表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メタルブレーカーズ  作者: 源三郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/31

第21章 白い帰還

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 第4部 狂気の翼(第21話〜第26話)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


第3部の終わりで、連華は大破し、月華は空へ消え、烈火は宇宙で沈黙に近い状態になりました。

人類最後の切り札がすべて傷ついた後、それでも白い飛翔体は日本上空へ戻ってきます。


今回は、大きな反撃の章ではありません。

壊れた機体、傷ついた人間、崩れかけた国、避難所の小さな日常。

その全部が、もう一度空を見上げる章です。


 連華三機。全壊。


 帰還という言葉には、温度がある。


 灯りのついた家。


 湯気の立つ食卓。


 待っていた人の声。


 濡れた靴を脱ぐ玄関。


 戻ってきた者を迎える手。


 人間は、そういうものを帰還と呼んできた。


 だが、白い飛翔体には、それがない。


 誰も待っていない。


 迎える手もない。


 それでも戻ってくる。何度でも。


 沈黙のまま、空だけを白くして。



 防衛庁地下第七区画では、朝と夜の区別がなくなっていた。


 時計はある。


 壁にも、通信卓にも、医療区画にも、格納庫の整備台にもある。


 だが、時計は時間を示すだけだ。


 人間がいつ眠り、いつ食べ、いつ悲しむべきかまでは教えてくれない。


 地下第七区画の人間たちは、眠る順番を失っていた。


 食事は配給番号で呼ばれた。


 仮眠はベッドではなく、空いている椅子や工具箱の上で取られた。


 誰かが泣いていても、泣いている間だけ作業を止める余裕はなかった。


 泣きながら締めるボルトがある。


 涙を拭かずに読む損傷報告。


 嗚咽の途切れを待って応答する通信回線。


 国が沈む時、涙は止まらない。


 それでも仕事は止まらない。涙も止まらないが、手は動く。



 連華一号機は、格納庫中央の搬送架台に固定されていた。


 胸部装甲は剥がされ、操縦殻の外殻が露出している。


 片側だけ残った光学器は取り外され、整備卓の上で黒い布をかけられていた。


 右肩の欠損部には仮支持フレームが入れられたが、腕を戻すためではない。


 機体を寝かせたままでは内部点検ができないから、形だけ人間に近づけているだけだった。


 直すためではない。


 壊れ方を記録するだけの、寝台のような固定だった。


 二号機は左脚を失い、腰部フレームを巨大な支柱で吊られていた。


 奥山凪三尉が港で壁にした右腕には、避難民の血と煤が残っていた。


 整備班は洗浄を後回しにした。


 血を残したいからではない。


 洗浄剤が足りないからだ。


 三号機は右腕を失い、背部ユニットを外されていた。


 伊藤二尉の高機動ブーストユニットは、もう部品とは呼べなかった。


 ねじれた噴射筒。


 裂けた燃料配管。


 焼けた姿勢制御リンク。


 空へ行くためのものは、地上で死んでいた。


 榊原洋介技官は、三機の前に立っていた。


 手には損傷一覧がある。


 紙だ。


 厚く、重く、めくるたびに指へ黒い粉がつく。


 電子管理端末は使えないわけではない。


 ただ、飛翔体の干渉が強まるたびに記録が欠ける。


 欠けた記録は、人間の命を欠けさせる。


 だから、第七区画ではまた紙が増えていた。


 紙、フィルム、記録ドラム、手書きの線。


 人間が信じられる技術は、少しずつ昔へ戻っていく。


「一号機、主フレーム歪曲。操縦殻支持部、再使用不可。右腕系統全損。左腕砲制御、反動機構破断」


 榊原は読み上げた。


 声は平坦だった。


 平坦にしなければ、読み終えられない。


「二号機、左脚全損。腰部リング損傷。右腕外殻損耗。操縦殻温調不安定。B-MAX遮断系、部分溶断」


 整備員の一人が、目を伏せた。


 B-MAX遮断系。


 それは、機体を強くするための部品ではない。


 人間が壊れる前に止めるための部品だ。


 その部品が焼けている。


 榊原は続けた。


「三号機、右腕全損。右肩主関節破砕。背部高機動ユニット完全喪失。姿勢補助制御、再構築必要。飛行補助運用、当面不能」


「当面、か」


 黒崎司令が言った。


 榊原は紙から目を上げた。


 黒崎の顔は、以前より痩せて見えた。


 目の下に影がある。


 髭も剃り残している。


