第147話「九十九秒の少女」
壊れたものを直す時、傷跡まで消せば元に戻るとは限りません。
新しく増えたものを残すなら、修理にも本人の意志が必要です。
人間圏へ帰還して、二か月と五日目。
王立結着学院地下の第三魔導工房では、朝から金属を削る甲高い音が途切れなかった。
工房中央の分解台に横たわっているのは、レイルが幼い頃から使ってきた【万式魔導環】と、ひびの入った【七環導杖】だった。黒銀色の環状部品には王核大陸で継ぎ足した灰色の導線が這い、白環施設から回収した薄板、灰環の交易具から外した接続爪、ノアが九十九%で固定した絶縁片が、年代も製法も揃わないまま組み込まれている。
新品の頃の面影は残っている。だが、もはや人間圏で作られた魔導具だけではなかった。
主担当のロッテ・ベルクマンは、栗色の髪を頭の高い位置で束ね、油染みのついた革前掛けの下に学院工房科の制服を着ていた。小柄な身体を分解台へ乗り出し、右手の細工鏝で第三環の縁を叩く。澄んだ音が二度、濁った音が一度返った。
「ここ。元の規格へ戻したら、灰環式の逃げ道が死ぬ」
ロッテは鏝の先で、細い傷へ沿うように刻まれた異邦文字を示した。
「人間圏の安全規格では、この線は余計です。けれど王核大陸では、この余計な線のおかげで白環の命令を外へ逃がせた。だから削らない。傷も埋めない。次に負荷が来たら、同じ場所から割れるように残します」
「故障箇所を残すのですか」
セレネ・グランツが、淡い金髪を肩から前へ流しながら図面を覗き込んだ。青紫色の瞳は分解台と三枚の設計紙を休みなく往復している。
「故障じゃない。破断位置の予約」
「名称を変えても、意図的な弱点である事実は変わりません」
「だから必要なの。全部を硬くしたら、次は中枢が壊れる。中枢が割れたら、ニアの人格記録まで巻き込む」
「第三環外縁へ負荷を逃がす案には賛成します。ただ、現在の厚みでは通常使用でも摩耗が進みます。補助環を一本増やしてください」
「増やしたら杖の重量が六十七グラム上がる」
「レイルの腕力なら許容範囲です」
「使用者へ聞く前に重くしないでくれよ」
二人の背後で図面を持っていたレイルが口を挟むと、セレネは振り返らず答えた。
「前腕の測定値から見れば問題ありません」
「毎日持つ物の六十七グラムは、測定台の一回とは違う」
「では四十二グラムまで削ります」
「ゼロという選択肢は?」
「ありえません」
少し離れた椅子では、ノア・エルグラムが細い赤縁眼鏡を押し上げ、二人のやり取りへ満足そうに頷いていた。淡い金髪は机の背へ流れ、修繕跡の多い魔導衣の袖から白い指が覗く。
「良い査読です。使用者の希望を簡単に採用しない姿勢も評価します」
「俺の杖なんだが」
「だからこそ、貴方だけで決めさせません。壊した実績が多すぎますから」
「転移事故まで俺の整備不良へ入れるなよ」
「白環旧端末へ近づいたのは貴方でしょう」
「学院の実習だった」
「事故報告書には、危険を察知した後も術式観測を続けたとあります」
「そこまで読んだのか!」
「全文へ赤字を入れました」
「返却された報告書が重かったのは、それか」
分解台の上で、黒銀色の小さな猫が前脚を揃えた。
『議論継続中。ニアちゃん本体、約二時間ずっと開腹状態なんですけど。もう少し当事者への配慮、ありません?』
「魔導環に腹部という分類はありません」
ノアが即答する。
『ある設定にしたら、あるんですぅー!ぶう』
「設定で器官を増やさないでください」
『ノアも本当は百三十歳超えなのに、見た目二十代で押し通してるじゃないですかぁ』
「血統及び種族的事実です。押し通してはいませんし」
「ニア、修理中に担当者を怒らせるな。どんな改造されるかわからんぞ」
『レイルも止める相手、そっちなんです?』
