第98話 第20章 59秒目の旋律 1 表現者たち
この世の理を超えた、名もなき七音階の連続。
旋律に、聴衆は瞬きすら忘れ、頬を涙が伝い落ちる……。
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モチオ「もうダメだニャ……俺は不治の病ニャ! 最近は、ジロー郎系すら食えん、さっぱり系ラーメンしか喉を通らん体になってしまった!」
医者「……いいえ、ただの酷い胃もたれです」
モチオ「黙れこのヤブ医者がッ!!! 早く俺の余命を宣告しろ!!」
医者「はいはい、余命ね……。えーと、あと40年くらいは余裕で生きます。看護師さん、この猫に胃薬出しといて。はい、次の方ー!」
事務所に帰還したモチオは、死を覚悟した顔で遺言書をしたためる。
「わが全財産は……児童養護施設へ寄付する……」
がり勉猫「あんた、財産どころか借金の督促状しか持ってないでしょ!!」
コツ勉猫「施設の子供たちに負債を押し付ける気か!!」
モチオは聞く耳を持たず、勝手に布団を引きずり出して倒れ込んだ。
モチオ「最後の……最後のお願いじゃ……。わしの命の火が尽きる前に、どうか……」
どうやら、この世の名残に「最後の晩餐」をご所望らしい。
モチオ「最期に……背脂ギトギトの醤油豚骨ラーメンと、角切りチャーシュー山盛りの焼き飯……あと餃子を3人前……持ってこい……」
一同「 めっちゃ ガッツリやんけ!!」
(数分後)
モチオ「あああああああ! 腹が……腹が割れる!! もうだめだ!!」
モチオは脱兎のごとくトイレへ爆走。
10分間の立てこもり。
そして、スッキリとした顔で戻ってきた。
ネコロボ「……どうなりましたか、モチオさん。死神は見えましたか?」
モチオ「……」
モチオ「……。……フッ、最近の医療の進化は、この死の淵から俺を救い出すほど凄まじいニャ」
一同「……だから! 単なる食あたりがスッキリしただけでしょ!!!」
そんな「モチオ相談所」には、初回1000円という安さに釣られた「変な奴」が今日も列をなす。
相談者A「おい、俺の魂の叫びのラップを評価してくれ!」
「俺は不器用、歪な愛を ウ ー イエイ
一人で啜る、便所飯ランチ。
SNSの通知は、8割アンチ。
俺の財布は、今夜もピンチ。
夕食は腐りかけの、冷凍ミンチ」
……不穏な静寂。
ネコロボ「ひと昔前に流行ったような死にかけの語彙力。『不器用』『歪』。引き出しが空っぽですね」
がり勉猫「リリックがゴミすぎる……便所でランチ、冷凍ミンチって。衛生観念どううなんでしょう。」
コツ勉猫「展開が読めすぎて吐き気がします。どうせオチは『ふと気づけば、隣にお前がいた』でしょ?」
モチオ「……マジで名曲じゃねーか!!! お前、天下取れるぞ!!! はい、鑑定料1000円な」
自称ミュージシャンは、1000円をカツアゲされながらも満足げに下北沢へ消えていった。
またある時は。
相談者B「お笑い芸人を目指してるんです! ネタを見てください!」
モチオ「おい、ここから先は『ネタ見せ料』としてプラス1000円だ」
相談者B「くっ……じゃあ、渾身の一発ギャグで!」
相談者B「ウサギ……ぴょーーーーーーーーん!!!」
(……事務所を包む、シベリアのような寒風)
がり勉猫「……ひどい」
コツ勉猫「見てるこっちが恥ずかしくて死にそう」
ネコロボ「……」
モチオ「お前、天才かよ!!! 腹がちぎれるほど笑ったわ! 他のも見せてくれ!
あ、追加で1000円な」
結局、5つのゴミギャグを見て5000円を巻き上げ、芸人は「自信がつきました!」と笑顔で帰っていった。
がり勉猫「あの人……せっかく合格したT大を中退して、あのギャグ一本で生きていく決意をしたみたいですよ」
モチオ「……なーーーにーーー!! (人生)やっちまったなぁ!!」
モチオ「大学? 退学? 人生ガクガク♪ 将来? もうない? 金ない パーティナイ♪
」
コツ勉猫「それ、冷たいポコから喜びマンへのパクリコンボじゃないですか!! コンプラいけます?!?」
ネコロボ「さあ………」
相談者C「僕は演劇で食べていきたい! 見てください!」
C「おお ロミオ! どうしてあなたはロミオなの?」迫真の演技!!
モチオ「親がつけたんじゃねーの!!」
ネコロボ「身も蓋もない…」
コツ勉猫「演劇にキレちゃダメ」
モチオは演劇だけはかみついた。
相談者D「僕のポエムを聞いてください」
D:「朝目覚めると、チューリップが咲いてた 君も笑ってた。」
モチオ「朝並んでると チューリップが開いてた 店員 泣いてた」
D;「枯れないように そっと でも確実に 水をそそぐ」
モチオ「ばれないように そっと でも確変で 出玉そそぐ」
D「ほら ずっと それが永遠だ」
モチオ「でろ ずっと! それが確変だ」
がり勉猫「なんか 途中ですごい邪念が!!」
コツ勉猫「パチンコ?」
相談者E「私小説家に!」 と『モチオ相談所』の本を出す
それを読む…
モチオ:「うわー ギャグ 寒! 全部滑ってる!! 駄々滑りニャ!」
がり勉猫「否定はできません ブクマ0です!! 永遠の0! 爆死です!!」
コツ勉猫「資源の無駄! 便所の紙!! データの無駄 深い? どこが!!
遠浅の落書き文章、、、、小説? 笑わせるわ。。。チラシかと思った。」
相談者E「・・・・・」
ネコロボ「・・・・ あ、、、、泣いてる。」
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がり勉猫「もうちょっとまともな相談はないでしょうか!!」
モチオ「これも依頼ニャ」
がり勉猫「?? オーディションでもするつもりですか?」
モチオ「違う! おれはそもそも芸術なんぞ知らん」
ネコロボ「ではなぜ?」
モチオ「相談がめんどくさいからだ、 相談がそもそも重すぎる。 だからシフトしたこっちのほうが5分間 聞いてるだけ、見てるだけ。
なんも考えなくて済むかな 『気が付けばお前しかいない』じゃない 気がづけば実家帰るしかない そう気づくまで の太客ニャ」
「そもそもだ それで客は満足している」
まあ確かに…
モチオ「これが本来の モチオ相談所の姿ニャ! 」
一同「いや、、、違うと思う」




