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紫苑のあとで

作者:月影
最新エピソード掲載日:2026/09/10
冬の駅前を歩くたび、水野 葵(みずの あおい)は大学三年のあの夜を思い出す。

隣を歩きながら、何度も言葉を探したのに、結局なにも言えなかった夜。
「じゃあね」で終わったその別れのあとも、伝えられなかった気持ちだけが、ずっと心に残り続けていた。

高校に入学した春。
まだ恋と呼ぶには早すぎたころ、葵は放課後の教室で、木下 佳乃(きのした よしの)と同じ時間を少しずつ重ねていく。

同じ場所にいること。
言葉を交わすこと。
わからないところを教え合うこと。
帰るタイミングが重なること。
並んで歩いても、気まずくないこと。

そんな何でもない積み重ねの中で、名前を持たなかった感情は、静かに形を変えていく。

大きな出来事があったわけではない。
ただ、放課後の教室、何気ない会話、少しずつ縮まっていく距離の中で、言葉にならないものだけが残っていった。

そしてその想いは、最後まで言葉にならなかった。

これは、伝えられなかった想いと、戻らない時間の余韻を描く、静かな青春恋愛小説。

※注意
なお、本作品は意図的にゆっくり進みます。急展開や即効性のある面白さに合わせるつもりはありません。
学生生活の空気、距離の変化、言えないまま残る感情を、時間をかけて 描いていきます。
読む人それぞれの学生時代まで不意に揺らせるものになれば本望です。
序章
プロローグ
2026/03/01 22:43 (改)
第1章
第1話「入学式」
2026/03/02 01:43 (改)
第2話「遊園地」
2026/03/02 01:51 (改)
第3話「放課後の教室」
2026/03/02 16:18 (改)
第4話「ポテトの音」
2026/03/02 19:28 (改)
第4.5話「席替え」
2026/03/04 20:14 (改)
第5話「学食へ」
2026/03/05 12:50
第7話「埋まる席」
2026/03/05 18:00 (改)
第8話「範囲」
2026/03/06 01:10 (改)
第10話「束の間」
2026/03/06 03:33
第19話「薄い線」
2026/03/11 01:06
第20話「続いてきたもの」
2026/03/12 15:18 (改)
第21話「端に残る」
2026/03/13 04:19 (改)
第22話「寄せただけ」
2026/03/13 07:46 (改)
第23話「ひらく」
2026/03/16 18:21 (改)
第24話「映りはじめる」
2026/03/19 07:41 (改)
第24.5話「長くならない」
2026/03/19 14:00 (改)
第25話「押し戻される」
2026/03/22 06:21 (改)
第26話「こぼれる」
2026/03/24 15:04 (改)
第27話「机を離れる」
2026/03/27 21:45 (改)
第28話「廊下に落ちる」
2026/03/29 08:18 (改)
第30話「寄り道」
2026/04/02 13:34 (改)
第36話「昼の放課後」
2026/04/12 07:30 (改)
第37話「戻る足」
2026/04/17 09:52
第40話「にじんでいく」
2026/04/21 20:57 (改)
第2章
第41話「夏の残り香」
2026/04/27 23:30 (改)
第43話「手元に残る」
2026/05/02 15:14 (改)
第44話「変わる放課後」
2026/05/06 23:59 (改)
第45話「朝の音、棚の皿」
2026/05/11 15:14 (改)
第46話「紙の外へ」
2026/05/13 08:34 (改)
第47話「混ざる」
2026/05/17 16:24
第48話「聞こえていたもの」
2026/05/20 16:19 (改)
第49話「机上の橋」
2026/05/25 19:38 (改)
第50話「伝ってくるもの」
2026/05/30 19:02 (改)
第52話「現実」
2026/06/24 12:00 (改)
第53話「半歩の隣」
2026/07/05 04:55 (改)
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