ロッテが笑いを噛み殺しながら、猫型投影の額を指で軽く弾いた。指は光を抜けたが、ニアは大げさに頭を振った。
「人格回路は元気。次は少女型の外部槽を試すよ」
工房の奥から、車輪付きの低い台が運ばれてきた。台の上には銀白色の細環が三重に重なり、中央へ透明な結晶槽が据えられている。結晶の内部には、王核大陸で回収した淡灰色の魔力砂が沈んでいた。
【外部環状魔力槽】。
人間圏の薄い周辺魔力でも、ニアの少女型投影へ短時間だけ質量を与えるための外部装置だった。
フィア・レコードが壁際の記録机へ立ち、吸引量、槽内圧、レイルの脈拍、魔力経路温度を一枚ずつ別の欄へ書き込む。淡い灰銀色の髪は首元で乱れなく束ねられ、薄い灰色の瞳が数値板を追っていた。
「事前条件を読み上げます。本日は中級無詠唱訓練日なので、訓練終了までレイルからの吸引は禁止します。この試験は外部槽へ前夜から蓄えた周辺魔力だけで行い、供給量は通常吸引二%相当。異常感覚、指先の冷え、頭痛、吐き気が出た場合は、外部槽を即時停止します」
「ニアの申告を待たないのか」
「平気だと言い張る傾向が記録されています」
『同意しまーす』
「本人が先に同意するな」
レイルは念のため左手首へ遮断環を巻いた。ただし申請欄は〇%のままで、ニアが外部槽の起動表示へ触れる。
外部槽の三本の環が低く回転した。
猫型の輪郭が細く伸び、黒銀色の光が人の形へ組み替わっていく。現れた少女は、十代半ばほどの外見だった。肩口で跳ねる黒銀色の髪、猫耳を思わせる二本の投影角、膝上までの短い案内衣。王核大陸で見せていた半実体より少し幼く、輪郭も薄い。それでも、床へ下ろした裸足の右足は、確かに石床へ影を落とした。
『はーい!復帰ですー! 少女型ニアちゃん、今日は足つきでーす』
左足だけが膝下から透けていた。
「片方だけだな」
『蓄積分だけだと、左右対称まで予算が回りませんでした』
「魔力を予算と言うな」
『じゃあ追加〇・五%で、見た目を整えません?』
「却下」
「却下します」
「許可しません」
レイル、フィア、セレネの声が重なった。
ニアは片足で器用に立ちながら頬を膨らませる。ノアが槽内の波形へ視線を寄せた。
「魔力供給は安定。人格記録の剥離なし。触覚も戻っています。ニア、右手でこの紙を持ってください」
『りょーかいです』
ニアの指が薄紙の端を摘んだ。紙は一度滑り、二度目で持ち上がる。
レイルは思わず、その手へ自分の指を近づけた。
『触ります?』
「確認だ」
『そういう言い方、だいたい照れてる時のやつです』
「触覚の確認だと言ってる」
『はいはい。どうぞー、素直じゃないんだから』
指先同士が触れた。
王核大陸の濃い魔力の中で触れた時より、ずっと軽い。温度も人肌には届かず、冷たい水面へ触れたような感触だった。それでも、すり抜けなかった。
ニアがふざけた顔をやめ、レイルの指を一度だけ握る。
『ちゃんと、います』
「ああ」
その返事を聞いてから、ニアはいつもの明るい表情へ戻った。
『じゃ、記念に工房一周してきます』
「片足で歩くな」
『浮けばセーフです』
「実体試験の意味がなくなる」
少女型の腰から下がふっと浮き上がった時、壁の計時板が九十秒を示した。
九十五。
九十七。
九十八。
九十九秒目に、外部槽の環が同時に止まった。
ニアの身体は足元から光へほどけ、黒銀色の猫へ縮んで分解台へ落ちる。レイルが両手で受け止めると、猫型の尾が力なく腕へ巻きついた。
『停止理由、不明。魔力残量、十分。回路温度、正常。継続命令だけ、存在しません』
ロッテが計時板を見上げた。
「九十九秒。昨日も、一昨日も同じ」
「外部槽の完成率も九十九%です」
ノアは自分の術式紙へ目を落とした。そこには、最後の一環だけが白いまま残っていた。
