表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
97/113

第97話 第19章 未来の財産 完 5 貧困の壁

モチオは街頭で歌いまくっていた。


一人カラオケの延長か、ストリートミュージシャン気取りか、政治演説を

完全に無視


生意気にも足元にはチップの箱。


モチオ「金を自由に使いたいなー はい! 政府機密費!!」


がり勉猫:「また始まった! コンプラソング!」


コツ勉猫:「国民的漫画はダメ! 絶対!!」


ネコロボ:「モチオさんーーー もうやめてーーーー」



社会派替え歌は、なぜか民衆の心に刺さった。


しかし、選挙の結果は




……当然の落選。


コツ勉猫:「ただ、得票率2%超えで供託金が返ってくる。これだけでも奇跡ですわ」


歌いすぎて声が潰れたモチオは「ガガガ」と掠れた音を出すのみだが、


その表情は満足げだった。(*『俺のソウルは届いたニャ!』)


だが、街の空気は変わり始めていた。


「生活保護でもこのケースは可哀想」

「お金は自力で出すって言ってるのに」という声。


同時に「食洗器(食戦機)うちも要る!」

「角の使いどころの難しさ、よく言った!」という斜め上の支持も。


中には「アカデミアのかの名言を汚すな!汚れ猫!!」という厳しい叱咤もあったが、


モチオは「ガガガ(すみません、そういう作風でして…)」と謝るしかなかった。


そんなころ


がり勉猫:「クラウドファンディングにも少し動きがあるようです」


ネコロボ:「ですが、まだ全然足りませんね」



後日、事務所にユキコを呼び出す。


がり勉猫:「すみませんユキコさん、これくらいしか集まりませんでしたが……」


ユキコはがり勉猫から遠慮しながら資金を受け取る。


がり勉猫

「子猫の保護はクラウドファンディングは集まりやすいですが、人間の進学は『バイトしろ』、『自分で何とかしろ』でなかなか集まりにくい、皮肉ですね。」


がり勉猫は下を向いた。


コツ勉猫:「やはり、ですね。基本的には親と世帯を分けないとダメみたい。大学の寮は決まった?」

ユキコ:「はい! ありがとうございます! 教えてもらった通り、世帯分けして頑張ります」


ネコロボ:「辛いことがあっても頑張ってください」


コツ勉猫:「ピンチの時は、いつでもご飯を食べにいらっしゃい」


モチオ:「ガガガ ガガ ガガ(俺の歌は聞いたか? 最高だろう?)」



がり勉猫:「モチオさんが『応援してる、歌のチップは全部お前に渡す』と言っています」


モチオ:「ガガガ!!(嘘だろ!?)」


問答無用で、歌のチップ23,800円がユキコに手渡された。


ユキコ:「モチオさんのおかげで有名人になっちゃって、食料カンパも頂いて……恥ずかしいけど、みんなの応援を背負って頑張ります! また遊びに来ます!」


コツ勉猫「これからも ずっと私の生徒だからね!たまには頼ってね!」


はい


夕暮れに去ってゆくユキコの影は一歩ずつ力強く

そして不安げに揺れる。


それを見送る猫達とロボット


ユキコの背中は語っている。


将来を夢見ても、貧困という壁が立ちふさがる現実


その現実に打ち勝てなんて言葉こそ


今の時代が最も嫌う 根性論かもしれない。


少なくとも私たちは、それでも立ち上がろうとする若者を

偏見などで阻むことは許されない。




今はまだ誰も知らない。


20年後


ユキコは


日本経済を揺るがす 大発明をすることを。



**************************


この国の財産とは、一体何だろうか


円安になった米国通貨の為替益か


それとも、 


貧困に打ち勝ち、自立しようとする若者か





この国の財産とは、一体何だろうか



 第19章 未来の財産 完



************************************

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