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メタルブレーカーズ

作者:源三郎
最新エピソード掲載日:2026/06/07
D.C.2000年。房総半島沖の空に、巨大飛翔体が現れた。

都市を焼かず、海を割らず、言葉も投げかけない。ただ白く進む。だがその周囲で、通信、レーダー、誘導兵器、航空機が次々と沈黙していった。

電子が死ぬ戦場で、人類は文明の脆さを知る。

世界合同迎撃作戦「ユニオンランス」は失敗した。ミサイルは目を失い、戦闘機は翼を奪われ、核すら起爆しなかった。

絶望の中、防衛庁地下の極秘計画「華計画」が動き出す。電子が死ぬ場所で動く、アナログ二足歩行重機群だ。

陸を踏みしめる「連華」。空で人間の脳を翼に変える「月華」。宇宙から落ちる、脚のない黒い機体「烈火」。

連華班の加藤、奥山、伊藤は、鉄と油圧と歯車の機体で干渉圏へ歩き出す。暴走と喪失を背負う加藤。恐怖を正直に口にする奥山。空で失ったものを抱える伊藤。

撃破できない。触れることすらできない。それでも動き、記録を持ち帰り、生きて戻る。

怖いから帰ろうとする。帰り方を先に決めておく。戻る足を作る。帰る場所を照らす灯台を灯す。——四つの言葉が、彼らを地上へつなぐ。

だが小さな希望は、世界の疑心を呼ぶ。なぜ日本だけが動ける機体を持っていたのか。華計画の技術は誰のものなのか。国家は揺らぎ、同盟は崩れ、恐怖は暴力となって人類自身を壊していく。

やがて華計画は禁忌の月華、帰還を前提としない烈火までを投入する。月華に乗る雨宮澪は「灯台」という記憶で自分を空へつなぎ、二足歩行重機の生みの親・荻野博士は戻る足を作った手で最終手順へ向かう。

飛翔体は一度退けられ、しかし戻ってくる。より速く。まるで攻撃しているのではなく、どこかへ帰ろうとしているかのように。

撃退する方法はある。だがそれは、誰かの帰還不能を前提にした選択だった。

三つの華が咲くとき、人類は白い沈黙の向こうに、本当の戦後を見る。

そして宇宙の暗がりから、黒い信号が届く。
第1章 白いもの
2026/06/02 10:39
第2章 電子の沈黙
2026/06/02 10:39
第3章 ユニオンランス
2026/06/02 10:39
第4章 地下の華
2026/06/02 10:39
第5章 連華起動
2026/06/02 10:40
第6章 破壊不能
2026/06/02 12:56
第7章 特防群
2026/06/02 13:14
第8章 臆病者の奥山
2026/06/02 13:35
第9章 空を捨てた男
2026/06/02 13:55
第10章 月華
2026/06/02 14:19
第11章 烈火
2026/06/02 14:45
第14章 再帰還
2026/06/02 16:41
第15章 疑心
2026/06/02 16:59
第16章 防衛線
2026/06/02 17:37
第17章 鉄の手
2026/06/02 17:49
第18章 奥山、壊れる
2026/06/02 17:57
第19章 沈む国
2026/06/02 18:04
第20章 大破
2026/06/02 23:32
第21章 白い帰還
2026/06/02 23:45
第22章 灯台の記憶
2026/06/03 00:21
第23章 月華起動
2026/06/03 00:30
第24章 荻野仮説の手
2026/06/03 00:30
第25章 伊藤、飛ぶ
2026/06/03 00:52
第26章 加藤の暴走
2026/06/03 01:01
第27章 触れる
2026/06/07 19:27
第28章 落ちる者、歩く者
2026/06/07 19:45
第29章 華の敗戦
2026/06/07 19:46
第30章 怖いまま残る
2026/06/07 19:47
第31章 黒い信号
2026/06/07 19:48
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メタルブレーカーズ
全5部・全26章構成の長編SFロボット群像劇。
破壊不能の白い飛翔体に、連華・月華・烈火、そして人間たちが抗う物語です。

作品目次はこちら

第1部「世界が砕ける日」
第2部「華計画」
第3部「人類自滅」
第4部「狂気の翼」
第5部「果てなき戦いの幕開け」

+注意+

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