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100兆ポイントの死にゲーモブは、初期ステ縛りでラスボスまで全部狩る ~主人公と聖女を攻略アイテム扱いしていたら、なぜか本人たちも聖王国の黒幕たちも俺に執着して離さない~

作者:多那アロン
最新エピソード掲載日:2026/10/25
 世界は、かつて1万時間遊び尽くした死にゲー〈終蝕のレガリア〉そのものだった。

 しかも俺が手にしたのは、100兆ものポイント。
 ステータスを上げれば、たぶん簡単に最強になれる。

 だから上げない。

 初期ステータス。初期装備。
 ボスの攻撃を一発でも食らえば死ぬ。
 その代わり、攻撃パターンも、隠し通路も、イベント条件も、ボスを倒すための攻略法も、俺は知っている。

 せっかく本物の死にゲー世界に来たのだ。
 最強になるより、最高難度で攻略したい。

 問題は一つ。
 俺はこの物語の主人公ではない。

 世界を救う〈継承者〉ソウゴ。
 彼を導く聖女ユーフェリア。
 レガリアを集め、正しいイベントを踏み、ラスボスまで辿り着くには二人が必要だ。

 つまり、死なせるわけにはいかない。

「ソウゴ、お前は主人公だから死ぬな」
「モブ、お前は自分の命を何だと思ってるんだ!?」

 俺にとって二人は、大切な攻略要員。
 だから守る。
 ポーションを顔面に投げつけてでも守る。
 ボスが二人を狙えば、もっと危険な攻略法に切り替えてでも俺が引き受ける。

 ただし、ボスだけは譲らない。

 巨大な魔獣。
 水面の波紋を追って殺しに来る鐘守。
 ゲームでは知っていたはずの敵が、現実になったことで未知の動きを見せる。

 それでも観察する。
 死にかける。
 攻略法を作り直す。
 そして笑う。

「これが、死にゲーだ」

 そんな俺を、ソウゴとユーフェリアはなぜかますます信頼していく。

 俺はただ、ラスボスまで最高の縛りプレイを続けたいだけなのに。

 一方、レガリアを巡って暗躍する聖王国の重鎮たちから見れば、未来を知っているかのように危機を突破し、継承者と聖女を動かし、常識外れの力まで隠し持つ俺は――どう考えても放置できない危険人物らしい。

 味方には尊敬される。
 敵には警戒される。
 本人だけは、そんなことより次のボスの攻略法を考えている。

 100兆ポイントを持つ死にゲー廃人が、最後まで初期ステ縛りを貫いてラスボスを狩る。

 これは、世界を救う主人公の物語――のすぐ隣で、誰より楽しそうに世界を攻略するモブの物語。

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※カクヨム/小説家になろうにて連載中。
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