「設計上の入力欄は全て埋めました。安全停止、形態保持、人格保護、吸引同意、緊急遮断。欠けている工程が見つかりません」
「見つからないなら、俺の【未完】で最後を引き出せないか」
レイルが言うと、ノアの赤紫色の瞳が鋭く上がった。
「却下します」
「まだ触っていない」
「触る前に却下しています。貴方は、空欄を見ると埋めたくなる癖を直してください」
「九十九秒で落ちるなら、実地では使えない」
「だから調べます。原因が分からないまま完成圧力を引き抜けば、ニアの人格記録まで貴方の保持対象へ入る可能性があります」
「その場合は解除する」
「四件保持の後遺症が残っている人間の『解除する』を、安全条件へ採用できると思いますか?」
レイルは言葉を止めた。
ノアは術式紙を指で押さえ、声を少し低くした。
「九十九%を笑われるのは慣れています。ですが、分からない一%を力で埋める人間へ、私の術式は渡しません。これは私とロッテとセレネ、フィア、ニア本人が組み上げた設計です。貴方に求めるのは、最後を奪うことではなく、分からないまま待つことです」
「……分かった。触らない」
「口頭だけでは不足です」
「フィア、記録してくれ」
「記録します。レイルは外部槽へ【未完】を使用しません。条件変更時は関係者全員の再承認を必要とします」
フィアが書き終えるまで、レイルは分解台から手を離していた。
♦ ♦ ♦ ♦ ♦
午後、修理工房に隣接する第二実習室で、中級無詠唱の訓練が始まった。
レイルが今日選んだのは【石槍】だった。床から細長い岩槍を形成する中級地質魔法。通常詠唱なら安定して使えるが、無詠唱化すると、地質の選定、圧縮、形状、進路、停止深度を声なしで処理しなければならない。
セレネはレイルの左隣へ立ち、五枚の小型術式紙を一列へ並べた。以前より少し伸びた淡金髪が、身を寄せるたびレイルの肩へ触れる。
「工程を一つずつ思い出そうとしないでください。王核大陸で貴方が石壁を作った時、土の種類を文章で考えていましたか?」
「硬さと水分を触った感覚で選んでいた」
「石槍もそれと同じです。形状だけを先に作ると、圧縮が遅れます。先に地中で槍の輪郭を掴み、その形のまま密度を上げてください」
「分かるような、分からないような説明だな」
「貴方が感覚で行っている部分を言葉へ戻したのです。私に言わせておいて、その評価は不当です」
「いや、悪かった。もう一度やる」
セレネは離れなかった。
告白以前なら、肩が触れたと気づいた時点で半歩退いていただろう。今は同じ角度から術式紙を見るための距離として、そのまま立っている。レイルだけが妙に肩を動かせず、正面の標的へ意識を戻そうとしていた。
「近くないか」
「図面を同じ向きで見る距離です」
「やっぱり前より近い気がする」
「以前は、貴方に好意を知られていませんでしたから。慌てて離れて、気づかれていないふりをする必要がありました」
「今は必要ないのか」
「ありません。私は、告白を撤回していませんので」
青紫色の瞳が、すぐ横からレイルを見た。
レイルは石槍より先に呼吸を失敗した。
「脈拍上昇を確認しました」
後方からフィアが読み上げる。
「無詠唱訓練の負荷か、セレネとの距離が原因かは未確定です」
「その項目は記録しなくていい」
「比較のため必要です」
「必要ありません」
セレネの耳が赤くなった。
訓練は七回失敗した。
一回目は土柱になり、二回目は槍先だけが地面へ残った。三回目は形成位置が近すぎて、レイル自身が後ろへ跳ぶことになった。四回目から六回目は圧縮不足。七回目は形になったものの、標的へ届く前に崩れた。
八回目。
レイルは声を使わず、足裏から伝わる床の硬さだけを拾った。
