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悩みを抱えた客だけがたどり着く宿で、僕はあなたを守る者の声を聴く ~答えを教えない、不思議な宿の六つの物語~

作者:牧静
最終エピソード掲載日:2026/09/03
「この宿に泊まった占い師は、鑑定が変わるらしい」

そんな噂に導かれ、新月の夜、タロット占い師の水瀬は山奥の小さな宿を訪れる。

宿の主人は穏やかで親切だが、どれほど見つめても、その心には感情の揺れが見えない。客を歓迎しながらも何かを教えようとはせず、ただ目の前のものを見つめ、必要な時が来るまで静かに待っている。

焼きたての林檎のパイ、囲炉裏で焼かれた岩魚、手間をかけて作られた栗の渋皮煮。宿で過ごすうち、水瀬は主人の「急がず、ただ見る」という不思議な在り方に触れていく。

その頃、水瀬は一人の男性客を救おうとしていた。けれど、どれほど正しい言葉を伝えても、彼の心には届かない。

なぜ、この人は変わろうとしないのか。

焦りを募らせた水瀬は、宿の奥にある「声を聴くための部屋」へ足を踏み入れる。そこで聞いたのは、特別な存在からの啓示ではなく、これまで見ないようにしてきた自分自身の声だった。

人を助けたいという思いに、何が混じっていたのか。
救いたかったのは、本当は誰だったのか。

これは、特別な力を得るために宿を訪れた占い師が、答えを与えることを手放し、相手の言葉を待つことを覚えていく物語。

山奥の不思議な宿を舞台に、人の心と、見えない存在の声を静かに描く連作小説。
第一章 助けたいだけなのに
一 新月の夜
2026/08/15 08:00
三 林檎のパイ
2026/08/15 15:00
四 藍色の布
2026/08/15 18:00
七 奥にある声
2026/08/16 15:00
第二章 成績表を握りしめた母
八 今の一問
2026/08/20 18:00
第三章 透明な器
三 透明な器
2026/08/22 08:00
七 朝の光
2026/08/23 18:00
第四章 急がなくていい
第五話 救いたかった人
三 人を救う力
2026/08/28 08:00
四 どうりで
2026/08/28 18:00
第六話 最後の秘術
三 塔
2026/08/31 08:00
四 梨のゼリー
2026/08/31 18:00
六 石の床
2026/09/01 18:00
八 尊い方
2026/09/02 18:00
十 エピローグ
2026/09/03 18:00
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