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風待ちの魔女郵便

作者:Loui.Sue
最新エピソード掲載日:2026/07/19
国境を越え、人から人へ手紙を運ぶ――それが、国際郵便組合に所属する「郵便魔女」の仕事である。

二十歳の郵便魔女、リネット・ファルン。通称リン。

真面目で責任感が強く、少しばかり仕事が好きすぎる彼女には、ほかの誰にもない力があった。

人や船が空を飛ぶために整備された魔力の道〈風路〉。リンだけは、その流れが消えたあとにも残る、ごく微かな痕跡を感じ取り、再び飛べる道として辿ることができる。

ある日、配達中のリンの目の前で、使われていたはずの風路が突然消失する。

失われた旧風路を辿り、十六年遅れの手紙を届けた彼女の鞄には、帰路で見覚えのない封筒が入り込んでいた。

押されていたのは、四十二年前に廃止された「風待ち郵便局」の消印。

便箋に記されていたのは、三日後に起きる、次の風路消失の予告だった。

やがてリンは、消えた風路の奥で、行き先を失った郵便物が集まり続ける古い郵便局へ辿り着く。

戦争で閉ざされた国境。
地図から消えた町。
受け取ることを拒み続けた人。
届けるには、あまりにも時間が経ちすぎた手紙。

手紙が届けば、止まっていた時間が動き出す。

けれど、届いた言葉が誰かを救うとは限らない。忘れようとしていた過去や、二度と戻らない人の思いを呼び覚ますこともある。

郵便魔女にできるのは、誰かの答えを決めることではない。

ただ、受け取るかどうかを選べる場所まで、その手紙を運ぶことだけだ。

それでもリンは、郵便鞄を背負い、箒にまたがる。

待っている手紙と、それを受け取るかもしれない誰かのために。

これは、風の途絶えた空を飛び、届かなかった思いをもう一度旅へ戻す、一人の郵便魔女の物語。
Letter1 遅れた手紙
Letter2 返らない手紙
受け取り期限①
2026/07/15 22:12
受け取り期限②
2026/07/15 22:14
風待ち郵便局①
2026/07/16 11:43
風待ち郵便局②
2026/07/16 11:44
風待ち郵便局③
2026/07/16 11:48
風待ち郵便局④
2026/07/16 11:49
Letter3 旅立ちの手紙
十一年目の朝
2026/07/16 11:52
帰路へ続く風
2026/07/16 11:54
最初の一通
2026/07/16 11:55
選ぶため①
2026/07/16 20:13
選ぶため②
2026/07/16 20:13
選ぶため③
2026/07/16 20:14
選ぶため④
2026/07/16 20:15
幕間① 物資補給
配達以外①
2026/07/17 19:12
配達以外②
2026/07/17 19:14
Letter4 名前を呼ぶ手紙
返送印①
2026/07/17 19:15
返送印②
2026/07/17 19:16
名簿に残る名前
2026/07/17 19:17
配達継続
2026/07/17 19:18
宛名はヴァルク・ガルム①
2026/07/18 18:14
幕間②差出人欄に書ききれない
東部第四支局①
2026/07/18 21:33
東部第四支局②
2026/07/18 21:35
東部第四支局③
2026/07/18 21:35
東部第四支局④
2026/07/18 21:36
Letter5 道を閉じる手紙
道を閉じる前に
2026/07/19 18:28
午後四時十二分
2026/07/19 18:28
残っていた道①
2026/07/19 19:33
残っていた道②
2026/07/19 19:34
残っていた道③
2026/07/19 19:35
二連の青信号
2026/07/19 20:34
Epilogue 次の手紙
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