上げしてある。
一斗と言って渡すのに、実際は一斗入らない。差の分は、どこへ消えているんだろう。
「与三次。この升は、いつからここに」
「さて。わしが来た時分にはもうござった」
「去年もこれ」
「去年も一昨年も、これでござるよ」
升を持ち上げてみた。思ったより軽い。もう一度、底を覗き込む。
貼り板の厚みは、指の腹くらい。一斗の升で底が指の腹ぶん上がったら、減るのはどれほどか。
だめだ。
奥歯を噛んだ。
一斗が実際にどれくらいの嵩なのか、この体のわたしは知らない。手のほうは覚えている。升を見れば狂いは分かる。分かるのに、その狂いがいくらになるのかが出てこない。
物差しと物差しが、噛み合っていない。
喉の奥が乾いた。
「与三次。去年、この関を通った米は、いくらほど」
「はて。……多い年でしたな」
「帳は」
「帳、と申しますと」
「書きつけたものよ。何が、いくら通ったか」
与三次は、本当に不思議そうな顔をした。
「そのようなもの、付けて何になりますかい。通れば銭を取る。取れば納める。それだけのことでござる」
それだけのことで済んでいるうちは、それだけのことなんだけど。
「では、去年いくら納めた」
「御屋形様がご存じでござろう」
「島門の御屋形か。芦屋の御屋形か」
与三次の手が止まった。
関銭はまず父が受け取って、そのうちの決まった分を芦屋へ納める。その決まった分がいくらなのかを、わたしは知らない。誰も教えてくれない。娘だからだろうと思っていた。
違うかもしれない。
通った荷の量を、誰も書き留めていない。だったら、納めるべき額が正しいかどうかを、誰にも確かめようがない。
確かめようのないものは、掠め放題になる。どこの世でも、そう。
「与三次」
「……」
「父上は、去年いくら通ったかをご存じか」
老人が口を閉じた。
薄暗い番屋の中で、川面の照り返しだけが天井の梁を揺らしている。外で艫綱を投げる声がした。荷揚げが始まったらしい。
「……姫様」
与三次の声が、少し低くなった。
「何を、お疑いでござる」
「疑うてはおらぬ」
升を土間に置いた。
「ただ、去年より、二十俵ばかり足りぬような気がしただけよ」
——言ってしまった。
根拠がない。あるのは板一枚と、三艘三艘三艘という揃いすぎた並びだけ。この程度で人を疑うのは、前の生でもやらなかったことだ。数字が出てから言え、っていつも自分が言っていた側なのに。
でも、与三次は笑わなかった。
老人はしばらく升を見つめて、それから節くれ立った指で底を撫でた。二度、三度と撫でて、ゆっくり顔を上げる。
「……姫様」
「なに」
「わしは字が下手でしてな」
与三次は、皺の中に目を埋めるようにして言った。
「書くなら、姫様に書いていただくほかない」
そら来た、と思った。
指の先が痺れた。今度は寒さのせいじゃない。
この人は気づいていた。気づいていて、書けなかった。字が書けないから。
だったら、話は早い。わたしが書けばいい。この人は関の隅から隅まで知っている。目方も、荷主も、いつ誰が何を通したかも、全部この頭の中にある。それを紙に移すだけで、帳面は三月で形になる。
数が揃えば、父上も聞かざるを得なくなる。
わたしは升を元の場所に戻した。頭の中ではもう、明日から何を書き取るかの順序を組み立てはじめていた。
だから、そのとき与三次の手がまだ升の底に置かれたままだったことも、その手が少し震えていたことも、目には入っていたのに、脇へどけてしまった。
この人がその一言を言うのに、何年かかったのか。
そんなことは、そのときのわたしの勘定には、入っていなかった。
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屋敷は丘の上にある。館というほどのものじゃない。板塀を回して櫓を一つ立てただけの、砦とも屋敷ともつかない構えだ。それでも門を潜れば、島門という湊を預かる家の格式が、埃と一緒に淀んでいる。
濡れ縁を曲がったところで、兄とぶつかりそうになった。
麻生家村。十九になる。弓の腕は確からしい。らしい、というのは、わたしがそれを見て良し悪しを言えないからだ。
「千代。また帳面か」
兄はわたしの手元を覗き込んで、それから笑った。
「目を悪うするぞ」
「悪うなりませぬ」
「なにを書いとる」
「潮と、船の数を」
「潮」
兄はしばらく黙って、それから、うん、と頷いた。
「よう分からんが、お前がそう言うなら、そうなのであろう」
そう言って、行ってしまった。
毎回、それだ。
兄はわたしの言うことを疑わない。中身を聞きもしないで、頷く。分かって頷いているのではなくて、わたしが言ったから頷いている。
正直に言うと、少し困る。頷かれても、それは味方が増えたことにはならない。父上を動かせるのは筋道であって、兄の相槌ではないから。
弓を引くほかに何ができる人なのか、わたしはまだ知らない。
そのときは、そう思っただけだった。
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夕餉の前、わたしは父の座敷へ通された。
麻生家繁は脇息に肘を預けて、書状を読んでいた。四十二歳。武辺の人ではない。肩が薄くて、指が長い。でも臆病な人でもなかった。この人は、筋というものをご飯より大事にする。
「父上」
「なんじゃ」
「関の升のことにございます」
父は書状から目を離さずに、短く息を吐いた。
膝を進めた。手が汗ばんでいる。袴の膝を握って、それを拭った。
落ち着け。順序立てて。事実だけ。
「あの升の底に、板が一枚、貼り足してござります。去年の升と、目が違うております」
「板が剥がれたのを、直したのであろう」
