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【3分短編オムニバス】相談を聞かないモチオ相談所 〜身勝手な人間のカルテと不適切なネコの処方箋〜

作者:モチモチオ
最新エピソード掲載日:2026/10/03
現代社会は、「正しさ」と「優しさ」のインフレに満ち溢れている。SNSを開けば「こうあるべきだ」という正論が飛び交い、カウンセリングルームでは共感と受容が丁寧にパッケージされて提供される。

しかし、そのお行儀のいい言葉の数々で、果たしてどれだけの人間が救われてきただろうか。

綺麗事の裏で、現代人は相変わらずルッキズムに怯え、不登校の我が子に絶望し、クズ男に全財産をベットし、タワマンの虚栄心でマウントを叩き合っている。そんなドロドロとした現代の病理を、一匹の「とんでもない猫」が特大の暴論と狂気のギャグで文字通り粉砕していく物語――

それが『モチオ相談所』である。

主人公のモチオは、相談者に対して寄り添うことなど微塵もしない。

しかし、本書の恐ろしいところは、その荒唐無稽なギャグと暴論の奥底に、人間の業(ごう)と生存の真理をえぐるような鋭い解像度が隠されている点だ。

例えば、整形を夢見る少女に対しては「ルーツの否定」という残酷な現実を突きつけ、不登校の少年には「学校という狭い水槽から逃げろ、それは逃げではなく生存戦略だ」と利己的な理屈で救いの手を差し伸べる。

また、ダメ男にすがる女には「お前がしているのは人生を賭けた大博打だ」と、綺麗事をすべて剥ぎ取ったシビアな自立を迫る。 モチオがやっていることは、カウンセリングではない。

「毒を以て毒を制す」の極みであり、凝り固まった絶望を笑い飛ばすための過激なショック療法だ。相談者たちはモチオの圧倒的な理不尽さに直面することで、自分が囚われていた「ちっぽけな執着」や「歪んだ被害者意識」を強制的に客観視させられる。悩みという名の迷路から、無理やり引きずり出されるのだ。 そして何より、この作品がただの悪趣味なコメディで終わらないのは、その狂騒の陰に、がり勉猫、コツ勉猫、ネコロボといった仲間たちの冷徹な知性と、人間に対する不器用なまでの「諦念と愛」が通底しているからに他ならない。


――。本書を読み終えたとき、私たちは気づく。この下品で、理不尽で、最高に愛おしい狂気こそが、息苦しい現代を生き抜くための、最も痛快で、最も実践的な「社会処方箋」であるということに。
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エピソード 1 ~ 100 を表示中
序章 モチオ相談所の始まり
第1章  家族の形 「家族の在り方」
第2章 永遠の愛~AIロボと結婚?  「消費社会への皮肉」
第3章  夢のおしつけ  「親子の価値観」
第4章 過去の忘れ物 「過去のトラウマ」
第5章 話さない人形 「離婚家族の子供」
第6章 打ち上げ花火 「若者の整形」
第7章 眠れる森の男 「8050問題」
第8章  神の力  「ほっこり 宗教」
第9章 モチオに恋愛相談はダメ 1話完結
第10章  淋しい熱帯魚  「ギャンブル依存症」
第11章 日曜日の午後  「インチキ宗教」
第12章  母親なんて大嫌いだ  「死別親と子」
第13章 見えてる世界 「どんでん返しの物語」
第14章 水槽の金魚 「いじめ 不登校」
第15章 父親が守りたかったもの 「父親という生き物」
第16章 氷の爆弾 「LGBTと偏見」
第17章 命の炎  「死生観」
第18章 五丁目のシンデレラ 「承認欲求とSNS」
第19章 未来の財産  「生活保護」
第20章 59秒目の旋律 「夢」
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