第55話 第11章 日曜日の午後 4 引き寄せと呼吸
モチオ:「おい!そこの ひきよせ 磁石女!!! お前がN極ならハッピーはS極か!」
ハッピー教の神:「ひきよせ磁石女……!?(絶句)」
モチオ:「いや違うな……お前がN極なら、この愚民どもの金がS極だ! おい、そこの愚民ども!セミナーに参加すりゃハッピー? そんな都合よくなるか! お前らは所詮、幸福を金で買おうとしている傲慢な人間どもじゃ!」
モチオ:「金で買えるハッピーで私は幸せ……安い人間だな。そんなお前らのハッピーなんて、所詮は安物のプラスティック製じゃ! プラスティックに磁力はねー。引き寄せなんて起きるかーーッ!」
ネコロボ:「モチオさんの方がよほど……科学的合理性がありますね」
がり勉猫:「バカなのに……ね」
コツ勉猫:「バカなのに……はい」
モチオ:「おい! そこの金で幸福を買おうとする拝金愚民ども! よく聞け! 引き寄せは起きる!!! 事実ニャ!!」
(会場:ええええええええええ!!?)
がり勉猫:「はじまった、また……」
ネコロボ:「いつものモチオさんになってきました。半分八つ当たりのハチャメチャ理論……」
モチオ:「これを見ろ!『あなたも簡単に一億稼ぐ方法』の本だ! 事実、著者は一億稼いでいる。このN極磁石女だって、引き寄せで事実ハッピーだ!」
セミナー参加者:「ほら、そうじゃないか!!」
モチオ:「話は最後まで聞け! 国会じゃねーんだここは!! なんでこいつが一億稼いだか知ってるか? この本、一冊1200円だ! バカが自分も稼げると思って買うから、こいつが儲かって事実一億稼いでるんだよ!」
(会場:シーン……)
がり勉猫:「八つ当たりの原因がわかりましたね。モチオさんも騙されてその本を買ったんでしょう」
ネコロボ:「つまりモチオさんも、お金で幸せを楽して買おうとしていた……?」
モチオ:「じゃあ、引き寄せに置き換えてやろう。お前らがあほみたいに信じているから、このN極女が引き寄せているだけだ! じゃあ、お前らに引き寄せする力を俺が一瞬で授けてやる! 無料でな!!」
(愚民たちが固唾を呑む)
モチオ:「このN極女と同じ事をして、さらにお前らみたいな『幸せを金で買えると思ってるバカ』を集めてこい! そうすりゃ、お前は引き寄せだ! つまりな……これは、ハッピー馬鹿のネズミ講ニャ!!!」
モチオ:「引き寄せで幸福が連鎖しているんじゃない! 馬鹿が馬鹿を集めて連鎖してるだけの……馬鹿ぶよぶよニャ!!!」
参加者が一人、小さく手を挙げる。
モチオ:「そこ!!! どうした! そこの馬鹿ぶよぶよの破片!」
参加者:「すみません……では、私はどうすれば、幸せになれるんでしょうか?」
モチオ:「隣見ろ!! お前が連鎖するのは隣の馬鹿ぶよぶよの破片じゃない! お前自身の心だ! お前の夢だ! お前の自信だ! お前の未来だ!!! それと連鎖しろ!!」
参加者:「でも私のオーラの色は……」
モチオ:「黙って聞け!! お前のオーラが何色だろうがかんけーねー! 心を燃やせ! 炎をたぎらせろ! すべて焼き尽くせ! 業火になれ!! そうすれば お前のオーラが何色だろうが 燃やせば 全部 赤だ!!」
モチオ:「心の炎、心の赤と連鎖しろ!!!!
わかったか! 拝金民ども!! 俺についてこい!!!!!!」
セミナー参加者は……感動した。
そして……
「はい!!」
がり勉猫:「モチオさんは……啓発本ではなく……」
ネコロボ:「かの漫画に感化されているようです……」
コツ勉猫:「しかし……なんなんでしょう、この一体感。今から何が始まるのでしょうか?」
モチオ:「お前ら、、、 さあ 一緒に!!」
あああ!!
がり勉猫「やめなさい! モチオさん!」
コツ勉猫「そうよ! やめて コンプラが!! 無限の列車に乗ってはダメ!!」
ネコロボ「危険 危険 危険!!!著作権!!」
モチオ:「いいか! 腹から声を出せ! 復唱ニャ!!」
モチオ:「アメンボ 赤いな あいうえお!!」
参加者:「アメンボ 赤いな あいうえお!!!」
モチオ:「ウキモに 小魚 およいでる!!」
参加者:「ウキモに 小魚 およいでる!!!」
モチオ:「柿の木 栗の木 かきくけこ!!」
参加者:「柿の木 栗の木 かきくけこ!!!」
(さらに1時間経過)
モチオ:「キツツキ コツコツ かれけやき!!」
参加者:「キツツキ コツコツ かれけやき!!!」
モチオ:「ササゲに 酢をかけ さしすせそ!!」
参加者:「ササゲに 酢をかけ さしすせそ!!!」
モチオ:「いいかお前ら…… まずは台風レポーターからだ! そんなんじゃ現場には出れないぞニャ!
目標はニュースキャスターだ! 23時台だ!! テメーら! クッソくだらねー朝の芸人ママゴト番組に配置されたいのか! 」
参加者:「いえ! 23時のニュースです!!」
モチオ「なら 真剣についてこい!!」
後ろの席では
ネコロボ:「もう、磁石女さんはとっくに帰ったみたいですね……」
コツ勉猫:「いつ終わるんでしょうか。これ。」
がり勉猫「さあ。アナウンサー養成学校? あ、やっぱり回避したんですね。モチオさん。」
モチオ「くそーーーーーーーー!!!! 一の型!とかやるセミナーのはずが!! コンプラめーーーーー!!!」
何かの腹いせか、モチオセミナーは、予定を3時間超えて行われた。




