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第98話 第20章 59秒目の旋律 1 表現者たち

この世の理を超えた、名もなき七音階の連続。


旋律に、聴衆は瞬きすら忘れ、頬を涙が伝い落ちる……。


*********************************


モチオ「もうダメだニャ……俺は不治の病ニャ! 最近は、ジロー郎系すら食えん、さっぱり系ラーメンしか喉を通らん体になってしまった!」


医者「……いいえ、ただの酷い胃もたれです」


モチオ「黙れこのヤブ医者がッ!!! 早く俺の余命を宣告しろ!!」


医者「はいはい、余命ね……。えーと、あと40年くらいは余裕で生きます。看護師さん、この猫に胃薬出しといて。はい、次の方ー!」


事務所に帰還したモチオは、死を覚悟した顔で遺言書をしたためる。


「わが全財産は……児童養護施設へ寄付する……」


がり勉猫「あんた、財産どころか借金の督促状しか持ってないでしょ!!」


コツ勉猫「施設の子供たちに負債を押し付ける気か!!」


モチオは聞く耳を持たず、勝手に布団を引きずり出して倒れ込んだ。


モチオ「最後の……最後のお願いじゃ……。わしの命の火が尽きる前に、どうか……」


どうやら、この世の名残に「最後の晩餐」をご所望らしい。


モチオ「最期に……背脂ギトギトの醤油豚骨ラーメンと、角切りチャーシュー山盛りの焼き飯……あと餃子を3人前……持ってこい……」



一同「 めっちゃ ガッツリやんけ!!」


(数分後)


モチオ「あああああああ! 腹が……腹が割れる!! もうだめだ!!」


モチオは脱兎のごとくトイレへ爆走。


10分間の立てこもり。


そして、スッキリとした顔で戻ってきた。


ネコロボ「……どうなりましたか、モチオさん。死神は見えましたか?」


モチオ「……」


モチオ「……。……フッ、最近の医療の進化は、この死の淵から俺を救い出すほど凄まじいニャ」


一同「……だから! 単なる食あたりがスッキリしただけでしょ!!!」




そんな「モチオ相談所」には、初回1000円という安さに釣られた「変な奴」が今日も列をなす。


相談者A「おい、俺の魂の叫びのラップを評価してくれ!」


「俺は不器用、歪な愛を ウ  ー イエイ

 一人で啜る、便所飯ランチ。

 SNSの通知は、8割アンチ。

 俺の財布は、今夜もピンチ。

 夕食は腐りかけの、冷凍ミンチ」


……不穏な静寂。


ネコロボ「ひと昔前に流行ったような死にかけの語彙力。『不器用』『歪』。引き出しが空っぽですね」


がり勉猫「リリックがゴミすぎる……便所でランチ、冷凍ミンチって。衛生観念どううなんでしょう。」


コツ勉猫「展開が読めすぎて吐き気がします。どうせオチは『ふと気づけば、隣にお前がいた』でしょ?」


モチオ「……マジで名曲じゃねーか!!! お前、天下取れるぞ!!! はい、鑑定料1000円な」


自称ミュージシャンは、1000円をカツアゲされながらも満足げに下北沢へ消えていった。



またある時は。



相談者B「お笑い芸人を目指してるんです! ネタを見てください!」


モチオ「おい、ここから先は『ネタ見せ料』としてプラス1000円だ」


相談者B「くっ……じゃあ、渾身の一発ギャグで!」


相談者B「ウサギ……ぴょーーーーーーーーん!!!」


(……事務所を包む、シベリアのような寒風)


がり勉猫「……ひどい」


コツ勉猫「見てるこっちが恥ずかしくて死にそう」


ネコロボ「……」


モチオ「お前、天才かよ!!! 腹がちぎれるほど笑ったわ! 他のも見せてくれ!

あ、追加で1000円な」


結局、5つのゴミギャグを見て5000円を巻き上げ、芸人は「自信がつきました!」と笑顔で帰っていった。


がり勉猫「あの人……せっかく合格したT大を中退して、あのギャグ一本で生きていく決意をしたみたいですよ」


モチオ「……なーーーにーーー!! (人生)やっちまったなぁ!!」


モチオ「大学? 退学? 人生ガクガク♪ 将来? もうない? 金ない パーティナイ♪

コツ勉猫「それ、冷たいポコから喜びマンへのパクリコンボじゃないですか!! コンプラいけます?!?」


ネコロボ「さあ………」



相談者C「僕は演劇で食べていきたい! 見てください!」


C「おお ロミオ! どうしてあなたはロミオなの?」迫真の演技!!


モチオ「親がつけたんじゃねーの!!」


ネコロボ「身も蓋もない…」


コツ勉猫「演劇にキレちゃダメ」


モチオは演劇だけはかみついた。




相談者D「僕のポエムを聞いてください」


D:「朝目覚めると、チューリップが咲いてた 君も笑ってた。」


モチオ「朝並んでると チューリップが開いてた 店員 泣いてた」



D;「枯れないように そっと でも確実に 水をそそぐ」


モチオ「ばれないように そっと でも確変で 出玉そそぐ」


D「ほら ずっと それが永遠だ」


モチオ「でろ ずっと! それが確変だ」



がり勉猫「なんか 途中ですごい邪念が!!」

コツ勉猫「パチンコ?」




相談者E「私小説家に!」 と『モチオ相談所』の本を出す


それを読む…


モチオ:「うわー ギャグ 寒! 全部滑ってる!! 駄々滑りニャ!」


がり勉猫「否定はできません ブクマ0です!! 永遠の0! 爆死です!!」


コツ勉猫「資源の無駄! 便所の紙!! データの無駄 深い? どこが!!

     遠浅の落書き文章、、、、小説? 笑わせるわ。。。チラシかと思った。」


相談者E「・・・・・」


ネコロボ「・・・・ あ、、、、泣いてる。」


***********************:


がり勉猫「もうちょっとまともな相談はないでしょうか!!」


モチオ「これも依頼ニャ」


がり勉猫「?? オーディションでもするつもりですか?」


モチオ「違う! おれはそもそも芸術なんぞ知らん」


ネコロボ「ではなぜ?」


モチオ「相談がめんどくさいからだ、 相談がそもそも重すぎる。 だからシフトしたこっちのほうが5分間 聞いてるだけ、見てるだけ。

なんも考えなくて済むかな 『気が付けばお前しかいない』じゃない 気がづけば実家帰るしかない そう気づくまで の太客ニャ」


「そもそもだ それで客は満足している」


まあ確かに…


モチオ「これが本来の モチオ相談所の姿ニャ! 」



一同「いや、、、違うと思う」

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