地質を探さない。工程を順番に呼ばない。掌へ作るのでもない。二歩先の石床に、最初から細い槍が埋まっていると考え、その形だけを地上へ押し出す。
石床が割れた。
灰色の槍が斜めに突き上がり、木製標的の胸を貫く。通常詠唱の七割ほどの太さしかない。槍先も荒い。それでも、声は一音も出ていなかった。
「成功です」
セレネの声が弾んだ。
「形状誤差は一二%。標的中心から右へ四センチ。終了深度も予定線以内です。レイル、今の工程を忘れないうちに――」
「先に座らせてください」
ノアが遮った。
レイルの右手は、指先から肘まで細かく震えていた。魔力経路の熱が皮膚の内側を這い、額へ汗が浮く。
「成功直後に二回目を撃とうとする顔をしています」
「していない」
「していました」
「測定のために考えただけだ」
「それを撃とうとする顔と呼びます。今日は終了です」
実習室の扉が開き、長い赤栗色の髪を高く結び直したリィナが、大きな食籠を両腕で抱えて入ってきた。武装戦技科の制服は術式科より動きやすく、腰の剣帯には朝練で使った木剣が差してある。頬にはまだ訓練後の赤みが残っていた。
「やっぱり終わってない。昼に、今日は早く切り上げるって言ったよね」
「一回成功したところだ」
「だから続けたくなるところでしょ。知ってる」
リィナは食籠を机へ置き、震えているレイルの手を取った。指を開かせ、掌の熱を確かめる。
「数値は?」
「経路温度は許容上限の一度下です」
フィアが答えた。
「一度下なら平気と言うつもり?」
「今日は終わる」
「私じゃなくて、自分の手を見て言って」
レイルは開かれた自分の掌へ目を落とした。
「……今日は終わる」
「うん。じゃあ食べて、冷やして、明日の朝は走るだけにしよ」
「剣は?」
「振らない」
「リィナが?」
「そこまで驚く?」
リィナが睨むと、レイルは余計なことを言わず食籠を開けた。
中には肉と野菜を挟んだ厚いパンが四つ。レイルの分だけではない。
「セレネの分もある」
「ありがとうございます」
「フィアとノアも。ロッテは工房から出てこないと思ったから、二つ多くした」
『ニアちゃんの分は?』
「食べられないでしょ」
『見た目を楽しむのはだめですかぁ?』
「じゃあ私の隣で食べるの見てて」
リィナはそう言いながら、レイルとセレネの間に置かれていた術式紙を見た。紙の端には、二人だけが使う短縮記号が並んでいる。
「今日も、ずっと一緒だったんだ」
「共通授業と修理作業です」
セレネが答えた。
「分かってる。怒ってるわけじゃない」
「怒っている時と同じ声です」
「ちょっと寂しいだけ。朝はレイルが寝不足で短くなったし、昼は補習の話をしてるし、放課後も二人で研究してる。私が来る頃には、知らない記号が増えてる」
リィナは術式紙の角を指で押さえた。
「近づくなとは言わない。セレネが手伝ってくれなかったら、レイルは中級無詠唱にもっと時間がかかる。でも、仕事だから仕方ないみたいな顔で、二人の時間を数えないのは嫌」
セレネは言い返す前に、紙から手を離した。
「私は、仕事だから隣にいるのではありません」
「知ってる。告白したもんね」
「はい。ですから、研究時間を私的な感情から完全に切り離すつもりもありません。ただ、リィナの時間を奪うために予定を増やしたことはありません」
「そこまで疑ってない」
「では、どうすればよいですか」
「私にも教えて。全部は無理でも、今日成功した魔法が何だったかくらい、レイルから聞きたい」
リィナはレイルへ向き直った。
「後で教えて、じゃなくて、今。難しい言葉を減らして」
「石を槍の形で地面から出した」
「それだけ?」
「声なしで」
「ええ、それ、すごいじゃん!」
不満そうだった顔が、一瞬で明るくなった。
