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『俺は本が読みたいだけ!! 〜恋愛小説を読んでいたいだけなのに、どうして俺がラブコメしてるんだ!?〜』

作者:伊佐波瑞樹
最新エピソード掲載日:2026/10/26
俺は、ただ本が読みたいだけだった。

それも、剣と魔法の大冒険でも、血沸き肉躍るバトルものでもない。

静かな場所で、誰にも邪魔されず、大好きな恋愛小説を読みたい。

――本当に、それだけだったはずなのに。

恋愛小説をこよなく愛する主人公は、今日も物語の中の恋に浸るため、本を開く。

すれ違う二人。
なかなか想いを伝えられないヒロイン。
鈍感な主人公。
少しずつ縮まっていく距離。

そんな恋愛模様を本の外から眺めることこそ、彼にとって最高の時間だった。

自分が恋愛する必要なんてない。
むしろ、面倒だから絶対にしたくない。

ところが――現実は、彼を放っておいてくれなかった。

なぜか距離を縮めてくる女の子。
本人だけが気づかない好意。
周囲から見ればどう考えてもラブコメなのに、当の本人は恋愛小説を読むことしか頭にない。

「いや、俺は本が読みたいだけなんだけど!?」

恋愛小説なら誰よりも読んできた。

物語の中なら、誰と誰がくっつくのかだって予想できる。

それなのに――自分へ向けられた恋心だけは、まるで分からない。

これは、恋愛小説を読む側でいたかった少年が、気づけば自分自身のラブコメを始めてしまっていた物語。

本人の望みはただ一つ。

今日こそ静かに、本を読ませてください。
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