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僕はただ、手紙を書いているだけです ~辺境の代筆屋が「紙の宰相」と呼ばれるまで~

作者:筆代
最新エピソード掲載日:2026/11/02
 村に本は三冊しかない。字を書けるのは、村長とたまに来る行商人だけ。
 だから、その開拓村から手紙が出たのは、三年間で初めてのことだった。

 書いたのは、ノエ。畑に出られない、十四歳の少年だった。
 森で拾った不思議な片眼鏡のおかげで、字が読める。村でただ一人の子ども。

 そんなノエのもとに、やがて村人達が手紙を頼みに来るようになる。
 ノエがすることは、いつも同じ。目の前に座った一人の話を、最後まで聞く。
 そして、その人の言葉のまま書く。飾らない。立派なことは書けない。

 ――ところが、その手紙が、なぜか届いてしまう。

 一人の商人の人生を変え、関所の税が下がり、侯爵がその場で判を押す。
 噂は勝手に膨らんでいく。一筆の賢者。筆聖。紙の宰相。

 王都から馬車が来て、藁屋根の小屋の前に列ができるころになっても、
 ノエは自分が何をしたのか、まだわかっていない。
 いつもどおり、目の前の一人のために書いていただけだから。

 ――宛先までは、考えました。その先までは、考えていませんでした。

 戦闘描写はありません。追放も、ざまぁもありません。
1話
2026/08/17 11:29
2話
2026/08/17 11:30
3話
2026/08/17 11:31
4話
2026/08/17 18:00
5話
2026/08/18 18:00
6話
2026/08/19 18:00
7話
2026/08/20 18:00 (改)
8話
2026/08/21 18:00 (改)
9話
2026/08/22 18:00
10話
2026/08/23 18:00
11話
2026/08/24 18:00
12話
2026/08/25 18:00
13話
2026/08/26 18:00
14話
2026/08/27 18:00
15話
2026/08/30 18:01
16話
2026/08/31 18:00
17話
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18話
2026/09/02 18:00
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2026/10/17 19:10
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47話
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48話
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49話
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51話
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52話
2026/11/02 19:00
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