「夫人の手遊びだろう」と離縁された王宮御用達調香師は、翌朝隣国に招かれました
最新エピソード掲載日:2026/06/18
侯爵家に嫁いで五年、夫から贈られたのは「そんな手遊びはやめろ」という言葉だけだった。
リーゼロッテ・ヴァインフェルトの調香は、社交界では「夫人のお遊び」と呼ばれている。けれど王宮の薬務官だけは知っていた──彼女の香りは、毒の起源を一滴で見抜く。
夫が「離縁したいなら好きにしろ」と言い捨てたその日、私は迷わず離縁状を差し出した。
翌朝、屋敷の門前に立っていたのは、隣国・学術強国アルメリアの使者だった。
「王宮御用達調香師リーゼロッテ殿。陛下が、貴女を国の客人としてお招きです」
アルメリアでは今、原因不明の熱病が広がっていた。私が香炉に一滴を垂らした瞬間、誰もが探していた毒の正体が露わになる。
その頃、元・夫の領地では、同じ毒の予兆が現れ始めていた。彼にはもう、それを見抜ける者がいない。
──「お遊び」と呼ばれたものが、ひとつの国を救い、ひとつの家門を滅ぼす。
これは、ようやく自分の名前で生きはじめた、ある夫人の静かな話。
リーゼロッテ・ヴァインフェルトの調香は、社交界では「夫人のお遊び」と呼ばれている。けれど王宮の薬務官だけは知っていた──彼女の香りは、毒の起源を一滴で見抜く。
夫が「離縁したいなら好きにしろ」と言い捨てたその日、私は迷わず離縁状を差し出した。
翌朝、屋敷の門前に立っていたのは、隣国・学術強国アルメリアの使者だった。
「王宮御用達調香師リーゼロッテ殿。陛下が、貴女を国の客人としてお招きです」
アルメリアでは今、原因不明の熱病が広がっていた。私が香炉に一滴を垂らした瞬間、誰もが探していた毒の正体が露わになる。
その頃、元・夫の領地では、同じ毒の予兆が現れ始めていた。彼にはもう、それを見抜ける者がいない。
──「お遊び」と呼ばれたものが、ひとつの国を救い、ひとつの家門を滅ぼす。
これは、ようやく自分の名前で生きはじめた、ある夫人の静かな話。
第1話 夫人の手遊び
2026/06/11 07:10
第2話 お遊び部屋
2026/06/11 12:10
第3話 忘却
2026/06/11 18:10
第4話 私の名前と、私の手
2026/06/11 20:10
第5話 奥様、何かお持ち帰りになるものは
2026/06/11 22:10
第6話 まだ動く手
2026/06/12 07:10
第7話 個人称号
2026/06/12 12:10
第8話 夫人は地味だから
2026/06/12 18:10
第9話 始まり
2026/06/12 20:10
第10話 銀の月桂樹
2026/06/12 22:10
第11話 手遊びを買いに参ったのではない
2026/06/13 07:10
第12話 国の客人として
2026/06/13 12:10
第13話 見ていた人
2026/06/13 18:10
第14話 最後の振り返り
2026/06/13 20:10
第15話 国境までの夜
2026/06/13 22:10
第16話 賓客
2026/06/14 07:10
第17話 補佐官アンナ
2026/06/14 12:10
第18話 論文を読んできた人
2026/06/14 18:10
第19話 まだ動く手
2026/06/14 20:10
第20話 ヴィレナ
2026/06/14 22:10
第21話 毒の地理
2026/06/15 07:10
第22話 蒼い帯
2026/06/15 12:10
第23話 お前の手は
2026/06/15 18:10
第24話 ガストン卿
2026/06/15 20:10
第25話 戦ってくれる人
2026/06/15 22:10
第26話 個人称号です
2026/06/16 07:10
第27話 北の出のアンナ
2026/06/16 12:10
第28話 お茶の香り
2026/06/16 18:10
第29話 白蒼苔
2026/06/16 20:10
第30話 ヴァインフェルト侯爵領にて
2026/06/16 22:10
第31話 私の名前はもう
2026/06/17 07:10
第32話 解毒法
2026/06/17 12:10
第33話 心痛はない
2026/06/17 18:10
第34話 蒼森の珍しいお茶
2026/06/17 20:10
第35話 誰も触れておりません
2026/06/17 22:10
第36話 机の上の手紙
2026/06/18 07:10
第37話 五年。長かった
2026/06/18 12:10
第38話 灰を片付ける人
2026/06/18 18:10
第39話 解毒法は誰にでも
2026/06/18 20:10
第40話 振り返らない
2026/06/18 22:10