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ラプトルの鉤爪

ラプトルの鉤爪

作者:紫紅葉
最終エピソード掲載日:2026/08/02
白亜紀の恐竜と、札幌の古民家暮らし。
地下を掘れば、時空までつながった。

札幌市南区、壱拾六軒(じゅうろっけん)。

化石や鉱物、植物をミリ単位で描く精密画家のアキラは、築年数不詳の古民家「山悟荘(さんごそう)」で静かな暮らしを送っていた。

ところが、そんな茶の間に居座ったのは、淡いアンズ色の羽毛に包まれた一頭のヴェロキラプトル。

名は「ビリー君」。

鋭いシックルクローを備えた白亜紀のハンターでありながら、極度の寒がりで、甘い物には目がなく、セイコーマートのプリンをこよなく愛する妙に人間臭い恐竜だった。

スキンヘッドの巨漢アキラは、この理解不能な同居人を意外なほどあっさり受け入れる。特注ダウンを用意し、第一ゴムの長靴を履かせ、雪かきを教え、北海道の食卓を囲む。

そこへ、無言の圧力で一家を仕切るハエトリグモの「アダンソン先輩」、白い毛玉のようなシマエナガ、常識外れの技術を穏やかな顔で繰り出す大家さんまで加わり、山悟荘の日常はますます騒がしくなっていく。

ジンギスカン、とうきび、温泉、化石採集、園芸、雪かき。
そんな北海道暮らしの足元では、いつしか巨大な地下世界が広がり始めていた。

800万年前の化石を抱く「サッポロカイギュウ広場」。
ビリー君のために造られた「白亜紀ジオ・フロント」。
地底湖、謎の石造ゲート、そして、ゴミ袋から拾われた古びた「真鍮の鍵」。

何気ない日用品のように扱われていた鍵は、やがて白亜紀、未来、そして壱拾六軒そのものに隠された時間の謎を呼び覚ましていく。

それでもアキラたちの暮らしは、たいして変わらない。

世界の秘密を目の前にしても、気になるのは今日の晩ご飯。
時空が揺らいでも、ビリー君にはおやつの時間が重要だ。

北海道の日常生活、恐竜とのドタバタ、化石と植物、奇妙な地下開拓、そして壮大な時空SF。

全10章・120話。
スキンヘッドの巨漢と一頭のヴェロキラプトルが築いていく、温かく、シュールで、少しだけ壮大な北海道SFスローライフ。

「|Vamoose《ヴァムース》!」
今日も山悟荘は、だいたい平常運転である。

※本作品は「小説家になろう」と「TALES」に重複投稿しています。
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エピソード 1 ~ 100 を表示中
第1章:山悟荘の不条理 ―― シシュフォスの幸福と茶の間
第4話「鏡の中のラプトル」
2026/04/08 20:00 (改)
第10話「ミクロの領土争い」
2026/04/14 20:00 (改)
第11話「氷河期の居候」
2026/04/15 20:00 (改)
第2章:山悟荘の深層
第17話「大家さんが来る日」
2026/04/21 20:00 (改)
第22話「エンジニアの箱舟」
2026/04/26 20:00 (改)
第24話「北の境界線」
2026/04/28 20:00 (改)
第3章:山悟荘の創造
第32話「氷点下の梁の上」
2026/05/06 20:00 (改)
第4章:漂泊のヘテロトピア
第45話「瞬殺の地下迷宮」
2026/05/19 20:00 (改)
第5章:壱拾六軒の存在と時間
第58話「天空からの回収者」
2026/06/01 20:00 (改)
第6章:恐竜的、あまりに人間的
第62話「脱獄の記録」
2026/06/05 20:00 (改)
第63話「小さき破壊神」
2026/06/06 20:00 (改)
第64話「10軒目のハヤテ君」
2026/06/07 20:00 (改)
第69話「黄金と湯煙の夜」
2026/06/12 20:00 (改)
第7章:永遠の抜け殻とアナムネーシス
第76話「白亜紀の美酒」
2026/06/19 20:00 (改)
第77話「バイオの棺桶」
2026/06/20 20:00 (改)
第79話「先輩の隠し財産」
2026/06/22 20:00 (改)
第8章:山悟荘のエピファニー
第9章:千のプラトーとリゾームの種
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