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東京グラヴィティ

作者:parupuntist
最終エピソード掲載日:2026/09/12
 触れたものが、潰れる。

 三年前、東京湾の埠頭で保護された少女・湊真白には、それより前の記憶がない。行方不明者届も、防犯カメラの記録も、どこにも残っていなかった。あるのはただ、周囲の「重さ」を狂わせる力だけ。

 走らない。怒らない。誰にも触れない。

 三つのルールを守り、息を殺すように生きてきた。たったひとりの友達にも、本当のことは言えないまま。

 梅雨のある夜、高架下で巨大な鋏を持つ男に襲われる。異能を「剪定」し、収穫して回る者たち。恐怖で暴走した力が橋脚をひしゃげさせ、数十トンの鉄骨が崩れ落ちた——その瞬間、落下が空中で止まった。

 雨に濡れないまま立つ、黒衣の女。

「ずいぶん下手に使うのね。——それは私のものよ」

 彼女は高圧的に命じる。人を傷つける力と、傷つけたくない優しさ。その両方を抱えて立て、と。

 なぜ彼女は、真白しか知らないはずの子守唄を口ずさむのか。なぜその背には、刃で丁寧に開かれた古い傷があるのか。

 東京の夜を舞台に、重力を狂わせる少女と、名を明かさない魔女の物語がはじまる。
第一章 潰れる夜
3 雨と、鋏の音
2026/09/12 09:59
4 逃げる
2026/09/12 10:02
5 蓋が外れる
2026/09/12 10:02
6 黒衣
2026/09/12 10:03
第二章 黒衣の魔女
4 剪定バサミ
2026/09/12 10:25
5 白い背中
2026/09/12 10:27
6 一度も
2026/09/12 10:28
第三章 切り出されたもの
1 生まれた場所
2026/09/12 10:28
2 湾岸線
2026/09/12 10:30
5 三年前の仕事
2026/09/12 10:34
6 私の一部
2026/09/12 10:34
第四章 勝手だ
1 うたえない
2026/09/12 10:34
2 人間ごっこ
2026/09/12 10:35
5 勝手だ
2026/09/12 10:40
第五章 打ち明ける
1 八月二日
2026/09/12 10:41
2 紺色の金魚
2026/09/12 10:43
3 それでも
2026/09/12 10:43
4 花火と、荷札
2026/09/12 10:43
6 心を貸して
2026/09/12 10:44
第六章 重さを与える手
2 剪定
2026/09/12 13:41
3 落ちる
2026/09/12 13:41
5 一本の枝
2026/09/12 13:41
6 三グラム
2026/09/12 13:42
第七章 この姿で逢うのは最後
1 夜が明ける
2026/09/12 13:56
2 四十七キロ
2026/09/12 13:57
3 お願いします
2026/09/12 13:57
4 五日
2026/09/12 13:57
6 埠頭
2026/09/12 13:57
終章 面影
2 覚えてる係
2026/09/12 14:18
3 造園業
2026/09/12 14:18
4 面影
2026/09/12 14:18
5 もうひとり
2026/09/12 14:19
6 二十四グラム
2026/09/12 14:19
7 三年生
2026/09/12 14:19
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