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式部省の呪詛係  作者: 浮田小葉子
第十章 誤差
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七 定明の気付き

 真薫は、定明と合流した。

 式部省から朱雀門へと歩きながら、会話する。


「定明殿」


「何でしょうか」


「あなたは、呪詛の本質を見抜きました」

 真薫は、定明を見た。

「それは、すごいことです」


「いやあ……」

 定明は、首を振った。

「僕は、ただ見たままを言っただけです」


「呪詛は恐ろしいが、道具に過ぎない。本当に恐ろしいのは、人の心に植え付けられた恐怖だと、あなたは言った」


「はい。その通りです」


 定明は、真薫を見た。


 定明は、かつて自分も恐怖に縛られていたことを思い出していた。

 だからこそ、萩野の眠りが他人事ではなかった。


「真薫殿、私は思います。呪詛を調べることも大切です。僕たち陰陽師の本分です。――ですが、人の心を理解することの方が、もっと大切だと……僕は思う」


 真薫は、頷いた。


「その通りです」


「だから……」


 定明は、微笑んだ。


「僕は、これからも人の心に寄り添いたいと願っています。無論のこと、本分である呪詛を解くことを(おろそ)かにはしません。ですが、恐怖から人を救うことも大切だと」


 真薫は、定明の成長を感じた。


(定明殿は、変わった)

(光保殿と保規殿の死を乗り越えて)

(強くなった)


 真薫は、微笑んだ。


「定明殿。これからも一緒に、頑張りましょう」


「はい」


 定明は、力強く頷いた。



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