第82話 第16章 氷の爆弾 6 完 偏見の向こう側
めるる男:「認められない、、、かな、、、」
ルルリラ男も深くうなずいた。ついでに、バッグから顔を出したルルリラ人形もうなずいた。
モチオ:「……待たせやがって……」
えええええええええええ!!
場が一瞬で凍り付いた。
めるる男:「偏見ってさ、持ってる人は持ってない人の気持ちなんてわからないし、持ってない人が持ってる人の気持ちなんてわからないと思うんだよね」
めるる男がつぶやく。
めるる男:「僕らはさ、同性愛の人たちに偏見はないよ」
ルルリラ男:「漫画とかでも多いしね……」
めるる男:「でも、なんかオタク文化もそうだけど、偏見ってそうたやすく覆せるものじゃない。今、お母さんが『はい認めます』って言うのも、なんだか嘘くさい」
ルルリラ男:「オタク文化も30年ぐらいかかったしね……今の市民権を勝ち取るのも。それまではひどいもんだった。でもさ、認める認めないではなく、そういう世界があるっていう『認知』が一番重要じゃないかな」
めるる男:「そうそう! 俺はシゲオを認めてないし、二次元なんてありえないもん!」
ルルリラ男:「僕だって、マサオ君の考えは認めない。三次元の女は裏切るもん!!」
めるる男:「お互い、認めてないけど……ま、そんな世界の人もいるし、2次元界隈もいるし、って思ってる」
がり勉猫が相槌を打つ。
がり勉猫:「そうですね。認めるってまるで『公認せよ』って意味になるけど……お二人の意見は『あたたかく見守れ』ですね。そう、偏見という相反する意見、二元論の前では衝突するしかない」
がり勉猫:「でも『認知』から始めれば、衝突もない。お互いの聖域をお互いが奪い合わないから冷静でいられる。そこに『理解』という時間が生じてくる」
ルルリラ男:「ゆっくりね……なんていうんだろう。偏見を解くには、誤解のこんがらがった糸を解いていく必要がある。なんていうんだろう、是か非かは極論じゃないんだよ。時間をかけてお互いがお互いを認識して見守って、ほどけていくものだよね。それをハサミでブチって切って無理やりつなげて『はいできました』じゃ……またそこから綻んじゃうよね。それじゃ、本当の意味で解決とは言えない」
がり勉猫:「お互い様ですね。ミチコさんはユウトさんの世界を暖かく見守る、ユウトさんはミチコさんの価値観を暖かく見守る。そうすればお互いの衝突を避けながら、時間をかけてお互いに理解しあえる。互いの誤解は解けていく……。そう、是か非の二元論では、ルルリラ男さんの『ハサミでぷっちん理論』ですね。是か非、どっちの話になってもいいことがないと……」
めるる男:「よ! がり勉猫氏! ご名答!!」
ルルリラ男:「大岡裁きですな、がり勉猫氏!」
ルルリラ人形も、少し笑っているように見える。
モチオ:「ということだ。ちなみにだな、俺はめるる男を相当キモイと思ってるが、、、よくよく聞いてみると、こいつまあまあいいこと言うなーと思って、今は少しだけ付き合ってる。少しだけな、、、」
めるる男:「前なんて、麻衣ちゃんの話を聞いたら『用済みだ!終わりだ!』って蹴り飛ばされて追い出されたんだよ。ひでーよ」
モチオ:「お前たちも、このクリーチャー達の話を聞いて少し見方が変わらなかったか?」
ユウト:「うん、、、」
ノボル:「そうだね、、、」
ミチコ:「案外悪い人でもなさそうな、、、」
ネコロボ:「それが、偏見が溶ける瞬間なのかもしれません。ほんの少しですが、でもいつか溶ける、全部溶ける。それを信じて忍耐強くやるしかありません」
モチオ:「人間は価値観だけで交わってるわけじゃねーからな、、、、」
そんな時、一人の少女が入ってきた。
「道に迷っちゃった、、、コツ勉猫先生、、」
女の子は泣いている。そして入った先のモチオ事務所には、大人しかいない。コツ勉猫がいないのだ。さらに困惑する女の子。
その時。
ルルリラ男:「どうしたの? ほら! これ、ルルリラ人形、、、どうして迷子になったか、ルルリラちゃんにお話できるかな?」
女の子:「うん!!!」
ルルリラ男は裏声で言う。
ルルリラ男(裏声):「私にお名前教えてくれないかな? 私はルルリラ、あなたは?」
女の子:「モモだよ。ルルリラちゃん」
女の子は一瞬で泣き止んだ。
モチオ:「この殺戮兵器は、、、大人限定のようだな。子供には救いのようだ。」
がり勉猫:「子供には偏見ないから、、、、、、ですね。、、、皮肉です。俺たち大人が子供から学ばされるなんて、、、」
ユウトも笑っている。
ユウト:「そうみたい、、、」
ノボルも笑っている。
ノボル:「だな、、、」
ミチコも少し笑った。
ミチコ:「面白い人たち、、、」
めるる男とルルリラ男は女の子を交番まで連れていく。
ルルリラ男は女の子に優しく微笑みかける
「おまわりさんがいるところまでルルリラちゃんが案内してくれるみたい!
その間、、、この変身グッズも貸してあげるって、、、よかったね」
いいの? わーーーい 女の子は喜んでいる。
めるる男「モチオさんもついてきて! 僕たちの見た目じゃ これ、誘拐って思われるから!」
モチオは笑ってる「どうみたって幼女趣味の誘拐犯だな!お前らの見た目!!ww」
めるる男「わかってるから頼んでるんじゃないか!!」
ルルリラ人形が裏声で話す「シゲオさんは 3次元に興味ありません!! 私だけ!!」
モチオ「わかった わかったから その殺戮兵器をしまうにゃ、、、俺は仕事だ! 行けん!」
ノボル「じゃー僕が一緒に行くよ」
ユウト「じゃー 僕も、、お母さん 途中まで送っていくよ」
ミチコ「うん、、、でも喉乾いちゃった、、あなたたちのカフェによってみようかしら、、、」
ノボル「ぜひ!」
みんなは去っていった。
モチオ「一仕事終わりニャ!! さ 次の仕事だニャ!!」
と言って眠りについた。
ネコロボ「寝るのが仕事のようです、、、」
がり勉猫「しばらく寝かせてあげましょう、疲れたんでしょう。」
がり勉猫「にしても、偏見、価値観、、、ですか、、、という私もマッドサイエンティストで常識ないって言われますしね、、、」
ネコロボ「私はAIで仕事を人間から奪う凶器のらしいです、、、」
がり勉猫「コツ勉猫は腐女子、モチタは親のしつけがなってない、モチクロは 弱虫、意気地なし ですね、、、」
ネコロボ「そんな偏見があるのも事実、、だからこそみんなモチオさんと一緒にいるのもまた、、、事実です。」
がり勉猫「ですね。。。。モチオさんはほんとに面倒くさがり、偏見をもつのも、、実は、面倒くさいようです。www」
ネコロボ「はい。。。そのようです。 でも、、それがモチオさんのいいところですよね?」
がり勉猫:「さあ、どうでしょうか、、、、時間ですね、、コツ勉猫を起こして夕食の準備としましょう」
がり勉猫はにやりと笑う、、
二人はリビングに消えていった。
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人が理由もなく攻撃的になるのは、防御本能らしい
その防御本能は、本当は分かり合いたい
という共存の本能の裏返し
なのかもしれない
第16章 氷の爆弾 完
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