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『もう頑張らないと決めた元介護福祉士は、追放令嬢と辺境で暮らす』〜冤罪で全てを失った公爵令嬢と、何者にもならなくていいスローライフ〜

作者:伊佐波瑞樹
最新エピソード掲載日:2026/10/26
夜勤、人手不足、鳴り続けるコール、記録、委員会、事故対応――。

介護福祉士として働いていた二十七歳の青年・ユウは、仕事そのものが嫌いだったわけではない。

誰かのできないことをすべて代わりにやるのではなく、その人に残された力を活かしながら、必要なところだけ手伝う。

そんな仕事には、確かなやりがいを感じていた。

けれど、人を支えるために自分を削り続ける毎日には、もう疲れてしまった。

そんなユウが異世界へ転移して手に入れたのは、十冊の魔導書を扱える規格外の能力《魔導書庫》。

その力を知った者たちは、彼に大きな可能性を見出す。

けれど、ユウが望んだのは英雄になることでも、偉くなることでもなかった。

――もう、頑張り続けるのはやめよう。

そう決めたユウが選んだのは、老人の多い辺境の小さな村。

畑を耕し、壊れたものを直し、風呂を沸かす。
困っている人がいれば、できる範囲で手を貸す。

でも、全部は背負わない。
疲れたら休む。
何もしたくない日は、何もしない。

そんな穏やかな暮らしの中で、ユウは少しずつ「誰かの役に立ち続けなくても、ここにいていい」という感覚を取り戻していく。

そしてある日。

そんな辺境へ、一人の少女が追放されてくる。

彼女は十九歳の公爵令嬢。

身に覚えのない罪によって婚約を失い、立場を失い、それまで生きてきた場所からも追われた少女は、自分にはもう何も残っていないと思っていた。

そんな彼女と出会っても、ユウは失ったものを取り戻せとは言わない。

立ち直れとも、前を向けとも言わない。

ただ、疲れているなら休めばいいと言う。

畑仕事をして、ご飯を食べて。
村人たちに振り回され、ときには魔法を使って。
何もしたくない日は、本当に何もしない。

そうして過ごす何気ない毎日の中で、二人の時間は少しずつ重なっていく。

頑張り続けなければ価値がないと思っていた元介護福祉士と、

誰かと比べながら、自分には足りないものばかりだと思っていた追放令嬢。

これは、そんな二人が何者にもならなくていい辺境の小さな村で出会い、自分で選んだ人生と居場所を少しずつ見つけていく物語。

追放されたからこそ、始められる人生もある。

今日くらいは頑張らなくてもいい。

明日のことは、明日になってから考えればいいのだから。
第3話 前の仕事
2026/09/29 22:42
第8話 森の異変
2026/09/30 20:01
第9話 帰る場所
2026/09/30 20:01
第11話 追放の先
2026/10/01 08:38
第16話 村を歩く
2026/10/04 20:36
第23話 教わる日
2026/10/07 02:55
第34話 古い帳面
2026/10/13 04:55
第38話 雨のあと
2026/10/14 19:24
第41話 朝の豆畑
2026/10/15 00:18
第44話 名前
2026/10/15 03:52
第47話 借りた本
2026/10/16 05:55
第54話 途中まで
2026/10/18 00:20
第58話 書く名前
2026/10/19 08:33
第65話 選んだ昼
2026/10/21 03:24
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