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メンヘラオジサン42歳。仕事を辞め発信者兼カレー居酒屋からの再出発。氷河期世代。全てを失ったところから這い上がる

最新エピソード掲載日:2026/08/20
四十二歳、非モテ、独身、精神障害者手帳持ち。会社員として十七年以上働きながら、十一回の休職を経験してきた博之は、自分を「社会不適合者のメンヘラオジサン」だと思っていた。多くの資格を取得しても、会社では重要な仕事を任されず、給与も新卒社員以下。普通の働き方では、これ以上活躍できないと感じていた。
一方、会社の外では、登録者四千八百人のYouTubeチャンネルと、小説家になろう累計五百五十万PVという、ささやかな発信力を持っていた。
博之はその力を使い、古い雑居ビルの小さな空き店舗を借り、土日限定のカレー屋兼スナックを始める。
一日に二、三人来てくれれば十分。そんな軽い気持ちで始めた店だったが、動画の視聴者や小説の読者、近所の孤独な中年男性たちが少しずつ訪れるようになる。会社で居場所を失った者、長く無職だった者、人間関係が苦手な者、心身の不調でフルタイム勤務ができない者。店はいつしか、社会からこぼれ落ちたアラフォー、アラフィフの弱者男性たちが、安心して集まれる場所になっていった。
小さな手応えを感じた博之は、十七年以上勤めた大企業を辞め、店と
発信活動に軸足を移す。やがて、客として通っていた男たちにも、
それぞれ経験や得意分野があることに気づく。元料理人には新しい店を、元営業職には仕入れや法人対応を、元経理職には小さな会社の管理を任せる。職歴や経験が重なる者同士を集め、無理のない勤務時間と最低限の責任で働ける小規模な事業を、少しずつ増やしていく。
週五日働けなくてもいい。体調が悪ければ休んでもいい。ただし、
できる範囲では互いに支え合う。そうした働き方を掲げながら、
カレー屋から始まった店は、居酒屋、弁当屋、清掃会社へと
がっていく。
これは、大企業で評価されなかった四十二歳のメンヘラオジサンが、
同じように社会に適応できなかった中高年たちと会社をつくり、
やがて自分を否定した巨大企業とも肩を並べるまでを描く、
中高年再起の経営シミュレーション物語である。
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