第15話 第3章 夢の押しつけ 4 似非スプリット
決戦まであと一ヶ月。
特訓は、もはや「教育相談」の域を超えていた。
モチオ「ネコロボ……。フォームは完コピ完了かニャ?」
ネコロボ「はい。160キロの剛速球を放る関節の動き、100%再現しました。ビビビ」
ネコロボはショウヘイ強制ギブスを用意した。
モチオ「親父よ!! これを着て特訓ニャ! 今こそ父親の威厳を発揮する時ニャ! さあ、魔球特訓ニャ!!」
父「いや……私、運動は昔から苦手でして。そもそも会社がありますし……」
モチオ「うるせーーー!! 一ヶ月有休取るニャ!! 死ぬ気で投げるニャ!!!」
父「無茶苦茶だ……」
モチオ「なんなら会社やめてこい!ニャ!!!」
父「あああ、こんなところに頼むんじゃなかった、、、」
一方、裏庭では。
がり勉猫「アホのモチオのことです。どうせネコロボにかのフォームを完コピさせているでしょう」
コツ勉猫・モチクロ「「了解。物理学を駆使して、最適なカウンター・スイングを構築しますわ!!」」
モチタ「僕は……?」
がり勉猫「あなたは最重要です。モチオとの格ゲー対戦で培った『モチオの勝負癖』を野球に落とし込んでください!」
モチタ「了解! 任せといて!!」
そして、運命の勝負の日。
グラウンドに現れたメンツを見て、がり勉猫は絶叫した。
がり勉猫「モチオさん! やり方が汚すぎます!! 野手が全員、元プロのタイトルホルダーじゃないですか!!」
コツ勉猫「どうしてモチオさんが集められるのよ!」
モチオ「大人げない? 褒め言葉だニャ!! ガキが大人をなめるからこうなるニャ! プレイボールニャ!!!」
親父の投球は、ガチだった。完コピフォームから放たれる剛速球。
モチタ「……ガチじゃん」
コツ勉猫「……大人げない。引きますわ」
子供が打てるはずもない球。ショウタは一瞬で2ストライクに追い込まれた。
モチオ「いけーーー!! トドメの魔球を放るニャ!!」
親父が大きく振りかぶる。
その瞬間、がり勉猫が叫んだ。
がり勉猫「今です! ショウタ君!!」
モチオ「何ィ!?」
がり勉猫「モチタの分析通りです! 油断したモチオさんは、格ゲーでも最後は必殺技で決めたいというアホのこだわりがある! 勝負球は必ずフォーク(スプリット)!! ですが、超一流の真似事をしただけの『落ちない似非フォーク』だ!!」
狙いすましたショウタのバットが、甘く入った球を捉えた。
カキィイイイン!!!
白球が、秋の青空へ高く、高く吸い込まれていく――!!
いきなり この勝負終わるか! いや、、、もうちょっと引っ張ります!