 司令官は、清潔でいなければならない。


 その規則を守る余裕すら、国から剥がれ始めている。


「当面です」


「どれくらいだ」


「条件によります」


「条件を並べろ」


 榊原は、少し黙った。


 条件なら、いくらでもある。


 予備フレーム。


 熟練整備員。


 油圧作動液。


 機械式リンク部材。


 装甲板。


 燃料。


 輸送路。


 眠っていない人間の睡眠。


 死んでいない人間の時間。


 それらがあれば、直せる。


 それらがなければ、直せない。


 だが榊原は、その全部を言わなかった。


「飛翔体が戻らなければ」


 黒崎は、目を閉じた。


 それは条件ではない。


 願望だ。



 同じ時刻、地上では雨が降っていた。


 六月の雨ではない。


 季節の匂いを失った雨だった。


 粉塵と油と、遠くで燃えた家屋の灰を含んだ、薄く黒い雨。


 臨時避難所になった旧市立第三中学校の体育館では、バケツが並んでいた。


 屋根の穴から水が落ちる。


 ぽつり。


 ぽつり。


 その音が、眠っている人間の呼吸に混じる。


 佐伯美央は、毛布の端を握って目を開けていた。


 眠れなかった。


 眠ると、空を見る夢を見た。


 空にぼんやり光るものが浮かぶ夢。


 朝顔のつるが空へ伸び、その先に何かが引っかかっている夢。


 お父さんが帰ってくる夢。


 帰ってくるのに、顔が見えない夢。


 夢から覚めると、体育館の天井がある。


 高い天井。


 剥がれた塗装。


 吊り下がった照明。


 その照明はもう点かない。


 美央は、隣の簡易寝台を見た。


 柏木亮三佐は眠っていなかった。


 父は目を閉じている。


 だが、眠っていないことを美央は知っている。


 眠っている時の父は、少しだけ口を開ける。


 今は、口を固く閉じている。


 右手が胸元で動いている。


 操縦桿を握るように。


 ない操縦桿を。


「お父さん」


 美央は小さく呼んだ。


 柏木は目を開けた。


「起きてたのか」


「うん」


「寒いか」


「ちょっと」


 柏木は自分の毛布を美央へ寄せようとした。


 美央は首を振った。


「お父さんが寒くなる」


「俺は平気だ」


「嘘」


 柏木は苦笑した。


 生還した航空自衛官。


 初期接近識別任務で電子を失い、機体を都市部から海へ逃がし、脱出後に救助された男。


 報道では、しばらく英雄と呼ばれていた。


 今は避難所で配給を待つ負傷者の一人にすぎない。


 左脚には固定具がある。


 耳は時々、音を拾わなくなる。


 夜になると、機体警告音が聞こえると言う。


 実際には鳴っていない。


 だが、彼の中では鳴っている。


 美央は、その音がどんなものか知らない。


 知らなくていいと言われた。


 でも、父の顔を見るたびに、少しだけ分かる気がした。


 音は、耳だけで聞くものではない。


 人間は、怖かった音を骨で覚える。


「朝顔」


 美央が言った。


 柏木は、少し遅れて頷いた。


「庭のか」


「もう、ないよね」


「分からない」


「家、燃えたって、お母さん言ってた」


「庭までは分からない」


「燃えてても、種は残る?」


 柏木は答えに詰まった。


 空では何度も即断した男が、娘の質問に答えられない。


 今の世界とは、そういう場所だった。


「残ることもある」


「ほんと?」


「土の中なら」


 美央は頷いた。


 信じたわけではない。ただ、信じられる場所を胸の中に作った。


 そうしなければ、眠れなかった。


 体育館の外で、誰かが叫んだ。


 最初は喧嘩だと思った。


 配給をめぐる争いは、もう珍しくない。


 だが、叫びの質が違った。


 怒りではない。


 驚き。


 恐怖。


 そして、見上げる者の声。


 柏木は身体を起こした。


 痛みに顔を歪める。


「美央、ここにいろ」


「やだ」


「美央」


「空でしょ」


 柏木は黙った。


 美央は父の手を握った。


 父の手は冷たかった。


 それでも握った。


「一緒に見る」


 柏木は、止められなかった。



 雨の中庭に、人が集まっていた。


 誰も傘を差していない。


 傘はもう貴重品だ。


 それでも、濡れることを気にしている人間はいなかった。


 全員、空を見ている。


 雲の切れ目はない。


 灰色の雲が低く垂れ込めている。


 その向こうに、白いものがあった。


 雲の上ではない。


 雲の中でもない。


 雲そのものが、内側から白くなっている。


 巨大な輪郭は見えない。


