世界の終わりに
最終エピソード掲載日:2026/08/09
「彗星ヴェルデは、十の月ののち、この星に衝突します」——ラジオがそう告げた日から、惑星イオルドの時間は残りわずかになった。
内陸の小さな町に暮らす十六歳のハルは、父の形見の古いカメラを持っている。隣の通りに住むミナは、亡き母が遺した手帳を持っている。ページに並ぶのは、母がついに行けなかった「いつか行きたい場所」のリスト。
終わる前の世界を記録したい少年と、母の代わりにすべての場所へ丸をつけたい少女。二人は汽車に乗り、旅に出る。
魚が消えた海に、それでも毎朝船を出す老漁師のいる港町。終末特需に沸き、夜ごと火の祭りが続く眠らない街。収穫の日が来ないと知りながら、種を蒔く農夫のいる麦の村。法律が死に、腹を減らした子どもたちが盗みを「仕事」と呼ぶ灰色の工業都市。そして、世界の終わりを「信じない」ことを選んだ、時計の止まった街——。
夜空で少しずつ育っていく緑の星に見下ろされながら、それでも人々は今日を生きている。終わりゆく世界を巡る、静かで、あたたかい旅の物語。
内陸の小さな町に暮らす十六歳のハルは、父の形見の古いカメラを持っている。隣の通りに住むミナは、亡き母が遺した手帳を持っている。ページに並ぶのは、母がついに行けなかった「いつか行きたい場所」のリスト。
終わる前の世界を記録したい少年と、母の代わりにすべての場所へ丸をつけたい少女。二人は汽車に乗り、旅に出る。
魚が消えた海に、それでも毎朝船を出す老漁師のいる港町。終末特需に沸き、夜ごと火の祭りが続く眠らない街。収穫の日が来ないと知りながら、種を蒔く農夫のいる麦の村。法律が死に、腹を減らした子どもたちが盗みを「仕事」と呼ぶ灰色の工業都市。そして、世界の終わりを「信じない」ことを選んだ、時計の止まった街——。
夜空で少しずつ育っていく緑の星に見下ろされながら、それでも人々は今日を生きている。終わりゆく世界を巡る、静かで、あたたかい旅の物語。
プロローグ
出発の朝 ――終わりまで、あと十の月
2026/07/19 23:32
(改)
第一章 錆びた港町ソネル
誰もいない海に船を出す人
2026/07/20 00:07
(改)
銀色の一匹
2026/07/20 00:27
第二章 祝祭の街カルカ
手帳が消えた夜
2026/07/21 07:45
帰り道を照らす火
2026/07/21 07:47
第三章 麦の村トゥーレ
種を蒔く男
2026/07/21 18:02
宛先のない手紙
2026/07/21 18:06
第四章 灰色の街グレン
カメラを盗んだ少女
2026/07/21 18:12
パン屋一軒ぶんの正しさ
2026/07/21 18:14
第五章 時計の止まった街ロズナ
時計の止まった街
2026/07/21 18:33
鐘は「いま」を告げる
2026/07/21 19:14
第六章 劇場の街フェリス
嘘と本当のあいだで
2026/07/22 00:01
千秋楽の夜
2026/07/22 00:03
第七章 療養の街ソラ湯
終わりに慣れた街
2026/07/22 18:23
隣にいる、という長い返事
2026/07/22 18:25
第八章 峠の村スノウ峠
案内なくして峠を越えるな
2026/07/23 12:39
行けた
2026/07/23 12:41
第九章 ふたつの月の岬
窓
2026/07/24 12:51
ふたつの月
2026/07/24 12:53
第十章 天文台の街ラゼル
いつ、どこに
2026/07/25 13:13
これが、本当の数字です
2026/07/25 13:15
第十一章 島の町エイル島
ここで死にたい場所
2026/07/26 23:30
待つ時間は、無駄にならない
2026/07/26 23:32
第十二章 花嫁の街メリノ
分からない未来への誓い
2026/07/27 18:18
紙切れがなくても
2026/07/27 18:19
第十三章 郵便の街カリス
四十二年前の手紙
2026/07/28 17:59
言葉は、届いて初めて
2026/07/28 18:01
第十四章 放送の街エアリオ
灯台の声
2026/07/29 12:37
名乗らない優しさ
2026/07/29 12:38
第十五章 孤児院の街クレア
わたしを見つけてくれた場所
2026/07/30 17:54
期待していいと、自分に許す勇気
2026/07/30 17:56
第十六章 光る鍾乳洞の街ルミナ
地底の星空
2026/07/31 12:33
弔うことと、閉じこもること
2026/07/31 12:34
第十七章 難民の街ドーバ
疑いより先に
2026/08/01 19:20
知ろうとする勇気
2026/08/01 19:22
(改)
第十八章 彩り谷の街フロリス
花の命と、人の命と
2026/08/02 15:36
受け継ぐということ
2026/08/02 15:37
第十九章 保護区の街ノラ
独りぼっちになるのが怖い
2026/08/03 12:37
手放すことも、愛の形
2026/08/03 12:39
第二十章 大瀑布の街ロア
窮屈だった殻
2026/08/04 17:57
伝説と現実のあいだで
2026/08/04 17:59
第二十一章 中継の街アルド
二十五日
2026/08/05 12:49
麦の村へ
2026/08/05 12:50
第二十二章 オルガ平原、ふたたび
小僧か
2026/08/06 12:44
もうすぐ、地平線まで黄金に
2026/08/06 12:45
第二十三章 残された日々の話
二人だけのリスト
2026/08/07 07:36
明日だね
2026/08/07 07:38
第二十四章 麦の海が黄金になるところ
地平線まで、黄金に
2026/08/08 14:46
これは、通過点
2026/08/08 14:48
第二十五章 世界の終わりに
ハウデンへ
2026/08/09 11:16
世界の終わりに
2026/08/09 11:17