第91話 第18章 5丁目のシンデレラ 4 ハリボテのシンデレラ城
コツ勉猫:「本当に邪魔ですわ、このタワマン……。わざわざ迂回の繰り返し、もう!」
コツ勉猫がモモの手を引いて帰る途中だった。
真由美:「モモ! すみません!! あ! あなた!! ほら、モモ帰るわよ!!」
そう言って、真由美はモモを連れてタワマンの中へ消えていった。
コツ勉猫:「……あれ?……」
一方、まだ迷いのあるがり勉猫は、祭壇にひざまずいて祈っていた。
その隣で、牧師とシスターもそっと膝をつく。
牧師:「どうか罰を与えるのであれば、この老いぼれに……。私が頼んだのです、すべての罰は私に……」
シスター:「どうか神様、罰は私たちに……。この善良な若者にご加護を……。どのような罰でも私どもがお受けいたします……」
その頃。
モモ:「ママ……おうち、あっちだよ……」
真由美:「いいの!! ここの裏口から行けるから!!」
困惑するモモの手を引っ張り、真由美は先を急ぐ。
数日が経過した。
がり勉猫:「コツ勉猫! やると決めたら、私たちは100点、いや120点が必須です! さあ、気合を入れましょう」
コツ勉猫:「はい! もちろんです。満点以上! これが私たちです!!」
二人は実験室に籠もった。
壁には牧師から預かった小さな像が掲げられている。
一方、モチオは相変わらず温泉探しに余念がない。
モチオ:「うぜーな……オリンポス女のSNSだ。これ、消せんのかな……」
ふとコメント欄を見る。
『真由美だっさー』
『何がタワマンだよ、隣のオンボロアパートかよ!! ネコネコ荘204だってさ!!』
『嘘つきキラキラ女だな!! マジウケる!!!!』
モチオ:「・・・・・・」
ネコロボ:「いや……その、あの……」
モチオ:「おい、このオキアミ30万匹は何を騒いでる? クジラ出現か?」
ネコロボ:「実はですね、真由美さん、セレブを装っておりまして……。それで実在が露見してしまい……」
モチオ:「はあ? そもそもタワマンはいくらで、こいつの年収がいくらだと思っている。住めるわけねーだろうが。ブランドものもカタログを貼っただけだ。俺が見てもわかる」
ネコロボ:「はい……容易に想像がつきます」
モチオ:「オキアミはオキアミだな。簡単に網にかかって、網にかかったと騒いでるだけじゃねーか」
ネコロボ:「言い方はひどいですが、否定はしません」
SNS上ではさらに過熱していく。
『ネコネコ荘突撃しようぜ』『家賃2万、1DK、貧乏人じゃん!! ウケる!!!』
翌日。
モチオ:「何の騒ぎだ……5丁目、祭りか?」
ネコロボ:「いや……なんというか、炎上祭りです……」
モチオ:「こんなにうるさいと温泉パンフレットもゆっくり読めん!! いっちょオキアミ漁にでも出てやるか! 一匹残らずカニの餌にしてくれるわ!! ネコロボ、出航じゃーー!」
モチオは長靴に鉢巻姿で、騒乱の街へと繰り出した。