 音もない。


 ただ、雨粒が一瞬だけ細く伸びる。


 地上の街灯がちらつく。


 避難所の発電機が咳き込むように停止する。


 誰かのラジオが、ざあ、と砂を吐いた。


 柏木は、美央の手を握り返した。


 強く。


 強すぎて、美央は少し痛かった。


 でも言わなかった。


 父が空で何を見たのか。


 いま、少しだけ分かったからだ。


 攻撃してこない。


 火も吹かない。


 建物を壊さない。


 人を指ささない。


 それなのに、胸の奥から何かを抜き取られる。


 自分がどれだけ小さいかを、言葉より先に知らされる。


 泣き出す子どもがいた。


 祈り始める老人がいた。


 スマートフォンを掲げる若者がいた。


 画面は真っ暗だった。


 それでも掲げた。


 記録したかったのではない。


 何かをしていないと、立っていられなかった。


 美央は、空を見た。


 白い。


 あの朝、庭で見たものと同じ。


 でも、同じではない。


 あの時は、世界がまだ家の中にあった。


 今は、家が世界の外へ押し出されている。


「お父さん」


「何だ」


「帰ってきたの?」


 柏木は空を見上げたまま、答えた。


「あれは、帰る場所を知らない」


「じゃあ、どうして戻るの」


「分からない」


 柏木は、娘の前で分からないと言った。


 それが悔しかった。


 だが、嘘をつくよりましだった。


 美央は、雲の中の白を見つめた。


「じゃあ、こっちが帰る場所を覚えてないと」


 柏木は、美央を見た。


 娘は震えていた。


 恐怖と寒さで。


 それでも空から目を逸らしていない。


「朝顔、また植えよう」


 美央は言った。


「どこに」


「土があるところ」


「家じゃなくてもか」


「うん」


 柏木は、空を見た。


 白いものは沈黙している。


 娘は、その下で土の話をしている。


 それは勝利ではない。


 希望と呼ぶにも小さすぎる。


 だが、柏木はその小ささに救われた。


 人間は、大きすぎるものには勝てないかもしれない。


 それでも、小さなものを植えることはできる。



 地下第七区画では、すべての通信卓が同時にざらついた。


 白瀬凛三尉は、ヘッドセットを押さえた。


 右手で回線切替レバーを倒す。


 左手で紙の記録欄へ時刻を書く。


 電子時計は一瞬飛んだ。


 壁の機械式時計は動いている。


「十時四十二分。地上観測班より、東北南部、関東北縁、中部山岳、同時視認報告」


 通信員が叫ぶ。


「海保残存局、肉眼観測。房総沖上空、白色発光域」


「旧札幌管制、通信途絶前に高高度干渉増大を報告」


「在日海外艦隊、全周波数で警告を発信中。内容は不明。ノイズに埋もれています」


「民間避難所からも視認報告。数が多すぎます」


 黒崎司令は第二作戦室の中央に立っていた。


 長机の上には、日本列島の紙地図が広げられている。


 ピンで観測点が刺されていた。


 赤いピン。


 青いピン。


 黒いピン。


 赤は視認。


 青は干渉。


 黒は通信途絶。


 地図は、少しずつ黒くなっていく。


 榊原が観測紙を重ねる。


「飛翔体は日本上空の周回ルートへ再突入。高度は推定できません。速度も不確定。ただし、月の彼方から戻ってきた時より低い。以前より地表への干渉が強い」


「目的は」


 黒崎が訊いた。


 榊原は首を振った。


「目的という概念があるかも不明です」


「では、影響は」


「電子機器の広域不安定化。航空管制残存系統の停止。衛星通信の断続。沿岸部の発電網に再度障害。避難輸送はさらに難しくなります」


「攻撃は」


「確認されていません」


 攻撃していない。


 その言葉に、作戦室の誰も安堵しなかった。


 攻撃されていないのに、世界は壊れている。


 それが一番耐えがたい。


 攻撃してくれれば、敵と呼べる。


 敵なら、憎める。


 憎めば、人間は少し楽になる。


 だが白い飛翔体は、憎むための形を与えてくれない。


 ただ戻ってくる。


 人類の精神がどれだけ壊れたかを確かめるように。


 あるいは、何も確かめていないのかもしれない。


 それがさらに恐ろしい。


「統合本部は」


 黒崎が言った。


 白瀬は回線を切り替えた。


 ノイズ。


 断片。


 誰かの怒鳴り声。


 外国語。


 発電機の低い唸り。


 それらの奥から、日本語が途切れ途切れに入る。


『……首都機能……移転準備……第七区画は……華計画資料の保全を最優先……』


 黒崎の眉が動いた。


「避難民は」


 白瀬は送話レバーを押した。


