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式部省の呪詛係  作者: 浮田小葉子
第九章 絡まる糸
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五 善意の刃

 源基隆(みなもとのもとたか)邸。


 女房から、基隆に火急の報せが届いた。


「潔子様が、帝に会いたくないと仰っているようです」


 基隆は、驚愕した。

 あまりの驚きに、基隆は持っていた書簡を取り落とした。


「何、だと?」


「体調が悪いと仰って、(ふすま)を被って出てこないそうです」


 基隆は、頭を抱えた。


「まずい……。これは、まずい」


 基隆は、慌てて側近たちに召集をかけた。


「潔子が、帝を拒んだ」


 側近たちは、皆一様に青ざめた。


「それは……」


「帝の御威光が……地に落ちてしまうではないか」


 基隆は、苦しそうに言った。


「そして、我々も……」


「どうなさいますか」


「潔子を、説得するしかない」


 基隆は、立ち上がった。


「しかし、我々が会いに行っても、潔子は会わないだろう。

 ――誰も信じるなと、私が言ったのだから……」


 基隆は、そこでようやく、自分の失策に気づいた。


「私が……」


 基隆の声が、震えた。


「私が、潔子を追い詰めたのか……」


 側近たちは、何も言えなかった。



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