青き決別の堕天黙示録(エンジェルリセット)
最新エピソード掲載日:2026/06/04
空腹だけが、私が私として生きている証だった。
天空都市アスタリアの片隅で、弟と二人きりで暮らす少女、カナリアは今日も神殿から与えられた“魂の観測”の仕事をしながら、飢えから目を逸らして生きていた。
ガリっとペンの先に力を入れて、白紙の模造紙に魂の残数を記入する枠を書き上げる。
これは神様からの仕事。
天使の誰もやりたがらない役割だけど、カナリアにとってはこの時間が、天界で生きる為に必要な理由だった。
澄んだ瞳で眺める薄明の雲海。 体温よりずっと低いそよ風が身体に刺さると、肺の中が重たくなる。
今日も世界は息苦しく、カナリアは精一杯の真っ白な息で空に存在を主張する。
きっと今日も変わらない。
だけど生きられない訳でもない。
どれだけ虐げられようとも、この天界にも私たち姉弟を助けてくれる天使族族長イデルバと、族長の妻であるマリアがいる。
大丈夫。 胸を張って仕事を始めたそんなある日。
勤務中に魂ではない、自分によく似た何かをカナリアは観測した。
『ねぇ、思い出した?』
――思い、出す?
怖くなって強く閉じた瞼。 気がつくとカナリアはもう何年も見ていなかった“夢”を見ていた。
ずっと忘れていたはずの母親との別れ。
族長イデルバに与えられた小屋で暮らしていた、母との記憶。
目を覚ましたカナリアの世界がこの日、静かに歪み始める。
勤務交代で来たマリアの豹変。
「堕天は――天界に生きる天使が眺める娯楽なんだよ」
なぜ天使たちは地表を見ることの出来る“天洞”を娯楽として笑うのか。
天界に起きる異変。
早朝から騒がしい天使の住まうスラム街。
天使が新たな堕天という娯楽の標的を選ぶのに、時間はそうかからなかった。
逃げる姉弟。
母が残した遺言によって向かう神すら嫌う廃楽園。
カナリアが夢を拒絶し、目を逸らしていた記憶とは――。
全ての歯車が噛み合う時、天空都市アスタリアに雷鳴が響く。
これは、 青き決別を余儀なくされた天使の堕天から始まる黙示録(エンジェルリセット)。
1話
2026/05/23 00:15
(改)
2話
2026/05/23 00:19
(改)
3話
2026/05/23 00:19
4話
2026/05/23 00:22
5話
2026/05/23 00:22
6話
2026/05/23 10:24
7話
2026/05/24 09:54
7.5話
2026/05/24 23:13
8話
2026/05/25 06:21
9話
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10話
2026/05/27 06:18
(改)
11話
2026/05/28 06:22
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12話
2026/05/29 06:22
13話
2026/05/30 06:20
14話
2026/05/31 06:20
15話
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16話
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17話
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18話
2026/06/04 06:11