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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

光よ、満ちろ

最終エピソード掲載日:2026/07/19
 勇者は、英雄ではなかった。
 魔王に喰わせるための器だった。
 魔王の核を内側から焼くために作られた、人類の希望という名の毒だった。

 六月初旬の朝。高校生の僕は、通学中のバスで同じクラスの川上あやが助けを求めていることに気づいた。

 けれど、怖くて動けなかった。

 見ないふりをした翌朝、僕は同じバスに乗ることすらできず、学校からも逃げた。雨の神社で命を落としかけた僕の前に現れたのは、白衣の女アニエスだった。

「ようこそ、勇者リュシアン」

 目を覚ました僕は、魔王と魔物に脅かされる異世界で、人類の希望と呼ばれる不滅の勇者リュシアンの身体に魂を移されていた。

 だが、勇者リュシアンは魔王を倒す英雄ではない。

 光の精霊で作られた身体。
 何度壊れても戻る器。
 魔王に喰われることで、核を内側から焼くための存在。

 剣も、外套も、勇者という名も、すべては器を魔王の前まで運ぶためのものだった。

 戦う力もない。
 勇気もない。
 死にたくない。

 それでも僕は、光の院で出会った病の少年フィルと、その姉カテリーナの姿を通して知っていく。

 強いから立てるのではない。
 怖いままでも、誰かの前に立つことはできる。

 これは、現代日本で逃げた少年が、異世界で勇者の器にされ、やがて自分の意思で光を灯すまでの物語。
第4話 勇者の器
2026/06/05 20:30
第9話 光の院
2026/06/10 20:30
第11話 エルフの賢者
2026/06/12 20:30
第13話 消える光
2026/06/14 20:30
第14話 東門の祈り
2026/06/15 20:30
第16話 集え
2026/06/17 20:30
第17話 蛇の目
2026/06/18 20:30
第21話 七日
2026/06/22 20:30
第26話 ナイトメア症
2026/06/27 20:30
第27話 壁の上
2026/06/28 20:30
第28話 賢者の力
2026/06/29 20:30
第30話 嫌です
2026/07/01 20:30
第31話 光の刃
2026/07/02 20:30
第34話 大蛇の魔王
2026/07/05 20:30
第36話 人だったころ
2026/07/07 20:30
第40話 逃げた勇者
2026/07/11 20:30
第41話 カテリーナの背中
2026/07/12 20:30
第42話 光よ
2026/07/13 20:30
第44話 グレモルトの核
2026/07/15 20:30
第46話 僕の光
2026/07/17 20:30
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