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境界の森の秘密基地〜「役立たず」と追放された少年は、小枝とガラクタで自分だけの居場所を作る〜実はそこ、世界を再生させる神話の心臓部でした〜

作者:六井求真
最新エピソード掲載日:2026/10/12
魔力測定値ゼロの無能と蔑まれ、巨大防壁の外――誰も生きて戻れない死の原生林へ追放された十一歳の少年アルト。
冷たい雨が降りしきる中、泥まみれで死にかけていた白銀の子犬シロを抱き上げた彼は、ポケットに残っていた使い古しの小刀一本で生き抜くことを誓う。

拾った小枝を削って杖を作り、火打石で火種を灯し、大樹の枝の上に雨露をしのぐ小さな床板を張る。
便利魔法に頼らない、木肌のぬくもり、刃物の切削音、雪を溶かす温水床暖房、蜜蝋と松脂で防水した樹上露天風呂。少年の手触りのあるクラフトによって、過酷な森は二人だけの温かな秘密基地へと姿を変えていく。
最初は手のひらサイズだったシロも、少年の愛情と大樹の力に共鳴し、森の獰猛な狼たちをも平伏させる巨大な白銀の神獣へと成長していった。

けれど、アルトが快適な暮らしのために集めていたガラクタは、失われた超古代文明が遺した「星の調律システム」そのものだった。
川底から掘り出した泥だらけの爪は、直径三・六メートルの巨大青銅歯車。
割れた器を直すために引いた線は、神話の幾何学コード。
少年が無自覚に修繕していたのは、かつてこの星を動かしていた心臓部だったのだ。

一方、アルトという唯一の安全弁を失った都市は、魔力炉が暴走して自壊。飢えと寒さに狂ったかつての支配者や兵士たちが森へ押し寄せる。
だが、十四歳を迎えた少年が築き上げた秘密基地は、気流を狂わせた無音の迷路と数々の迎撃機構に守られた、侵入者ゼロの難攻不落の天空要塞へと進化していた。
泥を這って命乞いをするかつての大人たちに、少年は冷徹に告げる。
「帰ってくれ。君たちにやる水は、一滴もない」

小枝削りから始まる本格クラフトと、白銀の神獣との言葉を超えた絆。
追放された少年が自らの手で世界を創り直す、孤高の天空要塞ファンタジー。
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