『こちら第七区画。残存避難船団および関東北縁避難所への支援指示を確認したい。優先順位を送れ』


 返答は遅れた。


『……資料保全……月華関連施設……秘匿……国際監査への対応……』


「避難民は」


 黒崎がもう一度言った。


 白瀬は、同じ文を送った。


『民間人支援優先順位を送れ』


 ノイズ。


『……各自治体判断……第七区画は華計画の継続能力を保持せよ……』


 白瀬は、送話レバーから指を離した。


 作戦室に沈黙が落ちる。


 国は、まだ命令を出している。


 だが、その命令は人間へ届いていない。


 紙の上の国と、雨の中の人間が、別々のものになり始めている。


 黒崎は長机の地図を見た。


 三色のピンが、地図を覆い尽くしている。


 どのピンの下にも、人間がいる。


 中央の文書では、彼らはただの不確定要素にすぎなかった。


「司令」


 榊原が言った。


「月華関連施設への封鎖命令が出る可能性があります。第七区画にも監査団の再派遣が」


「監査団を入れる通路があるなら、避難民を入れろ」


 黒崎の声は低かった。


 榊原は黙った。


 黒崎は白瀬を見た。


「統合本部へ送れ」


「文面は」


「第七区画は、華計画資料を保全しつつ、周辺避難民の受け入れと残存輸送路の確保を実施する」


 白瀬は復唱しようとして、止まった。


 それは命令ではない。


 許可もない。


 第七区画が勝手にやるという宣言だ。


「司令」


「送れ」


「はい」


 白瀬は送った。


 文面は短い。


 だが、短い文が時々、人間の立つ場所を決める。



 医療区画では、加藤一尉が目を覚ましていた。


 目を覚ましていたというより、眠れなかった。


 痛みはある。


 痛み止めも効いている。


 効いているからこそ、痛みの形がぼやけて気持ち悪い。


 身体のどこが自分で、どこが包帯で、どこが記憶なのか分からなくなる。


 カーテンの向こうで、奥山が息をしている。


 浅い。


 時々、喉が詰まる。


 夢の中で何かを見ている。


 伊藤は反対側のベッドにいる。


 呼吸は規則的だ。


 だが、右肩が痛むたびにわずかに乱れる。


 加藤は天井を見た。


 白い。


 地下の天井も白い。


 空の白とは違う。


 塗料の白。


 蛍光灯の白。


 病院の白。


 人間が管理できる白。


 だが今は、その白さすら腹立たしかった。


「起きていますか」


 伊藤の声がした。


 加藤は目を動かさずに答えた。


「寝てる」


「嘘が雑です」


「お前もな」


 伊藤は少し黙った。


「戻りましたね」


 何が、とは言わなかった。


 言わなくても分かる。


 白い飛翔体。


 破壊できないもの。


 追い払っても戻るもの。


 国が沈み、人間が互いを撃ち、連華が大破しても、それでも空へ戻るもの。


「そうらしい」


 加藤は言った。


「隊長は、出ますか」


「機体がない」


「身体もありません」


「勝手に殺すな」


「医学的には、寝ているべきです」


「お前もだ」


「私は肩だけです」


「機体は腕がない」


「腕がなくても、空を見ることはできます」


 加藤は、ゆっくりと伊藤の方を見た。


 カーテン越しで顔は見えない。


 だが声は見える。


 伊藤の声には、空が混じっている。


 本人は認めない。


 連華を泥臭い機体だと言い続ける。


 空を捨てたような顔をする。


 だが、戻ってくる白いものを前にして、彼の声はもう地上だけにいない。


「月華を出す気か」


 加藤が訊いた。


「出さざるを得ないでしょう」


「月華は消えた」


「一号機は」


「他は凍結中だ」


「凍結は、解除するためにあります」


 加藤は息を吐いた。


 笑いではない。


 怒りでもない。


 疲れた呼吸だった。


「月華は人間を壊す」


「連華も壊します」


「種類が違う」


「はい」


 伊藤は認めた。


 簡単に認めたから、加藤は余計に嫌だった。


「月華は、乗った人間の恐怖を翼に変える。怒りも、憧れも、喪失も、全部です。制御できると言う者は嘘つきか、まだ壊れていないだけです」


「なら、なぜ出す」


「飛翔体が空にいるからです」


 単純な答えだった。


 単純だから、逃げ場がない。


 加藤は目を閉じた。


 荻野博士の声が、記憶の奥で笑う。


 強い足ではなく、戻ってくる足を作れ。


 怖がる者を乗せろ。


 帰りたいと思う者だけが、最後に足を残す。


 月華に足はない。


 あるのは翼だ。


 翼は、帰るためのものとは限らない。


 飛び去るためのものでもある。


