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長政は、お市に勝てない ―敵陣へ駆ける妻を、浅井長政は裏で勝たせる―

作者:島村 巡
最新エピソード掲載日:2026/10/26
史実では、織田に滅ぼされた浅井家。
妻は戦場を駆ける。夫は、その勝ち戦を陰でつくる。
浅井長政とお市の戦国夫婦譚

敵には策を巡らせる。妻には、見惚れてしまう。

北近江の浅井長政のもとへ、織田信長の妹・市が嫁いできた。
一目で心を奪われたその姫は、自ら馬に乗り、薙刀を手に敵陣へ駆けていく。

「わしは、出る」

敵の数を確かめるより、市が決めるほうが早い。
長政は兵を集め、糧を揃え、道を通す。敵方へ書状を送り、市が斬り込む前に、その足並みを崩していく。

妻を死なせたくない。
けれど、勝って戻った市の得意げな顔も見たい。

市は、夫の働きをほとんど知らない。
長政も、それを語ろうとはしない。

ただ、二人の戦に巻き込まれる者たちは、たまらない。
嫁いできた姫に振り回される家臣たち。浅井を守ってきた父・久政。そして、長政の書状一通に判断を迫られる敵方の者たち。
それぞれに守るものがあり、譲れないものがある。

市が駆ける。その陰で、長政が人を動かす。

二人とも、天下など望んでいない。
それでも、戦のたびに、浅井の名は少しずつ遠くまで届いていく。

惚れた妻との日々が、浅井の行く末を変えていく戦国夫婦譚。

※史実上の人物・出来事を題材にしたフィクションです。人物像や年代、出来事に独自の設定を含み、史実とは異なる展開を描きます。
※本作品は「カクヨム」にも掲載しています。
【序章 輿入れ】
【第一部 北近江編|第一章 六角】
【第一部 北近江編|第二章 若狭】
【第一部 北近江編|第三章 長政と久政】
【第二部 畿内編|第四章 甲賀の里】
【第二部 畿内編|第五章 三好】
【第二部 畿内編|第六章 畿内】
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