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式部省の呪詛係  作者: 浮田小葉子
第十二章 終わりの始まり
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五 誤報

 それから数日。

 宮中に奇妙な噂が流れ始めた。


麗景殿女御れいけいでんのにょうごが、懐妊したそうだ」


 誰が言い始めたのかは、わからない。

 女房たちの間で、いつの間にか囁かれ始めた。


「本当ですか?」

「わかりませんが、そういう噂が……」

「だって、主上が毎日のように麗景殿を訪れておられる」

「中宮様が里下がりしている間に……」


 噂は、瞬く間に広がった。


 殿上人(てんじょうびと)たちの間にも。

 他の貴族たちの間にも。


 しかし、誤報だった。


 完全な、誤報だった。


 誰かの勘違いか。

 あるいは、悪意ある噂か。


 真相はわからない。



 麗景殿。


 萩野(はぎの)が、潔子に報告した。


「潔子様、奇妙な噂が流れております」

「噂?」


 潔子は、顔を上げた。


「女御様が、懐妊なさったという……」


 潔子は、驚いた。


「私が、懐妊?」

「はい」


 萩野は、困惑した表情で頷いた。


「そんな……」


 潔子は、首を振った。


「私、懐妊などしていません」

「存じております」


 萩野は、頷いた。


「誤報でございます」

「しかし、どうして、そのような……」


 潔子は、不安になった。


(誰が、そのような噂を……)

(なぜ……)


 萩野も、不安そうだった。


「わかりません」

「しかし、この噂は……」


 潔子は、言葉を濁した。


 不吉な予感がした。

 何か、良くないことが起きる。


 潔子は、そう感じていた。


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