星野光の彼方

何があったのかは、分からない。とにかく、ある時から、地球は、ほとんど「死の惑星」と化した。「贖罪の百年」---後にそう呼ばれる時代である。生き延びたものの、先細りに滅亡しかかっていた人類を救ったのは、人とよく似た姿を持つ「火星人」たちだった。

彼らが何者なのかは、分かっていない。姿形は似ているが、思考や行動様式は、地球人とは、大きく異なっている。彼らは、地球環境の再生を試み、一部地域にドーム都市を築いて人々を住まわせ、技術を与えたが、他方、研究のためならどんな冷酷な行為も平気で行う存在でもあった。

一方で、火星人は、地球人の凶暴さや不安定さに不安を抱いていた。彼らをこのまま措くのか、それとも完全に排除するのか？彼らが力をつける前に。それとも、共に歩む何らかの道があるのか？それを見極めるため、火星は、地球人と火星人との共同プロジェクトを開始する。

このひとつの成果として、有人の太陽系外探査船、Ｇａｌａｘｉａが建造された。折しも、80光年余り離れた惑星から、太陽系に火星語に近い言語で綴られたメッセージが届き、Ｇａｌａｘｉａは、その調査のため、宇宙へと旅立つ---

（注：数字等は、精密ではありません。また、一定の「理屈」はありますが、科学的に正確なものでは、ありません。すみません・・・なお、この作品は、カクヨムの方にも掲載しています）