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異能学園の日常、可視と不可視の僕ら

作者:颍川
最新エピソード掲載日:2026/03/21
人の感情が「タグ」として見える能力——
それは石原久希にとって、呪いだった。

五月の朝、泉方橋。
彼は、一人の少女が欄干を越える瞬間を目撃する。

次の瞬間——
少女も、その痕跡も、すべて消えていた。

翌日。
彼女は何事もなかったかのように学校に現れる。

時間を止めることができると名乗る少女、緒山朋奈。
明るくて、優しい。

だけど久希だけは気づいてしまう。

彼女の感情タグだけが、いつも壊れていることに。
時々、彼女が泣いていることに。
そして——彼女が、この世界から「消えよう」としていることに。

異能力を持つのは、彼女だけじゃない。

存在が薄れゆく後輩・立花美里は、
服を着替えるたびに「誰かに見えなくなる」。

完璧を求める会長・春野陽明は、
危険を避けるたびに、その代償を仲間に押し付ける。

妹のために自分を消そうとする少年・朝日守は、
星空を創るたびに、ひとつずつ感覚を失っていく。

彼らは皆、
誰かの手を必要としている。

あの朝、彼女を「見た」のは偶然ではなかった。
彼女はかつて、誰かに救われている。

そして、その「誰か」は——
もう覚えていない。

これは、
異能と代償に抗いながら、
互いに手を伸ばす物語。
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