「奥山」


 加藤が呼んだ。


 返事はなかった。


 眠っているのかと思った。


 だが、しばらくして小さな声が返った。


「はい」


「聞いてたか」


「聞こえないふりをしていました」


「上手くなったな」


「隊長の部下なので」


 奥山の声は、まだ弱い。


 だが、奥山が壊れた直後のような虚ろさはなかった。


 怖がっている。


 その怖さが、彼を人間の側へ戻している。


「飛翔体が戻った」


 加藤が言った。


「はい」


「連華は壊れた」


「はい」


「月華を使う話が出る」


「はい」


 奥山は、少し間を置いた。


「怖いです」


「だろうな」


「月華も怖いです。飛翔体も怖いです。人間も怖いです。自分が怖いです」


 加藤は黙って聞いた。


 奥山は続けた。


「でも、港で思いました。怖いものが多すぎると、どれから逃げればいいか分からなくなるんです」


「逃げたいか」


「逃げたいです」


 即答だった。


 加藤は少し笑った。


「正直でよろしい」


「でも、逃げる先に人がいたら、踏みたくないです」


 医療区画の空気が止まった。


 奥山の声は震えている。


 だが、その震えは逃げではなかった。


「僕は、たぶん強くなってないです。篠籠島で壊れて、港で怖くなって、今も寝るのが怖いです。でも、怖いままなら、力加減を間違えにくい気がします」


 加藤は天井を見た。


 奥山は臆病者だった。


 今も臆病者だ。


 だから、掌に老人を乗せられた。


 だから、子どもの服の端だけをつまめた。


 だから、壁になった。


 臆病は弱さではない。


 臆病を捨てた時、人間はただの力になる。


「奥山」


「はい」


「怖がってろ」


 奥山は、カーテンの向こうで息を詰めた。


「命令ですか」


「助言だ」


「命令にしてください」


 加藤は少し考えた。


「怖がってろ。命令だ」


「了解」


 奥山の声が、少しだけ落ち着いた。


 伊藤が静かに言った。


「では、私は空を見ます」


「それは命令じゃない」


 加藤が言う。


「分かっています」


「分かってない顔の声だ」


「顔は見えていません」


「声で分かる」


 伊藤は返事をしなかった。


 その沈黙の奥に、言葉にできない過去が横たわっている。


 滝川。


 柏木。


 電子を失った空。


 戻れた者と、戻れなかった者。


 伊藤が空を嫌う理由ではなく、空を見捨てられない理由。


 加藤はそれを問い詰めなかった。


 今はまだ、その時ではない。



 格納庫の最奥に、封鎖扉があった。


 厚い鋼鉄の扉。


 赤い警告灯。


 手動解錠ハンドル。


 電子認証は使われていない。


 月華関連区画。


 篠籠島で月華一号機が消えた後、第七区画に残された月華系統の予備機体と接続部材は、すべてここへ封印された。


 封印したのは恐れだった。


 技術的な危険ではない。


 人間がそれを希望と呼んでしまう危険。


 月華は美しい。


 だから危ない。


 連華のように泥臭く、重く、壊れた時に鉄と油の匂いを出す機体なら、人間はまだそれを道具だと思える。


 月華は違う。


 翼を持つ。


 白い飛翔体の干渉圏で、電子が死ぬ空を舞う。


 人間の神経を機体へつなぎ、恐怖を揚力へ変え、痛みを旋回へ変える。


 それは兵器というより、願望に近い。


 願望は、時々兵器より人間を壊す。


 榊原は封鎖扉の前に立っていた。


 隣に白瀬がいる。


 彼女は通信卓から離れることを嫌がったが、黒崎に命じられた。


 月華区画の物理記録を確認しろ。


 そう言われた。


 だが、二人とも分かっていた。


 確認ではない。


 開ける準備だ。


「ここ、初めてです」


 白瀬が言った。


「入らない方がいい場所です」


 榊原は答えた。


「技官は入ったことがあるんですか」


「一度だけ」


「どうでしたか」


 榊原は少し考えた。


「静かすぎました」


 白瀬は扉を見た。


 厚い鋼鉄の向こうから、音はしない。


 だが、音がしないことが逆に重い。


「月華は、起動していなくても怖いんですか」


「起動していない機械は怖くありません」


「では」


「それを起動しようと考える人間が怖い」


 白瀬は黙った。


 自分たちは、その人間になろうとしている。


 飛翔体が戻ったから。


 連華が壊れたから。


 地上の避難民を見捨てられないから。


 理由はある。


 理由があるから、怖い。


 狂気は、理由のない場所からだけ来るわけではない。


 むしろ、正しい理由を積み上げた先にある狂気の方が、人間は止めにくい。


