第52話 第11章 日曜日の午後 1 祈り
モチオは梯子に上って、不器用そうに電球を替えていた。
コツ勉猫:「はい、モチオさん! キビキビ動く! 汚れが残っていますわよ!」
コツ勉猫は本格的な修道女の格好をして、一心不乱に床を磨いている。
モチオ:「コツ勉猫……。掃除だけなんだから、格好まで本気にならんでもいいニャ……」
事務所と研究所の隣には小さな教会があり、こうして時々お手伝いをするのが彼らの日課だった。
牧師:「いやあ、助かります。このパイプオルガンも古くて、修理できる業者がいなくてね……」
がり勉猫とネコロボは、オルガンの内部を覗き込んでいた。
がり勉猫:「大丈夫ですよ、牧師。定期的にメンテナンスしているので、設計図はほら……」
ネコロボが胸のディスプレイから、緻密な設計図を空間に投影する。
がり勉猫:「ここと、ここの部品交換ですね。少し時間はかかるかもしれませんが、完璧に直してみせます」
作業が終わると、お祈りに来たメンバーと一緒に昼食を囲むのが恒例だった。
牧師:「いや、申し訳ないね。手伝ってもらって」
がり勉猫:「いえ。私たちも研究で大きな音を立てることがありますから。これくらいはお安い御用です」
シスターは穏やかに笑いながら言った。
シスター:「私たちはもう年だから、耳が遠くて聞こえないから大丈夫よ……」
モチオ:「(ボソッと)相変わらず、ババアのスープはうめえな……」
シスター:「誰がババアですか!」
モチオ:「おい! 聞こえてるじゃねーかニャ!!」
いつものやり取りに、教会に温かな笑いが広がる。
モチオ:「……あいつら、ずっとあそこにいるが。飯は食わんのかニャ?」
モチオが、祭壇の前で身じろぎもせず祈り続ける夫婦に目を向けた。
牧師:「……そっとしておいてあげましょう」
モチオ:「じゃ、食わないなら俺が……」
バシッ! シスターがモチオの手を容赦なく叩く。
シスター:「持って帰ってもらうの!」
春を待つ微かな日差しが、ステンドグラスを通じて祭壇を色彩豊かに照らしていた。
昼食後、事務所へ帰る
満腹になったモチオは事務所でうたた寝を始める。
新たな依頼者が現れた。




