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『黒歴史ノートが異世界で最強の魔導書になっていました』

作者:伊佐波瑞樹
最新エピソード掲載日:2026/11/01
誰にだって、思い出したくない黒歴史の一つや二つはある。

俺の場合は――中学生の頃に作った、最強設定てんこ盛りの『黒歴史ノート』だった。

闇を統べる究極魔法。
世界の法則すら書き換える禁断の術。
伝説の魔剣に、最強の魔物。
そして、それらすべてを使いこなす選ばれし存在――。

当時の俺が「これカッコいい!」と思ったものを、限界まで詰め込んだ一冊。

大人になった今では、読み返すどころか存在を思い出すだけでも恥ずかしい。

そんな俺が、ある日突然――異世界へ。

そこで目にしたのは、魔法が存在する本物のファンタジー世界だった。

そして俺の手元には、なぜかあの黒歴史ノートがある。

嫌な予感しかしない。

恐る恐るページを開き、昔の自分が考えた魔法を試してみると――。

「……え?」

山が吹き飛んだ。

そこで俺は気づいてしまう。

この世界では、黒歴史ノートに書いた設定が本当に使える。

しかも、中学生だった俺は加減というものを知らなかった。

魔力はほぼ無限。
防御は絶対。
状態異常は無効。
古代魔法も禁術も使用可能。
困ったら新能力が覚醒する。

――おい、昔の俺。

いくらなんでも能力を盛りすぎだろ!!

本人にとっては恥ずかしくて仕方がない黒歴史。

しかし異世界の人々から見れば、それは常識を覆す奇跡の魔導書だった。

俺は目立たず、この世界で普通に暮らしたい。

なのに黒歴史ノートを使うたび、とんでもない事件を解決してしまい、周囲から向けられる視線はどんどん変わっていく。

さらに、ノートに書いたはずの設定と酷似した存在まで現れ始めて――?

これは、厨二病時代の妄想をすべて現実にされてしまった男が、自分自身の黒歴史に悶絶しながら異世界を生きていく物語。

最強なのは嬉しい。

異世界も楽しい。

でも頼むから――その技の正式名称だけは叫ばせないでくれ!!
第22話
2026/10/25 06:32
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