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掴み屋ハル ―手のひらひとつの、生存戦線―

作者:SG
最終エピソード掲載日:2026/07/16
才能なんて要らない。今日の飯と、寝床が要るんだ。

大異変で文明が崩れ、荒廃した世界。人々は各地に生まれた「迷宮」から資源を奪い、その日をなんとか生き延びている。

ハルの力は「秤の手」――利き手で触れたものの重さを、軽くも重くもできる。ただし片手分だけ、遠隔操作は不可、生物相手には効きが浅く、使えば手が焼けるように痺れて動かなくなる。腕力や魔力のように測れない、地味で扱いにくい力。ギルドの査定基準にも乗らず、彼はただ「掴み屋」と呼ばれてきた――本来は、ハル個人ではなく、使い道のない半端者すべてに向けられる蔑称だ。

超人的な身体能力など無い、生身の18歳。だが自分を軽くして懐に飛び込み、当たる寸前に重さを取り戻す――その一瞬の切り替えだけを武器に、ハルは迷宮の底でも、理不尽な人間社会でも、なにくそと足掻き続ける。皮肉屋で口は悪いが、困っている奴を見捨てられない性分だけが、彼の数少ない取り柄だった。

けれど、灰塚の奥で拾った小さな縁と、割に合わない依頼の数々が、いつしか「掴み屋」の名を上書きしていく。

蔑称だったその名が、いつか世界に知れ渡る二つ名になるまで。
手のひらひとつで、這い上がれ
灰塚の忠告
2026/07/15 17:46
寄せ集めの信頼
2026/07/15 17:47
脈打つ壁
2026/07/15 17:49
効かない掴み
2026/07/15 17:49
置いていく理屈
2026/07/15 17:50
掴み損ねた背中
2026/07/15 17:52
逆さまの評判
2026/07/15 17:54
大異変の前から
2026/07/15 17:55
灰塚の主
2026/07/15 17:56
二束三文の勲章
2026/07/15 17:57
水面が動く音
2026/07/15 17:58
顔のない依頼人
2026/07/15 17:59
一致する数字
2026/07/15 18:01
私兵の紋
2026/07/15 18:02
ヴェイン家の名
2026/07/16 18:35
当主のお召し
2026/07/16 18:35
開かれた門
2026/07/16 18:36
当主の値踏み
2026/07/16 18:36
重さを盗む手
2026/07/16 18:36
途中の名前
2026/07/16 18:37
まだ握れない朝
2026/07/16 18:37
錆びた紋章
2026/07/16 18:38
ヴェインより上
2026/07/16 18:38
声のする方へ
2026/07/16 18:39
心当たりがある
2026/07/16 18:40
垂れ下がる手
2026/07/16 18:41
借り物の秤
2026/07/16 18:42
動かない手、知られた名
2026/07/16 18:42
符丁の名
2026/07/16 18:43
揃いすぎた歩幅
2026/07/16 18:44
紋章の下の腕
2026/07/16 18:45
灰塚そのものだ
2026/07/16 18:48
駒だった当主
2026/07/16 18:49
二人分の秤
2026/07/16 18:50
迷宮の心臓
2026/07/16 18:50
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