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ADABI — 徒火 —

作者:ありをりはべりいまそかり
最新エピソード掲載日:2026/08/14
戦が嫌いだった。

武士に憧れたこともない。
名を上げたいと思ったこともない。
ただ、家族とともに、山あいの村で静かに暮らせればよかった。

燧国の山村に暮らす少年・火守迅。
彼の日常は、城から届いた一つの命によって崩れ始める。

徴兵。
兵糧の供出。
東から迫る荒砥国の影。
そして、夜の山向こうに燃え上がる隣村の炎。

古い槍を握らされた迅が最初に覚えたのは、敵を討つことではなかった。
逃げる民を導くこと。
荷駄を詰まらせないこと。
見たものを持ち帰ること。
そして、守りたい者がいるほど、戦から逃げられなくなるということだった。

戦場には、名のある武将だけがいるわけではない。

米を運ぶ者。
道を示す者。
逃げる子を背負う者。
従わされて敵となる者。
誰にも知られず、それでも誰かを守ろうとする者たちがいる。

これは、守るために戦い、
戦うことで成り上がり、
成り上がることで守れるものを増やしていく物語。

やがて少年は知る。

家族を守るには、村を守らねばならない。
村を守るには、国を守らねばならない。
国を守るには――乱世そのものを終わらせなければならない。

名もなき者たちが灯した小さな火は、
いつか天下を焼き替える炎となる。

名もなき者たちの乱世譚、ここに開幕。

【更新について】
*この物語は、長期連載作品です。
*第25話までは、なるべく早く随時更新を予定しています。
*第26話以降は、毎週月・水・金21時の更新を目指します。
*章の区切りや重要回の前後では更新間隔を調整する場合があります。
*リアクションや評価をしてくださると大変励みになりますので、よろしくお願いいたします。
【第1話】広がる炎
2026/06/29 21:56
『第1話あとがきメモ』
2026/06/29 23:19
【第2話】灰ヶ峰へ
2026/06/30 03:03
【第3話】眠らない灰ヶ峰
2026/06/30 03:03
【第4話】見た者の役目
2026/07/01 20:14
【第5話】従わされた者
2026/07/01 22:00
『第5話あとがきメモ』
2026/07/01 23:00
【第6話】道を示す声
2026/07/02 09:00
【第7話】場所の意味
2026/07/02 12:00
【第9話】追わぬ足
2026/07/02 18:00
【第10話】空俵の列
2026/07/02 21:00
『第10話あとがきメモ』
2026/07/02 23:00
【第11話】小石の知らせ
2026/07/03 09:00
【第12話】一俵の重さ
2026/07/03 12:00
【第13話】一椀の温み
2026/07/03 15:00
【第14話】寺へ向かう者たち
2026/07/03 18:00
【第15話】奪われた椀
2026/07/03 21:00
【第16話】炭焼き道
2026/07/04 09:00
【第17話】鳴らぬ音
2026/07/04 12:00
【第18話】撃たぬ者
2026/07/04 15:00
【第19話】崩れる道
2026/07/04 18:00
【第20話】消えぬ火
2026/07/04 21:00
『第20話あとがきメモ』
2026/07/04 23:00
【第21話】灰ヶ峰の大評定
2026/07/05 09:00
【第22話】帳面に載らぬ手
2026/07/05 12:00
【第23話】石を並べる村
2026/07/05 15:00
【第24話】撃つ前に見る者
2026/07/05 18:00
【第25話】火定め
2026/07/05 21:00
『第30話あとがきメモ』
2026/07/15 23:00
【第43話】西の紙
2026/08/14 21:00
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