測量士と転移者
最新エピソード掲載日:2026/08/29
遺跡には、攻める者と測る者がいる。
ハルトは、後者だ。
魔獣の巣食う遺跡に潜り、通路の幅を測り、天井の高さを控え、図面を引いて帰ってくる。剣も宝も名声も要らない。それだけで飯を食う、特級の遺跡測量士。
その日も彼は、家が代々請け負ってきた「サルカド遺跡」を、いつものように測っていた。
帰り道、崩落で塞がれた行き止まりに、見慣れない服の少女が倒れていた。
言葉が通じない。文字も違う。持ち物は、この国のどの工房にも作れない精度で出来ている。
そして――この区画に、入口はもうない。
「……どこから入った?」
言葉の通じない少女を測量助手として雇い、二人で遺跡に潜るうち、ハルトは自分が二十年書き続けてきた数字の異常に気づく。
どの遺跡も、通路の幅が同じなのだ。天井の高さも、階段の蹴上げも、寸分違わず。
人が建てた物は、必ずずれる。 ずれないものを、人は建てられない。
――では、これは誰が造った。
剣ではなく杆を持つ大人の男と、帰る場所を探す少女。 二人が測り上げた数字は、やがてこの世界そのものの図面になる。
ハルトは、後者だ。
魔獣の巣食う遺跡に潜り、通路の幅を測り、天井の高さを控え、図面を引いて帰ってくる。剣も宝も名声も要らない。それだけで飯を食う、特級の遺跡測量士。
その日も彼は、家が代々請け負ってきた「サルカド遺跡」を、いつものように測っていた。
帰り道、崩落で塞がれた行き止まりに、見慣れない服の少女が倒れていた。
言葉が通じない。文字も違う。持ち物は、この国のどの工房にも作れない精度で出来ている。
そして――この区画に、入口はもうない。
「……どこから入った?」
言葉の通じない少女を測量助手として雇い、二人で遺跡に潜るうち、ハルトは自分が二十年書き続けてきた数字の異常に気づく。
どの遺跡も、通路の幅が同じなのだ。天井の高さも、階段の蹴上げも、寸分違わず。
人が建てた物は、必ずずれる。 ずれないものを、人は建てられない。
――では、これは誰が造った。
剣ではなく杆を持つ大人の男と、帰る場所を探す少女。 二人が測り上げた数字は、やがてこの世界そのものの図面になる。
測る男
2026/08/09 19:15
拾いもの
2026/08/09 19:35
数字は通じる
2026/08/09 20:05
一次測量
2026/08/10 09:55
(改)
浅層
2026/08/10 20:30
中層
2026/08/11 10:00
未踏区画
2026/08/11 20:00
地の底の夜
2026/08/12 10:00
開かずの扉
2026/08/12 20:00
緑の人型
2026/08/13 10:00
珍しい流儀
2026/08/13 20:00
腐らない蜜
2026/08/14 10:00
神隠しの記録
2026/08/14 20:00
次の依頼
2026/08/15 10:00
カラン村
2026/08/15 20:00
沈んだ王国
2026/08/16 10:00
出口を数える
2026/08/16 20:00
なぜか分かる
2026/08/17 10:00
光る板
2026/08/17 20:00
見えない目
2026/08/18 10:00
噂
2026/08/18 20:00
はぐらかす
2026/08/19 10:00
関係ない
2026/08/19 20:00
ヌイ村へ
2026/08/20 10:00
焼けた家
2026/08/20 20:00
紋章
2026/08/21 10:00
四つの点
2026/08/21 20:00
測量士らしからぬ
2026/08/22 10:00
本当の名
2026/08/23 10:00
測量士の家系じゃない
2026/08/23 20:00
秘密の共有
2026/08/24 10:00
丁寧でないほう
2026/08/24 20:00
十八年
2026/08/25 10:00
数えなおす
2026/08/25 20:00
近くない?
2026/08/26 10:00
十一年で回るもの
2026/08/26 20:00
学者からの返事
2026/08/27 10:00
未来の話
2026/08/27 20:00
証拠を数える
2026/08/28 10:00
地面を読む
2026/08/28 20:00
乱れていない層
2026/08/29 10:00