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式部省の呪詛係  作者: 浮田小葉子
第八章 御門の内
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八 麗景殿の孤独

 麗景殿。


 潔子は、一人座っていた。

 入内してから、数日が経った。


 華やかな儀式だった。


 帝は、穏やかに微笑んでくれた。

 中宮も、温かく迎えてくれた。


 しかし……。


 潔子はそっと溜息をこぼす。


 孤独だった。

 誰も近付けさせないよう、左大臣家が睨みを利かせている。


 左大臣派の者たちは、「誰も信じるな」と言う。

 中宮が優しかったことも、罠だと言われた。


(本当に、罠なのだろうか)


 潔子には、わからなかった。


(中宮様は、本当に優しかった。温かかった)

(あの言葉は、嘘ではないと思う)

(しかし……)


 潔子は、混乱していた。


 誰を信じればいいのか。

 誰が味方なのか。


 わからなかった。


「萩野……」


 潔子は、呟いた。


「お前がいてくれれば……」

 潔子は、涙を流した。

「私は、一人ではないのに……」


(でも、今は、一人きり……)


 潔子は、(しとね)崩折(くずお)れるように横たわった。


 天井を見つめた。


 涙に潤んだ眼には、何も見えなかった。


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