「直すなら、内から貼りませぬ。内から貼れば、升が小そうなります」
「小そうなれば、どうなる」
「渡す側が得をいたします。升に一杯で一斗と数えれば、まことの目方は一斗に届きませぬゆえ」
父が、初めて顔を上げた。
長い指が、脇息の縁を二度、三度と叩く。
「誰に聞いた」
「誰にも」
「では、なぜ知っておる」
答えられなかった。
十一年しか生きていないことになっている子どもが、どうして升の細工を知っているのか。それを説明できる言葉が、この世に一つもない。
たぶん、この先ずっとそうなのだ。何かに気づくたびに、なぜ気づいたのかを説明できない。それって、気づいていないのとほとんど同じじゃないだろうか。
沈黙が長くなった。庭で鵯が鋭く鳴いた。
「千代」
やがて、父が言った。
「おなごが、湊の話に口を出すものではない」
「されど——」
「口を出すな、と申しておる」
声が高くなったわけじゃない。むしろ静かだった。
「板が一枚貼ってあったとて、それが何じゃ。誰が貼った。何のために貼った。お前はそれを言えるか」
「言えませぬ」
「言えぬことを人に告げるな。それは告げ口という」
口を噤んだ。
奥歯が鳴った。噛みしめていたらしい。
正しい。腹が立つくらい正しい。証拠がないのに疑いを持ち出すのは下策だ。わたしが同じ立場でも、同じことを言う。
でも。
貼ってあるのが芦屋の意向なら、父上は追及できない。追及できないから、見ないことにしている。そうやって見ないでいるうちに、指の腹ぶんの穴から水が入って、船は沈む。
筋を通しても、飯は増えないのに。
この人は、どうして損をするほうを選ぶんだろう。
そこがどうしても分からなかった。分からないまま、わたしは頭を下げた。
「……仰せの通りにござります」
父はしばらくわたしを見ていた。それから書状に目を戻して、思い出したように言った。
「お前は」
「はい」
「時折、恐ろしいことを言う」
叱っているのではなかった。もっと途方に暮れた声だった。
畳の目を見ていた。視界がにじむ。
泣くな。ここで泣いたら、ただの子どもの癇癪だと思われる。
でも、この体は十一歳で、涙は頭が決める前に出てしまう。ままならない。何もかも、ままならない。
「下がってよい」
下がった。
障子を閉めるとき、父がまだ書状を読んでいないことに気づいた。目が、同じところで止まっていた。
その目が何を見ていたのか、わたしはそのとき、考えもしなかった。
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夜になって、風が変わった。
北から東へ回って、雨の匂いがした。板戸の隙間から入ってくる風が冷たい。褥に入ったけれど、寝つけなかった。天井を見ていると、遠くで海鳴りがする。ごう、ごう、と腹の底に響く低い音。
この音、知っている。
寝返りを打った。
海鳴りじゃない。もっと違うもの。夜通し止まない、低くて途切れない唸り。
それを聞きながら、明るい部屋で紙をめくっていた。指が乾いて、めくるたびに音がした。図面と、書きかけの紙の束。
窓の外は、真っ暗だった。
そうだ。あの明るさは、あの部屋だけのものだった。唸っていたのは、その明かりを作っている機械だ。あれが止まれば、部屋も、村も、いっぺんに闇になる。だから夜通し回していた。油を食う音を聞きながら、わたしは池の水位を書き写していた。
誰かが、遅いですよ、と言った。
顔が思い出せない。声も、もう遠い。ただ、その部屋の明るさだけが、やけに鮮やかに残っている。
あんなに明るい夜を、こっちに来てから一度も見ていない。灯を一つ点けるのにも油を叱られる世界にいる。
わたしは、あの夜のどこかで死んだ。
どこかで、としか言えない。その先が、ぷつりと切れている。痛かったのかどうかも思い出せない。
確かめる手立ては、ない。
褥の中で身を丸めた。膝を抱えると、寝間着の布の下で心臓が鳴っているのが分かる。速い。夜になるたび、これが速くなる。
怖い。
死ぬのが怖い。一度死んだことがあるという実感が、たぶんわたしを臆病にしている。
みんなは死んだことがない。だから死を、遠い噂話みたいに話す。父上も、兄上も。わたしだけが、それを覚えのある痛みとして知っている気がする。
気がする、だけかもしれないけれど。
まだ何も起きていない。父も兄も生きている。湊には船が入るし、ご飯も足りている。
何を怖がることがあるだろう。
そう思おうとして、思えなかった。
指の腹ぶんの板。三艘、三艘、三艘。証のない疑い。周防が騒がしいという噂を、三つの口から。
嫌な並び方をしている。
褥から起き出して、暗がりを手探りして枕元の帳面を引き寄せた。灯は点けない。点ければ油を叱られる。板戸の隙間から入る薄明かりだけを頼りに、紙面を指でなぞった。字は見えない。見えなくても、どこに何を書いたかは覚えている。
九月十一日。三艘。
その下に、爪でそっと線を引いた。
墨がないから、線は残らない。それでも、そこに線を引いた。
外で、海鳴りが一段低くなった。潮が満ちてきている。河口の砂を、水が越えていく音がする。
この砂、いつか厄介なことになる。
どうしてそう思ったのか、自分でも分からなかった。
分からないまま、明け方近くに眠った。
翌朝、川向こうの芦屋から使いの舟が着いた。
御屋形様の使者である、と門番が告げた。
濡れ縁に出ると、朝の光の中を、乗馬袴の裾を払いながら丘を上ってくる男の姿が見えた。まだ遠い。顔は分からない。
でも、その男の歩き方には、島門の誰とも違う、揺るぎのなさがあった。
——あ。
あの歩き方は、話が通じる人間の歩き方だ。
それを喜んでいいのかどうか、わたしには分からなかった。




