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セキュリティエンジニア、異世界の古代遺跡をデバッグする〜ハズレスキルで防衛結界の脆弱性を塞いでいたら、最強の要塞都市になりました〜

作者:くれは
最終エピソード掲載日:2026/10/04
何も起こらないようにするのが、仕事だった。二十八歳のセキュリティエンジニア・相楽修が異世界で授かったのは、鑑定士に「ハズレですね」と言われた<デバッグ>スキル。
攻撃もできない。回復もできない。できるのは、なぜ正常に動かないのかを見つけて、直すことだけ。そのスキルが役に立ったのは、五百年のあいだ誰も入れなかった古代遺跡だった。

灯りを点ける。水を通す。止まっていた部屋の温度を戻す。五百年ぶんの埃を払いながら、修はふと思った。
(……これ、住めるんじゃないか?)

住むところがないから、遺跡に住む。
直せるものがあれば直す。
それだけだったはずなのに、守備隊のフィーネには世話を焼かれ、魔道具技術者のリタには工房ごと押しかけられ、施設管理端末のニコには「規定です」と止められる。
気がつけば、人が増えていた。

人が増えれば、水が足りなくなる。灯りが消えれば、夜は暮らせない。冬に暖房を止めれば、それは不便ではなく危険になる。
住む人が増えるほど、不具合も増えていく。
やることは、元の世界と変わらない。現状を見て、原因を辿って、二度目が起きない形にする。

直し方は分かる。知らないのは、この世界のやり方だ。
修は街の教会へ、点検のやり方を教わりに行く。

教会が五百年、神聖な祈りとして守り続けてきた儀式。
その正体は、理由を忘れられたまま残った、結界の運用手順だった。
そして司祭コンラートとは、なぜか酒を飲む仲になる。

不具合を直せば、暮らしが変わる。
仕組みを直せば、街が変わる。
ただ、住める場所が欲しかっただけなのに。

異世界の古代遺跡をデバッグしながら、人の暮らしを作っていく――お仕事×拠点開拓ファンタジー。

「不具合を直しただけです」
22:住民登録
2026/09/21 07:10
37:型だろ
2026/09/28 20:10
38:これ、鍵です
2026/09/29 07:10
43:いつもと違う
2026/10/01 20:10
50:三回目だ
2026/10/04 20:10
51:ニコです
2026/10/04 20:20
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