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式部省の呪詛係  作者: 浮田小葉子
第九章 絡まる糸
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九 共に行く

 しばらくして、潔子が落ち着くと、顕子は言った。


「潔子様」

「はい」


主上(おかみ)は、優しい方よ」

 顕子は、潔子の手を握った。

「恐れることはない」


「でも……」


 潔子は、震えた。


「怖いのです……。誰が味方で、誰が敵なのか、私にはわからない」


「その気持ちも、わかるわ。私もそうだったから」


 顕子は、頷いた。


「だから」

 顕子は、優しく微笑んだ。

「私が、一緒に行く」


 潔子は、驚いた。


「え……?」


「主上にお会いするとき、私もその場に同席する」


 顕子は、潔子の手を握りしめた。


「そうすれば、安心でしょう?」


「本当に、よろしいのですか?」


 潔子は、涙を浮かべた。


「もちろん」


 顕子は、優しく言った。


「一緒に、行きましょう。私が、そばにいる。――だから、大丈夫」


 潔子は、頷いた。


「わかりました」


 潔子は、涙を拭った。


「主上に、お会いします。中宮様が、ご一緒にいてくださるなら――私、頑張れます」


 顕子は、柔らかく目を細めた。

 安心した表情だった。


「よかった」


 二人は、手を取り合った。

 確かな友情が、そこにはあった。


 次子は、その様子を見て、涙を流した。


(中宮様は、本当にお優しい方だ)


 次子は、思った。


(そして、潔子様も、強い方だ)



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