第65話 第13章 見えてる世界 4 噂の真相
ネコロボ:「ミナミさんについてですが……『男をたぶらかしている』『貢がせている』など、男性関係の悪評ばかりです。特に『ミナミさんがリョウさんを取った』という噂は、大学中が知っているようです」
がり勉猫:「確かに容姿端麗な方だとは思いますが……。私が見る限り、そんな風には見えませんでしたが。リョウさんの誘いも断っていましたし、ゼミの仲間もそうは思っていません……」
二人が報告をまとめていると、コツ勉猫が勢いよく飛び込んできた。
コツ勉猫:「聞いてください……! ヨシコさんの話によると、ミナミさんはカオリさんもリョウさんも『嫌い』だと言っていたそうです。『大学に異性を漁りに来ているだけの人間だ』と。……ミナミさん自身は、地味でよくわからない人、という評価でしたわ」
がり勉猫:「……なるほど。噂の出どころが、少しずつ見えてきましたね」
そこへ、さらにモチタとモチクロが息を切らして乱入する。
モチタ:「お姉さんは、いい人だよ!! みんな嘘を言ってるんだ!!」
モチクロ:「そうだよ。お姉さん、『付き合った人なんていない』って言ってたし、お金もアルバイトで稼いでるって……」
がり勉猫:「(静かに問いかける)……。君たち、どうしてそんなことまで知っているんですか?」
モチタとモチクロは不思議そうに顔を見合わせた。
モチタ:「え? だって、全部話したら教えてくれたんだ」
がり勉猫:「……全部?」
モチクロ:「うん……全部……」
がり勉猫・ネコロボ・コツ勉猫「ええええええええええええええ!!!」
午後の公園。
ミナミはベンチの前で、モチタとモチクロの前に優しくしゃがみ込んだ。
ミナミ:「ねえ……。どうして二人は、お姉さんを誘ってくれたの? 教えてくれないと……おやつ抜きだよ~?」
モチタはビクッとし、モチクロは耳をぺたんと伏せた。
モチタ:「だ、だめだよ……言ったら……モチオに怒られるし……」
モチクロ:「高級絵具……取り上げられる……」
ミナミ:「じゃあ……こうしよう。これは『3人だけの秘密』にするの。どう? 私たち、狩りゲーのチームでしょ!」
二匹は顔を見合わせ、同時に勢いよくうなずいた。そして――「全部」を話し始めた。
依頼者カオリからの不可解な依頼。
リョウとの不穏な噂。
ミナミが「男を略奪した」というデマの数々。
カオリが学内で流している悪評。
そして、それに対してリョウが沈黙を守り、ミナミを庇わない理由……。
ミナミ:「……そっか。やっぱり……そうだったんだね」
ミナミは寂しげに微笑んだ。
モチタ:「同じ狩りゲーのチームでしょ? チームプレイが重要なの! だから、お姉さんのことも教えて! ね!」
ミナミ:「……。そうだね、チームだもんね!」
事務所。がり勉猫たちが情報を整理していた。
がり勉猫:「事情は見えました。ミナミさんは交際経験がなく、気になる人がいるものの友達も少ない。やはり、彼女はあらぬ噂の犠牲者であるという線が正しいようです」
コツ勉猫:「しかも……ミナミさんには、気になっている人がいると。一体誰なのかしら……」
ネコロボ:「本質はそこではありません。モチオさんは相変わらずふてくされてゲーム三昧。ここは私たちが解決を急ぎましょう」
ついにミナミが事務所に呼び出された。
がり勉猫:「ミナミさん。モチタとモチクロからすべて聞きました。……隠しごとは抜きにして、本音で話し合いましょう」
ミナミは覚悟を決めたように、真剣な眼差しでうなずいた。
がり勉猫:「あなたは、学内でよからぬ噂を立てられている事実を知っていますね?」
ミナミ:「はい……。もちろん。
――それ、私が流しましたから」
全員:「ええええええええええええええええええ!!!」




