↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

人のいいSEは異世界でも少し損をする

最新エピソード掲載日:2026/10/04
「あと十日で、村の食料が尽きます」

現代日本で派遣システムエンジニアとして働いていた、三十二歳の遠野修司。理由も分からないまま異世界へ来た彼が派遣されたのは、生活用魔道具を扱う小さな会社「灯り木魔道具社」だった。

最初の仕事は、食料不足に悩む麦穂村。しかし、到着した修司が見た穀倉は、どう見ても満杯だった。

特別な魔力も、天才的な発明の才能もない修司は、村人と一緒に現場を歩き、話を聞き、紙へ書き出していく。すると、家ごとに違う「一袋」の大きさ、記録されていない備蓄、古い食料が残り続ける棚の使い方が見えてきた。

修司が得意なのは、難しい魔法ではない。

散らかった仕事を順番に並べ、誰が、いつ、何を確認するのかを、紙札や木札で分かりやすくすることだった。

ただし、彼には一つ大きな弱点がある。

困っている人を見ると断れず、部品代、道具、宿代、休日まで、「まあ、これくらいなら」と自分で差し出してしまうのだ。

そんな修司へ、魔道具師のリゼは問い続ける。

「その親切は仕事なの? それとも、君が勝手に払っているだけ?」

村、工房、薬房、宿場町、運送組合、学校、領地、国境――。

困りごとを一つ整えるたび、修司は少し損をする。その代わりに、食事を届けてくれる友人、仕事を任せられる弟子、一緒に休日を過ごす恋人、そして帰る場所が少しずつ増えていく。

やがて、断ることも、正当な報酬を求めることも覚えた修司は、それでもなお、自分の意思で「損をする道」を選ぶことになる。

善良さと、都合よく使われることの境界はどこにあるのか。

普通の派遣SEが、人の話を聞き、魔法の仕事を地道に整えながら、自分の暮らしと大切な人を守る方法を覚えていく、温かな異世界お仕事スローライフ。
最初へ 前へ 次へ 最後へ
エピソード 1 ~ 100 を表示中
第11話 小屋の鍵
2026/08/27 13:22
第29話 空の小箱
2026/08/27 13:29
第36話 三角の札
2026/08/27 13:31
第53話 家の境界
2026/09/01 07:20
最初へ 前へ 次へ 最後へ
エピソード 1 ~ 100 を表示中
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。