 白瀬は、胸ポケットから小さな紙片を取り出した。


 篠籠島で、荻野博士が彼女に渡した走り書きの写し。


 原本は資料庫に保管されている。


 写しだけを、白瀬は持っていた。


 最後まで、人の名前を呼べ。


 機械を呼ぶな。


 任務番号を呼ぶな。


 帰ってくるのは、人間だけだ。


 白瀬は紙片を戻した。


「もし月華を起動するなら」


 彼女は言った。


「私は、搭乗者の名前を呼びます」


 榊原は、扉から目を離さずに答えた。


「呼び続けてください」


「応答がなくても」


「応答がなくなるからです」


 白瀬は頷いた。


 怖くなった。


 だが、怖いと分かったことを手放さなかった。



 黒崎司令は、医療区画へ来た。


 三枝二尉が止めようとした。


「面会は五分です」


「三分でいい」


「三人とも出撃できません」


「分かっている」


「分かっていない人の顔です」


 黒崎は、少しだけ苦笑した。


「第七区画は顔で診断されるのか」


「ここでは、顔で嘘を見ます」


 三枝は扉を開けた。


 黒崎は中へ入った。


 加藤、奥山、伊藤。


 三人ともベッドにいる。


 連華班が横になっている姿は、黒崎には異様に見えた。


 彼らはいつも、機体の中か、格納庫か、作戦室にいた。


 壊れても立っていた。


 今は、立っていない。


 それでも、目だけは起きている。


「飛翔体が戻った」


 黒崎は言った。


「知っています」


 加藤が答える。


「統合本部は華計画資料の保全を最優先にしている」


「でしょうね」


「第七区画は、避難民受け入れと輸送路確保を並行する」


 加藤は黒崎を見た。


「命令違反ですか」


「解釈の違いだ」


「便利な言葉ですね」


「長く軍にいると覚える」


 奥山が小さく言った。


「避難民、入れるんですか」


「全員は無理だ」


「はい」


 奥山は、その言葉に傷ついた顔をしなかった。


 全員は無理。


 彼はもう、その言葉を知っている。


 知っていて、それでも次を見ることを覚え始めている。


「だが、入れられる者は入れる。運べる者は運ぶ。守れる道は守る」


 黒崎は三人を見た。


「国の命令としてではない。第七区画の判断としてだ」


 伊藤が言った。


「軍が勝手に人を救うのは、政治的に問題では」


「問題だ」


「では」


「問題を数える役人が生き残っているなら、その人間も避難させる」


 加藤が、かすかに笑った。


「司令らしくない」


「私らしさで国が浮くなら、いくらでも守る」


 黒崎は表情を消した。


「月華を開ける」


 医療区画の空気が変わった。


 三枝が扉の近くで息を止めた。


 奥山は布団を握った。


 伊藤は目を閉じた。


 加藤だけが、黒崎を見ていた。


「誰を乗せる」


「まだ決めていない」


「決めてから開けろ」


「決めるために開ける」


「月華は志願制にするな」


 加藤の声が低くなった。


「あれは、志願した人間を食う。正しさで自分を焼ける奴ほど、よく燃える」


 黒崎は頷いた。


「だから、お前に聞きに来た」


「俺は乗れない」


「知っている」


「伊藤も乗せるな」


 伊藤が目を開けた。


「隊長」


「黙ってろ」


「理由を」


「お前は空に未練がある」


 伊藤の顔から表情が消えた。


 加藤は続けた。


「月華は未練を餌にする。お前は操縦できるかもしれない。だから危ない」


 伊藤は反論しなかった。


 反論しないことが、答えだった。


 黒崎は加藤を見た。


「では、誰ならいい」


「誰もよくない」


「それでは答えにならん」


「答えにしたくない」


 加藤は身体を起こそうとして、痛みに顔を歪めた。


 三枝が一歩踏み出す。


 加藤は左手で制した。


「司令。月華を開けるなら、最初に決めることは搭乗者じゃない」


「何だ」


「帰還条件だ」


 黒崎は黙った。


「何を達成したら戻すのか。どの数値で止めるのか。誰が止めるのか。本人が戻りたくないと言った時、誰が名前を呼ぶのか。撃墜してでも止めるのか」


 奥山が顔を上げた。


 伊藤も、加藤を見た。


「飛ばす条件より、戻す条件を先に決めろ。荻野ならそう言う」


 黒崎は、長く黙っていた。


 加藤の言葉は、作戦計画としては不完全だった。


 だが、人間を兵器にしないための最低限だった。


「分かった」


 黒崎は言った。


「月華起動準備に先立ち、帰還条件を定義する。加藤、お前は医療区画から意見を出せ」


「命令ですか」


「命令だ」


「了解」


