表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

未完の大魔導士――俺の近くでは何も完成しない――

作者:勇者ヨシ君
最新エピソード掲載日:2026/08/03
間宮玲司は、何一つ終わらせられないまま死んだ。

仕事も、勉強も、恋も。
投稿していた異世界転生小説も、すべて途中で更新を止めていた。

完成させなければ、失敗作だと決まることもない。
いつか続きを書くと言っていれば、まだ可能性は残っている。

そうやって結果と責任から逃げ続けた玲司は、想い人へ送れなかったメッセージと、最後の一文がない物語を残して生涯を終えた。

異世界でレイルという少年へ転生した彼の魂から生まれたのは、固有スキル【未完】。

完成直前の物事から「最後の一工程」を奪う力だった。

小説は最後の一文だけ書けない。
母親の刺繍は最後の一針だけ結べない。
パンは何度焼いても中心だけが生焼けになる。
鍛冶師の剣は、最後の仕上げだけが終わらない。

レイルの近くでは、誰かが積み重ねた努力が決して実を結ばない。

村人たちは彼を恐れ、「仕事殺し」「終わらずの子」と呼んだ。

両親は息子を守りながらも、彼の力が生んだ損害から逃げなかった。
幼なじみのリィナだけは、レイルの間違いを叱りながら、彼自身を見捨てなかった。

レイルは他人を守るため、自分の小説を意図的に未完のまま抱える。

やがて彼は、【未完】が完成を消しているのではないと知る。

奪っているのは、物事が世界へ確定する最後の一工程。

それならば、剣撃も。
魔法も。
治癒も。
敗北も。
死さえも。

完成直前で抱え、必要な瞬間に返すことができる。

かつて何も完成させられなかった少年は、無数の未完を背負う大魔導士へ成長していく。

一方、世界を支配する神は、人間の失敗と後悔を終わらせるため、すべての人生を唯一の正しい結末へ固定しようとしていた。

誰も間違えない。
誰も失わない。
誰も選ばなくてよい、完璧な世界。

しかしレイルは知っている。

完成していないからこそ、続きを選べるものがある。
一つを終わらせるからこそ、次を始められることもある。

そして彼の隣には、なぜか前世からずっと待っていたような目で彼を見る、幼なじみの少女がいる。

前世で終わらなかった恋。
今世で始まった二人の人生。
世界を完成させようとする神。

これは、完成を恐れて逃げ続けた男が、何を終わらせ、何を未来へ残すのかを自分で決めるまでの物語。

「終わらせるのは、俺が決める」
最初へ 前へ 次へ 最後へ
エピソード 101 ~ 181 を表示中
第95話「二人分の地図」
2026/07/26 02:37
第96話「母の血は使わない」
2026/07/26 02:47
第97話「計算より先に飲む」
2026/07/26 02:59
第99話「敗者を拾う虎」
2026/07/26 16:07
第100話「灰橋宿」
2026/07/26 16:32
第102話「仮継路札」
2026/07/26 17:42
第103話「星を渡る者たち」
2026/07/26 19:01
第8章「帰還ゲートは完成しない」
第129話「母の血、二度目」
2026/07/30 01:46
第9章「九十九パーセントの魔法」
第10章「眠らない聖女」
最初へ 前へ 次へ 最後へ
エピソード 101 ~ 181 を表示中
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