第7話 第2章 永遠の愛~AIロボと結婚? 2 3万個の愛
「……キモい」
30秒の沈黙の後、誰かが聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
周りのみんなは、聞こえないふりをした。
さらに30秒の沈黙。
「……キモい」
今度は、がり勉猫がコツ勉猫の服の裾を引っ張り、必死に口パクで制止する。
(やめなさい……!)
だが、コツ勉猫は止まらない。 とうとう声に出た。
コツ勉猫「だってお兄様、キモいんですもの!!」
モチオも便乗して、鼻をほじりながら言い放った。
モチオ「そうだ、お前はキモいニャ! なんだ、結婚? あほらしいニャ……」
ハヤト「でも僕は本気なんです! モモがいないと生きていけません!」
モモ(AI)「私も、ハヤトがいないと生きていけません」
モチオは間髪入れず、冷酷な真実を突きつける。
モチオ「お前はそうだろうな! だってこいつが電源入れないと、一秒で死ぬ(シャットダウン)もんな!!」
一同「(………………ぐうの音も出ない正論)」
がり勉猫「しかしですね、さすがにAIは『物』です。法律上、婚姻はあり得ません」
ネコロボ「ハヤトさん。なぜ形にこだわるのですか? 誰に認められなくても、愛し合っていればそれでいいじゃないですか……」
コツ勉猫「さすがネコロボ、素敵♡」
がり勉猫「(……さっきAIに恋するのはキモいって言ってたのは誰ですか?)」
ハヤト「でも、僕たちは祝福されて結ばれたいんです!」
モモ「ハヤトさんが そう願うなら!」
モチオ「はあ? 祝福するかどうかは、おめーが決めることじゃねーニャ! 祝う側が決めることだニャ!! 祝う側が祝うんだ! おい!祝え!祝福しろ!ってお前は祝福ハラスメントか! ……あ、解決法、ズバッと見つけたニャ!!」
ハヤト「……っ! 本当ですか!?」
モチオ「まず、お前ら立つ。回れ右。 GO HOMEニャ!!」
ハヤト「そんな……! どこも相手にしてくれず、最後の最後、藁をも掴む思いでここに来たんです!!」
モチオ「俺は藁じゃねーーーー!!GO HOMEニャ!!」
コツ勉猫
カオスな喧騒の中、がり勉猫はネコロボに耳打ちした。
がり勉猫「どうでしょうか。私では、解決の糸口すら見つかりません」
ネコロボ「可能性は、0(ゼロ)です」
がり勉猫「いっそのこと、AIと結婚できる星まで飛ばしましょうか、二人……」
ネコロボ「……発想がモチオさんに似てきていますよ、がり勉猫さん」
がり勉猫「・・・・失礼・・・・」
モチオ「俺は最後の砦じゃねーーー! モチオだ!! 無理ニャ、帰れ!!」
ハヤト「……着手金、100万出します」
モチオ「…あん?」
ハヤト「成功報酬は……500万で!!!」
…………。
…………。
モチオは、彫像のようにフリーズした。
そして、おもむろにネコロボの方を向き、咳払いを一つ。
モチオ「おいネコロボ。合わせて600万なら、『ピノ』は何個買えるニャ?」
ネコロボ「……ピノは、3万個買えますね」
モチオ「チッ、ピノなんてこの前まで150円だったニャ……!! まあいい。3万個あれば、育ちの悪いYouTuberみたいに『ピノ風呂』を作れるかニャ?」
ネコロボ「はい……一応……でも……」
モチオ「ふん、みなまで言うなニャ! 俺はピノ風呂なんて馬鹿な真似はしねー。一個一個丁寧に、3万個分のピノを味わい尽くしてやるニャ!!!」
ドヤァ!!
何に格好をつけているのか、1ミリも不明である。
モチオ「……ハヤト」
モチオは、これ以上ないほど深刻な顔で青年に向き直った。
ハヤト「あ、はい……っ!!」
モチオ「愛ってやつはよぉ……愛ってやつはよぉ……!! 永遠だぜ!! そのお前の永遠の愛、俺、感じちまったぜ!! 受け止めてやるよ、お前の愛!! 受けてやるよ、お前の依頼をよーーー!!! 」
一同「「「「えええええええええええええええええ!!!」」」」
モチオ 「ラララ ラブイズ ラブイズ ファイナル リバティー ニャ!!!!♪」
がり勉猫「なんで ダパンプ」
ネコロボ「願い叶えるために 生まれた。。。と言いたいのでしょう。 多分。」
モチオはキラキラした瞳で、仲間たちを振り返った。
モチオ「俺たちでハヤトの愛を叶えてやろうではないか!! 愛は永遠だぜ!! 愛は無限だぜ!!」
コツ勉猫「……目が、信じられないくらいキラキラしてますわ」
がり勉猫「いえ……瞳の中をよく見てください」
ネコロボ「……¥マークが浮き出ています。ビビビ」