 加藤は目を閉じた。


 それだけで疲れた。


 だが、少しだけ息がしやすくなった。


 月華はまだ開いていない。


 飛翔体は戻った。


 連華は壊れている。


 人類は統一作戦を組めない。


 それでも、戻す条件を考えることはできる。


 人間を帰らせるための条件を。



 同じ日の午後、富士演習場の地下格納庫では、別の連華が目を覚まそうとしていた。


 四号機、五号機、六号機。


 量産試作型。


 第七区画の一号機から三号機が戦場で壊れ続けていた頃、富士では砲架試験と高温環境耐久測定だけを繰り返していた機体群だ。


 火力試験隊付きの整備員が外殻を拭き上げたばかりで、装甲には傷一つない。戦場の匂いがしない連華。それが三機、横並びに架台へ固定されていた。


 相馬啓介二尉は、四号機の操縦殻の前に立っていた。


 開かれたハッチの縁に手をかけ、中を覗く。


 新しい匂いがした。油脂、接着剤、焼けていない金属。靴の裏に砂が噛んでいないコックピット。


「綺麗だな」


 相馬は呟いた。


 感想というより確認だった。


 加藤一尉の一号機の損傷記録は読んでいる。操縦殻の内側に凹み、足元の床板は歪み、ペダルカバーが擦り減って下地の金属が光っている写真も見た。


 四号機にはそういう跡が何もない。マニュアルラックには製本されたばかりの運用手順書が差し込まれていて、背表紙のインクがまだ匂う。


 五号機の前では、益田宏明二尉がチェックリストを読み上げていた。


「脚部駆動系、正常。膝部衝撃吸収、正常。腕部砲架連動、正常。B-MAX遮断系——」


 そこで紙面を裏返した。


「——正常」


 二回繰り返した。遮断系が正常であることの意味を、噛むように。


 六号機の操縦殻には、もう真柴恭一曹長が入っていた。


 無口な男だ。チェックは常に最速で、報告はいつも最後。自分の手で全部を確かめ終えるまで口を開かない。


 その真柴が、操縦殻から身を乗り出して言った。


「帰還補助語の欄がない」


 相馬は振り向いた。


「何だそれ」


「一号機の教本にある。通信途絶時に管制が搭乗者へ呼びかける定型句の一覧。名前で呼べ、機体番号で呼ぶな、とか」


「量産機にはいらないだろ」


 相馬は軽く答えた。軽く答えられるのは、その欄が何のために作られたのか知らないからだった。


 益田がチェックリストをたたみながら口を開いた。


「加藤隊の戦闘記録映像、見たか」


「概要は読んだ」


「映像を見ろよ。篠籠島の港で二号機が壁になってる。十八メートルの機体で避難民を背中に庇ってた。あの動き、怖くないのかと思った」


 相馬は鼻を鳴らした。


「怖い動きなんかするから機体が壊れるんだ。俺たちは火力試験隊だぞ。教本通りに動けば、壊れる前に終わる」


「教本通りに動ける戦場ならな」


 益田は静かだった。


 相馬は反論しなかった。反論する材料がないのではなく、ここで言い合っても仕方がないと判断しただけだ。


 真柴は操縦殻へ引っ込み、計器盤を指で叩いている。


 叩いているのではない。加藤隊の映像で見た操作手順を、指だけでなぞっていた。手が覚えるまで、何度でも。


 相馬は四号機の操縦殻へ乗り込んだ。


 シートに腰を下ろす。身体が沈む。新品のクッション。フレームの軋みがない。ペダルは滑らかで、操縦桿は垂直に戻る。


 申し分ない。


 機体は完成していた。仕様通り、設計通り、試験合格済み。


「これで十分だろ」


 相馬はそう言って、ハッチを閉じた。


 閉じた瞬間、操縦殻が静かになる。


 外の声が遠くなった。整備員の足音。工具の金属音。換気装置の低い唸り。


 その静けさの中に、何か一つ足りないものがある気がした。


 何が足りないのかは分からない。


 帰還補助語という言葉が、頭の隅をかすめて消えた。



 夕方、雨は止んだ。


 旧市立第三中学校の校庭には、ぬかるんだ土が広がっていた。


 発電機はまだ復旧していない。


 避難所の人々は、薄暗い中で配給を待っていた。


 空の白は薄くなっていたが、消えてはいない。


 雲の向こうで、何かがゆっくり周回している。


 美央は、校庭の隅にしゃがんでいた。


 手には、小さな紙包みがある。


 避難する時、母が非常袋へ入れていた朝顔の種。


 庭から取ったものではない。


 去年の種だ。


 乾いて、軽くて、頼りない。


 美央は指で土を掘った。


 雨で柔らかい。


 爪の間に黒い泥が入る。


 柏木は松葉杖をついて、少し離れた場所に立っていた。


「そこに植えるのか」


「うん」


「踏まれるかもしれない」


「じゃあ、棒を立てる」


「水が足りないかもしれない」


「雨が降る」


「また避難するかもしれない」


