瞳に映る輝く世界　――英雄の残したもの――

900年前ある世界を救った英雄ジークは、赤い瞳から光を失った。大勢の人に見守られることもなく、愛する女性の前でもなく、孤独に死ぬ恐怖を握りしめながら息絶えた。
　肉体は朽ち、魂だけの存在となり、現世でもあの世でもない狭間で自身の命は終わるはずだったが、一向に終わらないことにいつしか疑問を持つようになる。

――俺を残す何かがある。

　転生した先の自分を危惧して、『ドラゴンスレイヤー』だけを残し、自分の魂に書かれた記憶をすべて削除して転生を開始した。

　900年後の現代日本、赤い瞳を持つ諸星海斗という1人の日本人が誕生する。
　それから１５年後、高校生となった彼は、友達を作ろうとせず、赤い瞳を隠して生活していた。そんなある日、彼の前に現れたのはまさかの異世界人！？
　常識の違いに翻弄されつつ、前世のジークが残した問題を解決するべく『ドラゴンスレイヤー』を手に彼は戦いへと身を投じるのであった。