「最初からそれを言ってよ。手は痛そうだけど、ちゃんと進んだんだね」
「七回失敗した」
「それも聞く。食べながら全部話して」
レイルはパンを受け取り、セレネにも一つ渡した。
研究室で同じ紙を見る時間も、朝の呼吸を見抜かれる時間も、どちらも仕事だけでは片づかない。そう気づいたところで、どう答えればよいかまでは分からなかった。
工房側から金属部品の落ちる音がした。
全員が分解台へ戻ると、銀髪の少年が床へ落ちた補助環を拾っていた。手袋の親指部分が裂け、右手の付け根に浅い切り傷が走っている。アルドだ。
「アルド、その手を見せなさい」
ノアが真っ先に近づき、アルドの手首を取った。
「浅い傷だ」
「深さを決めるのは貴方ではありません。金属粉が入れば炎症を起こします。なぜ手袋を替えなかったのですか」
「まだ使えた」
「今、破れました」
「だから次は替える」
「破れてから学習する運用を続けないでください」
ノアは洗浄魔法を使わず、流水と消毒液で傷を洗った。魔法だけに頼らないのは、学院医療規則を学んだ成果でもある。
処置が終わっても、ノアの指は一拍だけアルドの手首へ残った。
「ノア」
フィアが呼ぶ。
ノアはすぐ手を離した。
「診療です」
「はい。傷の位置、洗浄、消毒、止血まで記録します」
「他に何を記録するつもりですか」
「今のところ、診療だけです」
「今のところ、という補足は不要です」
「必要になった場合、追記します」
アルドが二人を交互に見る。
「何か不足しているのか」
「ありません」
「ありません」
また声が重なった。
ニアが猫型の尾でレイルの腕を叩く。
『こっちも完成率、九十九%っぽいですね』
「余計な解析をするな」
夕方、全ての部品は仮組みを終えた。
少女型投影は九十九秒。
中級無詠唱【石槍】は一回成功。
ノアとフィアの記録には、説明できない一拍が増えた。
どれも完成には届いていない。
けれど、未完成のまま残ったものへ、レイルはもう勝手に手を伸ばさなかった。
【今回の登場人物】
・レイル・アルヴァート
九十九%で止まる外部魔力槽へ【未完】を使わないと約束し、中級【石槍】の無詠唱へ一度だけ成功した少年。
・ニア
人間圏で少女型の右足と触覚を取り戻したものの、九十九秒で猫型へ戻り、継続命令の不在を報告した疑似人格。
・ロッテ・ベルクマン
王核大陸で増えた傷跡を消さず、次に壊れる場所まで選び直す正式修理を始めた魔導技師。
・ノア・エルグラム
不明な一%をレイルの力で埋める案を退け、負傷したアルドの手を診療後も一拍だけ離せなかった研究者。
・セレネ・グランツ
告白済みであることを隠さずレイルの隣に立ち、石槍の内部工程を感覚へ戻した術式設計者。
・リィナ・アルセイル
自分の知らない記号が増える寂しさを言葉にし、レイルから七回の失敗と一回の成功を食事中に聞き出した剣士。
・フィア・レコード
吸引と無詠唱訓練を分離して管理し、ノアの診療へ記録上は不要な一拍があったことも見逃さなかった目録官。
・アルド・クロイツ
まだ使える手袋を使い続けて指を切り、ノアとフィアの間に不足しているものが何か理解できなかった護衛科生。
【今回の能力・設定メモ】
・【外部環状魔力槽】
人間圏の低魔力環境でニアの少女型へ短時間の半実体を与える装置。現段階では九十九秒で停止する。
・中級無詠唱【石槍】
初成功。通常詠唱時より細く、形成誤差と魔力経路の発熱が残るため、実戦認定前の監督下技能。
【次回】
AランクとSランクの冒険者が、学生を海の向こうへ渡らせないために学院へ来ます。
九十九秒で消えた少女型の手も、八回目に立った石槍も、次の試行へ残る記録です。レビュー、ブックマーク、フォローで、消さずに直す正式修理を応援していただければ幸いです。