 美央は手を止めた。


 柏木は、言いすぎたと思った。


 だが美央は泣かなかった。


 彼女は土の穴を見つめて、言った。


「そしたら、誰かが見るかもしれない」


 柏木は何も言えなかった。


 美央は種を一粒、土へ入れた。


 全部は入れなかった。


 一粒だけ。


 残りは紙包みに戻す。


「どうして一粒なんだ」


「次の場所にも植えるから」


 柏木は、空を見上げた。


 白い飛翔体は、まだそこにいる。


 人類は、それを破壊できない。


 国は命令を失い、軍は壊れた機体を抱え、避難所では子どもが土に種を埋めている。


 どれも小さい。


 あまりにも小さい。


 だが、柏木は思った。


 帰還とは、戻ってくるものを迎えることだけではない。


 戻る場所を作ることでもある。


 たとえ仮の場所でも。


 たとえ校庭の隅でも。


 たとえ明日、また逃げるとしても。



 夜、第七区画の物理記録ドラムに、新しい作戦分類が刻まれた。


 統一作戦ではない。国家総力戦でも、世界合同迎撃でもない。


 作戦名は、まだ未定。


 未定という言葉は、責任逃れに使われることが多い。


 だが、この夜の未定は違った。


 まだ誰かが決められるという意味だった。


 白瀬は通信卓で、地上の避難所名簿を読み上げていた。


 一人ずつ。


 名前を。


 榊原は月華区画の封鎖扉前で、帰還条件の草案を書いていた。


 黒崎は、統合本部からの抗議回線を切らずに聞き流しながら、輸送路地図へ赤鉛筆で線を引いていた。


 三枝は医療区画で、加藤、奥山、伊藤の脈を確認していた。


 奥山は眠っていた。


 うなされながら。


 だが、眠っていた。


 伊藤は目を開けていた。


 天井ではなく、どこにもない空を見ていた。


 加藤は包帯だらけの手で、紙片を押さえていた。


 月華帰還条件。


 一、搭乗者を機体名で呼称しない。


 二、作戦中、通信途絶時も搭乗者の氏名を継続呼称する。


 三、目標達成より帰還判断を優先する中止権を外部に設定する。


 四、搭乗者本人が継続を主張した場合でも、帰還条件を満たした時点で回収行動へ移行する。


 五、帰還不能と判断された場合でも、記録上は未帰還ではなく、帰還途上として扱う。


 加藤は、五つ目の文を見つめた。


 甘い。


 軍事文書としては甘すぎる。


 帰還不能は帰還不能だ。


 未帰還は未帰還だ。


 だが、荻野博士なら笑うだろう。


 いいんだよ、加藤君。


 人間は、戻ってくると言われた方が足を動かせる。


 加藤は目を閉じた。


 白い飛翔体は戻ってきた。


 帰る場所を知らないものが、空を周回している。


 ならば人間は、帰る場所を定義しなければならない。


 国が沈んでも。


 機体が折れても。


 翼が狂気でできていても。


 名前を呼ぶ。


 帰還条件を決める。


 土に種を埋める。


 それらは飛翔体への攻撃ではない。


 だが、白い沈黙に押し潰されないための、最初の反撃だった。


 第4部は、勝利から始まらない。


 華は折れている。


 空は狂っている。


 人類は、もう一つの作戦を組めるほど一つではない。


 それでも、残った者たちは顔を上げた。


 白いものが帰ってきたからではない。


 帰る場所を、まだ失いたくなかったからだ。


第21章「白い帰還」、読んでくださりありがとうございます。

飛翔体が戻ってきましたが、今回描きたかったのは飛翔体よりも、それを迎えてしまう人間側の状態です。


連華班はまだ戦えません。

第七区画も万全ではありません。

国家としての命令系統も、避難民を救う力も、もう以前のようには残っていません。


それでも、名前を呼ぶこと。

帰還条件を決めること。

土に種を埋めること。


そういう小さな行為を、人間側の最初の反撃として置きました。


また今回、富士演習場の火力試験隊——相馬、益田、真柴の三人が連華量産機を受領するシーンを入れました。

加藤たちとは別の部隊で、帰還思想を共有していない連華乗りです。

傷のない機体に「これで十分だろ」と言える彼らが、この先どうなるか。覚えておいていただければ。


次章では、月華へ乗る雨宮澪の記憶を描きます。

凍結されていた月華へ踏み込む前に、彼女が戻るための言葉を置いておきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
ブックマーク・評価・感想をいただけると、今後の執筆の大きな励みになります。

メタルブレーカーズ 目次へ戻る

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