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第22話 第4章 過去の忘れ物 4 選択

事務所には、雨漏りの音とモチオの激しい貧乏ゆすりが響いていた。


背後の電話口からは、相変わらずAIの適当な相槌が漏れている。


めるる男「昔さー、『ゆきえ』にアイドル時代があってさー」


モチオAI「へー。それで?今や大女優じゃん!」


*******************



モチオ「遅い! 遅すぎるニャ!! 初期のPS1のローディング並みに展開がトロいニャ!!」


麻衣ショウコ「モチオさん……。私……どうして呼び出されたのでしょうか」


モチオ「安心しろ!お前の過去をすべて知る人物を用意している。 これで解決ニャ だから黙ってこのローディングを待てニャ。」


ネコロボ「…そろそろかと。」


一方


ガリ勉猫「……嫌な予感しかしません」


コツ勉猫「同感ですわ……」


その時、事務所のドアが静かに開いた。


現れたのは、憔悴しきった表情の青年――マモル(守)だった。


マモル「……ショウコちゃん?」


モチオ「何を言ってるニャ、麻衣だニャ!」


ネコロボ「(……モチオさん。麻衣は芸名です。本名はショウコです。ビビビ)」


ショウコ(麻衣)「……誰? あなたは……」


モチオ「ショウコ。こいつはお前の幼馴染のマモルだ。しかも……お前の婚約者だニャ!!」


ガリ勉猫「何を! またデタラメを!! あなた、真実を――」


モチオは指で合図するとネコロボが動く。


ネコロボは素早くガリ勉猫の背後に回り、その口を物理的に封じた。


がり勉猫「モゴモゴ!!(ネコロボ やめなさい!)」


モチオ「ショウコ。お前は婚約者と結婚する直前、不運な交通事故に遭って記憶を失ったんだニャ。結婚はそのせいで延期になっていた。……以上が調査結果ニャ!!」


ガリ勉猫「もごもご……っ! んんー!!(詐欺です! 契約違反です!)」


モチオ「マモルはショウコが交通事故になった事実を知らなくて探し回っていた。そして偶然この相談所に相談に来たというわけニャ  ニャ!!」


モチオはマモルをにらむ


マモルは静かにうなづく。


モチオ「まあ、過去の話はマモルから聞けニャ! 夫婦になれば嫌でもゆっくり聞けるニャ! はい、終わり! 帰れニャ!!」


困惑するショウコと、涙を浮かべるマモル。


マモル「さあ、帰ろう 僕たちの家に。 もう一回やり直すんだ 未来を。」


ショウコ「…はい。」


二人は寄り添うようにして事務所を去っていった。


遠目で見る二人、ショウコは微笑みながらマモルと会話している。


……二人の背中が見えなくなった後、ネコロボはガリ勉猫を解放した。



ガリ勉猫「……プハッ! どういうことですか!! 嘘までついて! 真相を知りたいという彼女の依頼を、あなたは金(100万)のために踏みにじったんですか! ネコロボ、あなたも同罪ですよ!!」


ネコロボは……ただ無機質なレンズを光らせ、沈黙を守っていた。



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