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第11話 第2章 永遠の愛~AIロボと結婚? 完 6 愛の裏側

事務所には、静かな時間が流れていた。


話題は、残されたモモの処遇についてだ。


ガリ勉猫「……やはり、スクラップにするのは気が進みません」


モモ「私は役目を果たしました。……どうぞ、処分を」


ネコロボ「AIに感情はありません。ですが、人の役に立てない状態は、人間でいう『悲しみ』に似た演算結果を招きます。ビビビ」


コツ勉猫「……なら決めましたわ! モモに、新しい人生を探しましょう! ね!」


モモ「はい。お役に立てるなら……どこへでも」


がり勉猫は、何かを思い出したかのように電話をかける。


がり勉猫「……はい、そうです。ええ、最新型ですから。」


がり勉猫は電話を切って説明を始める。


がり勉猫「モモの就職が決まりましたよ、 どうもお寿司屋さんのペッパー君が長期メンテナンスで困ってる話を思い出しまして、それでモモを推薦しました。」



モチタ「いいなー! モモはお寿司食べ放題かー!!」


ネコロボ「AIはお寿司を食べません」


モチタ「あ、そっか」


一同に、久しぶりの笑い声が響く。


ガリ勉猫「さあ、さっそく寿司のメニューをモモにインストールしましょう」


その時、これまで黙っていたコツ勉猫が、鋭い目つきで立ち上がった。


コツ勉猫「お兄様! 私も手伝いますわ!!」


ガリ勉猫「えっ? いえ、簡単な作業ですから大丈夫ですよ……」


コツ勉猫「いいえ!! 手伝わせてください!! 絶対に!!!」


ガリ勉猫は、コツ勉猫の異様な気合に押され、引きつった顔で頷いた。


がり勉猫「別に、、、いいですけど、、、、」



三人はそのまま、実験室へと消えていった。


一方、リビングでは。


モチオ「ああああああああ!! 600万!! ピノ3万個ォオオ!!!」


モチオは床をのたうち回り、今さらすぎる後悔を叫び続けていた。


モチタ「モチオ、いい加減に諦めなよ……」


モチクロ「下手に格好つけるからニャ……」


モチオ「ああああああああ!! うるせー! うるせー! 3万個ーー!!!」


やがてモモは、お寿司屋さんへと旅立っていった。




そしてある日、ネコロボに一通の通信が入る。


ネコロボ「皆さん! モモと店長から、お寿司のタダ券をもらいましたよ!」


モチタ・モチクロ「「やったーーー!! デザート食べ放題ニャ!!」」


モチオ「え! 皿の色、気にしなくていいのかニャ!? 本当にいいのかニャ!?」


がり勉猫「今日ばかりは、色なんて気にしなくていいのですよ! うれしい!!」



一同「「「「レッツ・お寿司ーーー!!!」」」」



浮かれる面々の中で、がり勉猫だけが首を傾げていた。


ネコロボ「……がり勉猫さん。どうしましたか?」


がり勉猫「いや……おかしいのです。最近、相談電話の収益がなぜか500万円に達している。一回500円ですから、1万回ですよ。あり得ません……」


がり勉猫は、隣でニコニコしているコツ勉猫を見た。彼女はスッと目を逸らす。


がり勉猫「ネコロボは何か知ってますか?」


ネコロボ「……ビビビ。女性の秘密を暴く男は最低だ、とのことで回答不能です」


そう。コツ勉猫はモモに、隼人にイタ電するプログラムを組んでいた。


【ハヤトの携帯から、相談所へ24時間イタ電をかけまくり、通話料を全額こちらに振り込ませる】


それは、女同士の……いや、女とAIの、絶対に秘密の復讐ビジネスであった。


モモ「皆さん、いらっしゃいませ。……こちらへ。特別席です♡」


コツ勉猫はモモと目を合わせ、小さくウインクした。


コツ勉猫(……成功ニャ♡)


モモ「ピロン♪(了解ですわ♡)」


お寿司を堪能していると、店内のテレビからニュースが流れた。


『……結婚詐欺の常習犯、明美容疑者を逮捕。結婚詐欺の常習者で…』


モチオ「ああああああ!! ネコロボ、あの女だ、 ピクルス女! ニャ!!」



ほんとだ!!




がり勉猫は何かに気づいて、鉄火巻きを握る手を震わせながら、ネコロボに耳打ちした。


がり勉猫「……ネコロボ。あなた、マクドナルドで明美さんに会った時、すでに明美さんの正体を見抜いていましたね? なのに、知らないふりを…… ああああああ!」


がり勉猫は、衝撃で鉄火巻きを落とした。


がり勉猫「……ということは、AIであるモモも……最初から、すべて知っていた!?」


ネコロボはがり勉猫の視線をそらした。


ネコロボ「コツ勉猫さん曰く……女性の秘密を暴く男は、最低だとのことです。ビビビ」


がり勉猫は、恐る恐る自分の鉄火巻きを分解し始めた。


がり勉猫「ま、まさか……これに毒、入ってませんよね……?」


ネコロボ「どうでしょうか。一瞬でもモモを『スクラップ』にしようとしましたしね、、、私はわかりません。」


がり勉猫はこちらを見ているモモを見た。


カウンター越しに、モモが天使のような微笑みを向けてくる。


モモ「ふふっ。さあ……どうでしょう……♡」


がり勉猫「ええええええええええええええええ!!!」




:::::::::::::::::::::::::


消費社会の問題を誰もわかっているが

見向きもしない。


捨てられていくのは

 


モノか それとも 感情か


――第2章「永遠の愛」 完――

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