式部省の呪詛係
最新エピソード掲載日:2026/05/11
平安京。
中流貴族ながら才覚に恵まれ、若くして検非違使尉となった藤原真薫は、ある高官の不審死事件を担当する。遺体や現場を丹念に調べた真薫は、死因が呪詛ではなく毒殺であり、背後に貴族社会の権力争いがあることを突き止める。
しかし、上層部が求めていた結論は「呪詛による怪死」だった。真実は政治的に都合が悪すぎたのだ。
真薫は「空気が読めない」として疎まれ、検非違使庁を追われる。官位を大きく落とされ、式部省少録として怪異雑掌――通称「呪詛係」へと左遷される。
呪詛係の仕事は、怪異や呪詛を理由に事件を処理し、波風を立てない報告書を作ること。そこに真実は求められない。
それでも真薫は諦めなかった。表の報告書とは別に、事件の真相を記した裏帳簿を密かに作り、積み重ねていく。いつか、この記録が意味を持つ日が来ると信じて。
呪詛係で真薫が組まされることになったのは、陰陽寮の異端児・安倍定明。
政治的な「呪詛」の認定には興味を示さず、本物の怪異や怨霊の存在を誰よりも重く見る陰陽師だ。陰陽寮が「呪詛ではない」としたい案件でも、「確かに怨霊はいる」と口にしてしまうため、厄介者扱いされている。
理で怪異を否定しようとする真薫と、理屈よりも現場の異変を信じる定明。
考え方は正反対だが、二人は次第に気付いていく。
都で起きる怪異の多くは、人の恐れと欲が生み出した偽物だが――中には、決して見過ごしてはならない「本物」が紛れていることを。
呪詛と政治、真実と都合の狭間で、真薫は問い続ける。
正しさは、いつ報われるのか。
そして、真実を知ることは、誰のためであるのかを。
中流貴族ながら才覚に恵まれ、若くして検非違使尉となった藤原真薫は、ある高官の不審死事件を担当する。遺体や現場を丹念に調べた真薫は、死因が呪詛ではなく毒殺であり、背後に貴族社会の権力争いがあることを突き止める。
しかし、上層部が求めていた結論は「呪詛による怪死」だった。真実は政治的に都合が悪すぎたのだ。
真薫は「空気が読めない」として疎まれ、検非違使庁を追われる。官位を大きく落とされ、式部省少録として怪異雑掌――通称「呪詛係」へと左遷される。
呪詛係の仕事は、怪異や呪詛を理由に事件を処理し、波風を立てない報告書を作ること。そこに真実は求められない。
それでも真薫は諦めなかった。表の報告書とは別に、事件の真相を記した裏帳簿を密かに作り、積み重ねていく。いつか、この記録が意味を持つ日が来ると信じて。
呪詛係で真薫が組まされることになったのは、陰陽寮の異端児・安倍定明。
政治的な「呪詛」の認定には興味を示さず、本物の怪異や怨霊の存在を誰よりも重く見る陰陽師だ。陰陽寮が「呪詛ではない」としたい案件でも、「確かに怨霊はいる」と口にしてしまうため、厄介者扱いされている。
理で怪異を否定しようとする真薫と、理屈よりも現場の異変を信じる定明。
考え方は正反対だが、二人は次第に気付いていく。
都で起きる怪異の多くは、人の恐れと欲が生み出した偽物だが――中には、決して見過ごしてはならない「本物」が紛れていることを。
呪詛と政治、真実と都合の狭間で、真薫は問い続ける。
正しさは、いつ報われるのか。
そして、真実を知ることは、誰のためであるのかを。
序章
真実の代償 前編
2026/02/03 17:00
(改)
真実の代償 後編
2026/02/03 17:00
(改)
第一章 怨霊の宴
一 呪詛係、初出仕
2026/02/04 17:00
二 白衣の影
2026/02/05 17:00
(改)
三 物の怪なき屋敷
2026/02/06 17:00
四 井戸の毒
2026/02/07 17:00
五 学問の刃
2026/02/08 17:00
六 父と子
2026/02/09 17:00
七 裏帳簿
2026/02/10 17:00
第二章 陰陽寮の闇
一 塗籠の死
2026/02/11 17:00
二 呪詛返し
2026/02/12 17:00
三 北野の密談
2026/02/13 17:00
四 怨霊の名
2026/02/14 17:00
五 人形代
2026/02/15 17:00
六 見てはならぬもの
2026/02/16 17:00
第三章 偽りの呪詛
一 作られた怪異
2026/02/17 17:00
二 旧友
2026/02/18 17:00
三 呪詛にあらず
2026/02/19 17:00
四 月下の逢瀬
2026/02/20 17:00
五 書かされる嘘
2026/02/21 17:00
六 探される記録
2026/02/22 17:00
第四章 届かぬ手
一 それは病死とされた
2026/02/23 17:00
