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第40話 第7章 眠れる森の男 完 5 歪んだ絆

AM 10:00


「あーーー、今日も暇ニャーーー」


モチオはあれから、コツ勉猫のスパルタのおかげ?で 「お気楽なモチオ」に戻っていた。戻ったのかどうか、不明である。


事件から1か月。モチオ相談所は相変わらず、平和という名の退屈に包まれている。


モチオ:「おい、がり勉猫、ネコロボ……。俺はちょっと散歩に行ってくるニャ」


がり勉猫は書類から目を上げず、ひらひらと手を振って「行ってらっしゃい」の合図を送る。


そこへ、コツ勉猫がキッチンから顔を出した。


コツ勉猫:「モチオさん、お散歩なら、ついでにお砂糖を買ってきてくださるかしら?」


モチオ:「ニャ。わかったニャ……」


モチオはいつもの散歩コースへ踏み出した。道中、あのカズキの離れ——通称「お化け屋敷」の前を通る。


モチオ:「あれ? ここ1か月は電気が消えていたはずだが……。今日はついてるニャ。マサエが掃除でもしてるのかニャ?」


一方、事務所では——。


ネコロボ:「……脱走、ですか。」


がり勉猫:「ええ。あの施設を、入所からわずか2週間で脱走したそうです。……よくあることらしいですがね」


ネコロボの光学センサーが、不可解そうに明滅する。


がり勉猫:「その脱走には、あろうことかマサエさんも協力したそうです。施設側も『親が脱走を助ける以上、これ以上の関与はできない』ときっぱり手を引かれました」


ネコロボ:「皮肉なものです。法律上も人道上も極めてグレーな領域で、関係各位を走り回り、リスクを背負って尽力したがり勉猫さんの努力も、すべて水の泡というわけですか。」


ネコロボは静かに問いかけた。


ネコロボ:「問題は、カズキさんだけではなかった、ということでしょうか。」


がり勉猫は、どこか投げやりな手つきで眼鏡を拭いた。


がり勉猫:「さあ……。どうでしょうかね。……第三者が関与できる限界をもう超えてます。これ以上は関与は私も勘弁です。 あ、そんなことよりネコロボ。あなたの潤滑油の交換時期ですよ。さあ、実験室へ行きましょう」


二人は、何事もなかったかのように実験室の闇へと消えていった。


**************************


モチオが鼻歌まじりに通り過ぎた後。



あの閉ざされた離れの中から、1か月前と変わらぬ声が聞こえた。





「おい、ババア! コーラ持ってこい!!」







**************************


子供の権利。

子供の尊重。

それは、とても美しく、尊い言葉です。

けれど、私は思うのです。

子供の願いをただ叶えるだけが、

親の役割なのでしょうか。


第7章「眠れる森の男」 完


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