二 触れてはならぬもの
2026/02/24 17:00
三 父と息子と
2026/02/25 17:00
四 誰も隣に座らない
2026/02/26 17:00
五 願いと選択
2026/02/27 17:00
六 兄の願い
2026/02/28 17:00
七 託すという抵抗
2026/03/01 17:00
第五章 束の間の日常
一 呪詛騒ぎの季節
2026/03/02 17:00
二 取るに足らぬ怪異
2026/03/03 17:00
三 忙殺される日々
2026/03/04 17:00
四 多忙という救い
2026/03/06 17:10
五 それが君のためだ
2026/03/07 17:00
六 手のひらの上
2026/03/08 17:00
七 偽りの平穏
2026/03/09 17:00
第六章 過去からの谺
一 雨の訪問者
2026/03/10 17:00
二 些事ばかりの日
2026/03/11 17:00
三 文殿の名
2026/03/12 17:00
四 十七年前の雨
2026/03/13 17:00
五 裏帳簿
2026/03/14 17:00
六 三角形
2026/03/15 17:00
七 会えぬ約束
2026/03/16 17:00
八 中宮の選択
2026/03/17 17:00
九 記録は続く
2026/03/18 17:00
第七章 見えぬ糸
一 些事の夏
2026/03/19 17:00
二 左大臣家の不穏
2026/03/20 17:00
三 粗雑な呪詛
2026/03/21 17:00
四 兄の忠告
2026/03/22 17:00
五 伏せられた真実
2026/03/23 17:00
六 中宮の涙
2026/03/24 17:00
七 父子の不調和
2026/03/25 17:00
八 後始末
2026/03/26 17:00
九 犠牲の名
2026/03/27 17:00
十 八つ目の裏帳簿
2026/03/28 17:00
第八章 御門の内
一 忍ぶ月
2026/03/29 17:00
二 錦の道行
2026/03/30 17:00
三 弘徽殿の約束
2026/03/31 17:00
四 疑いの檻
2026/04/01 17:00
五 閉ざされた廊
2026/04/02 17:00
六 策の中枢
2026/04/03 17:00
七 兆しの胎動
2026/04/04 17:00
八 麗景殿の孤独
2026/04/05 17:00
九 記される内裏
2026/04/06 17:00
第九章 絡まる糸
一 冬の兆し
2026/04/07 17:00
二 戻らぬ記憶
2026/04/08 17:00
三 紅葉一片
2026/04/09 17:00
四 眠れぬ夜
2026/04/10 17:00
五 善意の刃
2026/04/11 17:00
六 計算通り
2026/04/12 17:00
七 中宮、動く
2026/04/13 17:00
八 寄り添う者
2026/04/14 17:00
九 共に行く
2026/04/15 17:00
十 三人の夜
2026/04/16 17:00
(改)
十一 記録する者
2026/04/17 17:00
第十章 誤差
一 冬の底
2026/04/18 17:00
二 恐怖の残滓
2026/04/19 17:00
三 道顕の満足
2026/04/20 17:00
四 文のやりとり
2026/04/21 17:00
五 顕子の不安
2026/04/22 17:00
六 兼遠の分析
2026/04/23 17:00
七 定明の気付き
2026/04/24 17:00
八 記録する者
2026/04/25 17:00
第十一章 春の訪れ
一 新しい年
2026/04/26 17:00
二 萩野、参内す
2026/04/27 17:00
三 顕子の不安
2026/04/28 17:00
四 道顕の焦燥
2026/04/29 17:00
五 真薫と兼遠
2026/04/30 17:00
六 定明の覚悟
2026/05/01 17:00
七 真薫の葛藤
2026/05/02 17:00
八 顕実との対話
2026/05/03 17:00
九 記録する者
2026/05/04 17:00
第十二章 終わりの始まり
一 時の流れ
2026/05/05 17:00
二 里下がり
2026/05/06 17:00
三 産屋
2026/05/07 17:00
四 中宮不在の宮中
2026/05/08 17:00
五 誤報
2026/05/09 17:00
六 道顕の妄信
2026/05/10 17:00
七 長い夜
2026/05/11 17:00